ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

医療機器分野の受注獲得へ向けた高品質R曲げ技術の確立と生産性向上

有限会社藤井製作所

成果曲げ寸法精度 0.1mm→0.01mm

この事例のポイント

  • 安定的な成長が見込める医療機器分野へ進出する必要があった。
  • 最新鋭のベンディングマシンとR曲げ専用金型を導入し、技術の確立と生産プロセスの改善を行った。
  • 曲げ寸法精度 0.1mm→0.01mm。R曲げの寸法精度が0.1mmから0.01mmに向上し、安定的かつ高精度に寸法が出せるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社藤井製作所
所在地福島県 福島県西白河郡矢吹町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金700万円
設立1965年

事業の背景

リーマンショック前はプレス加工と精密板金加工の売上比率が半々だったが、ここ数年は板金部門が売上の8割を担っている。製品別にはプレス部品・産業用制御盤・通信機器・空調設備・その他の5つに分かれる。福島県では医療機器メーカーの産業集積が進み、県内の医療機器の生産額は今後さらに大きくなると予想されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信安定的な成長が見込める医療機器分野へ進出する必要があった。
  • 品質・精度R曲げは熟練技術者の勘や経験に頼る手作業で、金型の跡が筋状に残り、形状も歪になっていた。
  • 生産能力R曲げを無理にベンダーで行ったり、ヤスリで削ったりしており、加工に手間と時間がかかっていた。
  • 販路・情報発信売上の8割を板金部門が担っており、顧客と売上の分散化によってリスクを軽減する必要があった。

やったこと

最新鋭のベンディングマシンとR曲げ専用金型を導入し、技術の確立と生産プロセスの改善を行った。R曲げ専用金型では一回のパンチでR形状に容易に成形でき、複数のR形状の成形も可能で汎用性が高い。金型の跡を残さないよう軽量プラスティック製の下型を組み合わせ、見映えの良いR形状の製品を加工することを目指して試作開発と評価確認を行った。曲げ工程は0.1mmの寸法精度を0.01mmに向上させた。作業時間は機械性能とステップベンドにより従来に比べ約20%短縮したが、目標の50%削減は未達成に終わった。生産体制を見直し、ムリ・ムダ・ムラを減らした。

加工機最新鋭のベンディングマシン
金型R曲げ専用金型
金型軽量プラスティック製の下型

新しい製品・サービス:外観を重視する医療機器のカバー等

事業の効果

  • 曲げ寸法精度 0.1mm→0.01mm

R曲げの寸法精度が0.1mmから0.01mmに向上し、安定的かつ高精度に寸法が出せるようになった。金型の跡が残らず、一回のパンチで複数のR形状を成形できるようになった。作業時間は従来に比べ約20%短縮したが、目標の50%削減には届かなかった。生産体制の見直しにより短納期で効率的に生産できる体制が整い、医療機器分野への新規参入の準備が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    板金・プレス加工の事業を長年続けてきた経緯は読み取れるが、医療機器分野進出が経営戦略上どう位置付けられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安定的な成長が見込める医療機器分野への進出と顧客分散の狙いは書かれているが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題はR曲げの手作業依存や金型跡、精度0.1mmで、実施内容としてR曲げ専用金型と新型ベンディングマシン導入が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    精度0.1mmから0.01mmへの向上と加工時間の約20%短縮が数字で示されている一方、目標の50%削減は未達成と明記されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員22名や技術者による取組は触れられるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器カバーなど外観重視製品への対応は述べられているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    生産体制の見直しや試作評価の実施は書かれているが、中長期スケジュールや課題解決の方法は詳しく示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    R曲げ専用金型で一回のパンチで複数のR形状を成形でき、製品に金型跡をつけない手法は同分野で高水準の加工技術として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療機器産業の集積や介護分野の人材不足に触れており地域の成長への言及はあるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    短納期化や作業時間短縮は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    介護ロボットや医療機器への展開が検討されていると書かれるが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    医療機器や介護分野という成長分野への進出が述べられており、構造転換への言及はうかがえるが具体性は薄い。

  • 地域経済への波及3

    福島県の医療機器産業集積プロジェクトに触れており地域特性は読み取れるが、雇用や成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来的には介護機器のオリジナル商品開発を見据えています。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。