ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

自然色を活かした“福島県産グリーンザーサイ”の研究開発

有限会社八島食品

成果原料保存期間 2週間→24週間

この事例のポイント

  • 国産ザーサイのパリパリした食感を生かしつつ、自然な緑色を保つことが難しかった。
  • 当社独自の製法で漬け込み、下処理したザーサイを冷蔵庫で保管してから味付けを行った。
  • 原料保存期間 2週間→24週間。特殊な冷蔵庫の導入により、国産ザーサイの原料を通常の2週間以内から約6ヶ月へ12倍の期間保存できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社八島食品
所在地福島県 伊達市
業種食料品製造業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数20人
資本金500万円
設立1990年

事業の背景

当社は旬の野菜を原料に、色合いや野菜本来の味を楽しんでもらう商品づくりをしている。日本では国産野菜の自給率が年々減少し、食の多様化や安価競争で輸入品が増えている。ザーサイはほぼ100%中国産でありながら長年人気の商品である。そうした中で国産搾菜に注目し、生のザーサイのパリパリという食感や苦味、辛味を生かした商品開発に取り組むことにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度国産ザーサイのパリパリした食感を生かしつつ、自然な緑色を保つことが難しかった。
  • その他ザーサイの原料の栽培方法が確立されておらず、原料の確保が難しかった。
  • 新製品・新技術国産ザーサイ特有のフレッシュさを生かした商品を開発する必要があった。

やったこと

当社独自の製法で漬け込み、下処理したザーサイを冷蔵庫で保管してから味付けを行った。ロングライフ商品に仕上げるため、殺菌層で商品を殺菌し、その後冷却層で冷却する一連の流れを構築した。特殊な冷蔵庫、殺菌層、冷却層、ボイラーを導入し、製造工程全体を一貫して行える体制を整えた。また原料の栽培方法を確立するため、福島大学と協力して栽培の研究に取り組んだ。

その他特殊な冷蔵庫
その他殺菌層
その他冷却層
その他ボイラー

新しい製品・サービス:パリパリザーサイ

事業の効果

  • 原料保存期間 2週間→24週間

特殊な冷蔵庫の導入により、国産ザーサイの原料を通常の2週間以内から約6ヶ月へ12倍の期間保存できるようになった。殺菌工程は5時間の短縮となり、55%の削減が可能になった。冷却工程では水200Lあたり3倍以上の水道代削減と時間短縮も可能になった。ボイラーの新設により燃費効率が向上し、製造から経費削減まで幅広い効果が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旬の野菜を原料にした浅漬け事業と国産ザーサイ開発の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国産野菜自給率低下や輸入品増加という外部環境と、国産ザーサイの食感という強みに触れているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ザーサイの保存期間が2週間から約6ヶ月へ12倍、殺菌工程は5時間短縮で55%削減と、課題解決の効果が数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業効率や水道代削減の実績は示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    福島大学との協力体制や従業員が製造知識を共有する点は読み取れるが、補助事業を遂行する人材体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国産ザーサイの食感やフレッシュさという製品の特徴と、国産野菜志向の顧客ニーズが語られているが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    栽培方法確立に福島大学と取り組み、生産量拡大を今後の方針としているが、スケジュールや課題解決の方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国産ザーサイはほぼ100%中国産の市場で、国産品として差別化した高付加価値の商品開発に取り組んでいることが読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国産野菜自給率の向上という社会的課題への貢献がうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及は薄い。

  • 費用対効果4

    殺菌工程の55%削減や水道代3倍以上削減、原料保存期間12倍など、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    冷蔵庫や殺菌層など一連の設備の導入はあるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国産野菜自給率の向上を目指す方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    福島県産ザーサイの栽培確立と県内生産者との協力が語られ、地域の特性を生かす取組が読み取れるが、雇用や成長への効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は生産量を拡大し、中国産ザーサイから国産ザーサイへのシェアを少しでも増やす努力をしたい。商品の改良に加え、製品の品質向上のための研究を続けていく。国産野菜の自給率向上を最大の目標として貢献していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。