ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

3次元を駆使した曲げ工程生産プロセスの改善

アグサメタル株式会社

成果切断・曲げ加工の外注費及び割合を前年度より50%削減する目標を掲げ、外注費の削減に成功した。

この事例のポイント

  • 切断・曲げ加工の大半を外注しており、納期が安定しない。
  • 液晶モニター付きプレスブレーキを導入し、熟練者以外でも曲げ加工ができるようにして精密板金を内製化した。
  • 切断・曲げ加工の外注費及び割合を前年度より50%削減する目標を掲げ、外注費の削減に成功した。曲げ工程の生産プロセスが改善され、精密板金加工技術を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名アグサメタル株式会社
所在地広島県 福山市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数19人
資本金800万円
設立2008年

事業の背景

当社は溶接加工を中心に、自動車部品、工作機械部品、輸送機械部品など多種多様な製品の製造を請け負っている。図面作成から溶接、組立、塗装まで一貫した体制で受注できることが強みである。一方で、ロット数が多くなると熟練技術を要する切断・曲げ加工を外注せざるを得ず、現行設備では対応しきれない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑切断・曲げ加工の大半を外注しており、納期が安定しない。
  • 人手・技能熟練技術を要する切断・曲げ加工を担える従業員が少なく、スキルアップが課題である。
  • 生産能力3次元CADによる自社開発データの蓄積が不足し、創造的な設計提案を顧客にできていない。

やったこと

液晶モニター付きプレスブレーキを導入し、熟練者以外でも曲げ加工ができるようにして精密板金を内製化した。板金専用3次元CADを導入し、曲げ用の展開図を瞬時に作成できるようにした。角度センサー機能内蔵のプレスブレーキを導入し、曲げ加工途中の板材の伸びによる誤差が発生しないようにした。3次元CADとプレスブレーキをネットワーク化し、曲げ順や使用金型などの開発データを蓄積して次回からの段取り時間を短縮できるようにした。

加工機液晶モニター付きプレスブレーキ
ソフト板金専用3次元CAD
加工機角度センサー機能内蔵プレスブレーキ

新しい製品・サービス:3次元CADと3次元図の模写が可能なプレスブレーキ

事業の効果

  • 切断・曲げ加工の外注費及び割合を前年度より50%削減する目標を掲げ、外注費の削減に成功した。

曲げ工程の生産プロセスが改善され、精密板金加工技術を確立した。これにより外注工程を内製化し、外注費の削減に成功した。3次元CADで顧客から預かった図面を基にワークサンプルを作り、設計理論に基づく形状・構造の最適化やコストダウンを含めた提案営業ができるようになり、他社との差別化と競争力強化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接加工中心の既存事業と切断・曲げの内製化が連続しているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一貫体制の強みを挙げ、食品機械分野への販路開拓や世界市場年率5.9%成長に言及しており、外部環境と強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    外注費を前年度から50%削減する目標や展開図8割作成の目標が示され、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    外注費50%削減の目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    熟練者以外でも曲げ加工できる体制や人材育成への言及はあるが、事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    3次元CADで作る提案営業やコストダウン提案、食品機械メーカーへの販路という顧客ターゲットが明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    段取り時間短縮や精度検査合格などの成果は示されるが、中長期の遂行スケジュールは明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    溶接・板金の一貫体制は他社にない強みとされるが、高付加価値化や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    ASEAN諸国の内需支えによる食品機械市場拡大やインドネシアでのデータ作成事務所設立に触れ、波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果3

    外注費削減や段取り時間短縮の効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CADとプレスブレーキのネットワーク化でデータを蓄積する点は示されるが、サプライチェーン全体への貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    食品機械市場の成長分野への進出が示唆されるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    広島県福山市の立地に触れるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食品機械メーカーからステンレス・アルミ製品の受注獲得を目指し、溶接技術に板金専用3次元CADを組み合わせて新たな販路開拓を図る。世界の食品機械市場は2021年まで年率5.9%で成長すると予測されており、発展途上国での加工食品需要の拡大が主な要因とされる。国内販売額も5700億円を突破しており、ASEAN諸国の内需に支えられ市場拡大が見込まれる。

  • 目標:展開図を3次元CADで8割作成できるよう人材育成を行う目標だった。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。