ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

新食感とろっとチャーシューの製造技術および新商品試作開発事業

株式会社河京

この事例のポイント

  • 常温で流通させるチャーシューを作るには、低酸性食品の規定(pH4.6超かつ中心温度120℃で4分間加熱)を満たす必要があるが、この殺菌条件では殺菌時間が50分以上となり肉蛋白が硬化して商品にならない。
  • レトルト殺菌装置で食材を調味液に浸して味付けする浸透味付け法を採用し、食材の急激な温度低下を防いで調味料や塩分を深部まで浸透させた。
  • 製造量は従来と比べて357%増加して量産化が進み、製造時間は5.5%短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社河京
所在地福島県 喜多方市
業種食料品製造業
従業員数80人
資本金2,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は昭和31年の創業以来、会津ふるさと産品の製造を通じて地域社会の発展に貢献してきた。商品のエースは太目平打ちちぢれ多加水麺が特徴の喜多方ラーメンである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術常温で流通させるチャーシューを作るには、低酸性食品の規定(pH4.6超かつ中心温度120℃で4分間加熱)を満たす必要があるが、この殺菌条件では殺菌時間が50分以上となり肉蛋白が硬化して商品にならない。
  • 品質・精度これまで通常の鍋で1時間以内の煮沸により味付けしていたため、肉の深部まで味がしみ込まなかった。

やったこと

レトルト殺菌装置で食材を調味液に浸して味付けする浸透味付け法を採用し、食材の急激な温度低下を防いで調味料や塩分を深部まで浸透させた。同時に pH調整剤も浸透させてpH値を4.5以下に抑え、低酸性食品から酸性食品へ転換することで、芯温120℃×4分間相当の規定をクリアできるようにした。酸性食品への転換で生じる酸味の解消のため、2種類の天然由来の有機酸を併用した。製造日から114日間保存して食味検査を行い、93日までおいしくやわらかい食感を保持できることを確認し、細菌検査も114日間で行って全項目の基準をクリアした。

新しい製品・サービス:常温流通が可能な「とろっとチャーシュー」(レトルトパウチ入り)と、チャーシューとラーメンをセットにした「チャーシューラーメンセット」

事業の効果

製造量は従来と比べて357%増加して量産化が進み、製造時間は5.5%短縮された。製造日から93日までおいしくやわらかい食感を保持でき、細菌検査も全項目で基準をクリアしたため、常温流通が可能なチャーシュー製造方法が確立した。チャーシューのやわらかさを生かした非常食・介護食・外国人向けを含む土産品として新商品の拡販と販路の拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の喜多方ラーメン製造や地場産品開発の延長として新商品を位置づけているが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    お土産・通販・介護食市場をターゲットとし、外国人観光客も含む市場を挙げているが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による前工程の時間のかかる点を課題として挙げ、常温流通チャーシューの量産化による売上拡大を計画として示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1年目に自社直販2,000万円、お土産市場1,500万円、その他2,000万円の売上目標と、製造量357%アップ・製造時間5.5%短縮の数字が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員80名の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    お土産品市場、インターネット販売、通販、老人・介護食市場をターゲットとし、常温流通できる特性を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋4

    114日間の保存食味検査や93日まで食感を保持できた確認、細菌検査の全項目クリアなど、検証結果と課題解決の方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    常温流通可能なレトルトチャーシューは、低酸性食品の規定を満たす高い技術的ハードルを持つ新商品として示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    非常食・介護食・外国人向け土産品の活用を目指すとあり、地域の産品振興への言及はあるが、波及効果の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果3

    製造量357%増と製造時間5.5%短縮の数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値額や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    浸透味付け法による煮汁の温度管理など新たな製造方法の記述はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    食品業界全体への強いインパクトを挙げるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    喜多方ラーメンと会津ふるさと産品を核にした地域産品の製造・開発で、地域の特性を活かした事業であることが具体的に記されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

1年目に自社直販で2,000万円、お土産市場で1,500万円、その他で2,000万円の売上を目指し、市場調査、商品開発、販促品の準備を行って営業活動を進める。今後の課題として、レトルト殺菌釜の前工程の手作業による時間のかかる工程の効率化が必要とされている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。