ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

熱交換器用フィンのコンビネーション金型の導入

株式会社ニッタ冷熱工業

成果フィン加工時間は約40%短縮

この事例のポイント

  • オーダーメイドの大型物件を受注するため、20〜30台/Lotの中型・大型物件に対応できる製造環境の整備が必要だった。
  • 従来の各パイプサイズ用の金型に代えて、φ12.7用とφ15.88用のフィン金型を1つでまかなえるハイカラーフィン用のコンビネーション金型を製作した。
  • フィン加工時間は約40%短縮。フィン加工時間は約40%、熱交換器製作時間は50%超短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ニッタ冷熱工業
所在地福島県 白河市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数40人
資本金1,000万円
設立2007年

事業の背景

当社は2007年に群馬県の岩崎工業のグループ会社として創業し、食品ショーケースや図書館・博物館の空調設備など業務用熱交換器を生産する東北唯一の企業である。製造依頼では冷凍・冷蔵倉庫や冷凍食品工場の設備用クーラーが特に増えており、現場ニーズに応えるにはオーダーメイドの特注品が必要である。一基ずつ独自仕様を実現するには検討に相当な時間を要していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力オーダーメイドの大型物件を受注するため、20〜30台/Lotの中型・大型物件に対応できる製造環境の整備が必要だった。
  • コスト・採算後工程のリードタイムを短縮し、材料費の調整・部品の共用化・工数の削減によりコストを抑える必要があった。
  • 生産能力従来の圧入方式ではフィン材をローラーで送る際に高速運転が保てず、過大な時間ロスが生じていた。

やったこと

従来の各パイプサイズ用の金型に代えて、φ12.7用とφ15.88用のフィン金型を1つでまかなえるハイカラーフィン用のコンビネーション金型を製作した。金型メーカーとの協議を経てフィンの仕様を確定し、高速度に対応できる金型仕様を採用した。拡管方式に対応させ、金型に送り装置を取り付けてフィン材を引っ張ることで送り速度を上げ安定させた。フィンのカラーはφ12.7で10mm、φ15.88で12mmまでのハイカラーフィンを生産可能にした。

金型ハイカラーコンビネーション金型(φ12.7用・φ15.88用)
加工機フィン金型用送り装置
加工機高速で回転するプレス機

新しい製品・サービス:ハイカラーフィンを拡管方式で製作できるコンビネーション金型による熱交換器の製造

事業の効果

  • フィン加工時間は約40%短縮
  • 熱交換器製作時間は50%超の短縮
  • 20〜30台/Lotの中型・大型物件を受注できる製造環境を整備

フィン加工時間は約40%、熱交換器製作時間は50%超短縮できた。フィン材の送り速度が上がり安定したことで金型交換時間も削減された。圧入方式から拡管方式へ変えたことで組み立て工数が大幅に減り、熟練者に限定されず生産性が上がった。銅管もフィンに覆われ腐食しにくくなり、信頼性や耐久性という付加価値も加わった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の業務用熱交換器製造と拡管用ハイカラーフィン導入による製品多角化が書かれ、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少ロット・多品種対応と東北唯一の熱交換器生産という強みが示され、冷凍倉庫向け特注品の需要増に対応する点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    特注品の検討に時間がかかる課題を認識し、フィン加工時間約40%・熱交換器製作時間50%超の短縮目標達成が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    フィン加工時間約40%、熱交換器製作時間50%超短縮という数値目標が示され、達成したと記載されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    金型メーカーとの協議や設計・生産技術・品質等の総合力に触れているが、人員や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    20〜30台/Lotの中型・大型物件受注、少ロット対応の需要を見据えた付加価値アピールなど、顧客ニーズと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    コンビネーション金型導入の経緯や今後の一貫受注方針は書かれるが、スケジュールや中長期の検証は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    拡管方式によるハイカラーフィンは同分野で高付加価値化を図るものとして読めるが、普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    冷凍倉庫や冷凍食品工場の設備用クーラー需要増に触れるが、波及効果や雇用創出についての記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    投資額は書かれていないが、フィン加工時間約40%、製作時間50%超短縮という生産性向上の効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    拡管方式や送り装置の導入による製造工程の改善はあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東北唯一の業務用熱交換器生産企業として地域で事業を行う点は読み取れるが、地域経済への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オーダーメイドの単品・物件受注が今後も増えると推察される。その需要動向を見据え、顧客へアピールできる付加価値を事業展開に活かす方針である。少ロット・短納期対応を続け、冷凍サイクル全般を一貫受注できる体制を目指す。

事業者の声

弊社は少ロット・多品種に対応し熱交換器を製作してまいりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。