ものづくり補助金平成26年度宿泊業、飲食サービス業福島県

三春の地に倉庫を利用した焙煎工房を作り、多様な顧客ニーズに対応する高品質コーヒー焙煎豆の製造、販売システムの構築

株式会社キオラガーデン

この事例のポイント

  • 従来は小型コーヒー焙煎機で運営しており、焙煎による生産量が少ないため、生豆を大ロットで仕入れることが困難で価格面での競争もできていなかった。
  • 三春の地に倉庫を利用した焙煎工房を設け、新店舗のオープンに合わせて大型焙煎機と小型焙煎機を導入した。
  • 大型焙煎機による作業効率化と高品質コーヒー豆の焙煎により、事業者向けの卸焙煎豆のリクエストに対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社キオラガーデン
所在地福島県 三春町
業種飲食店
従業員数87人
資本金1,000万円
設立2008年

事業の背景

当社は「本物を届けよう」をグランドコンセプトに、業種の異なる9店舗の飲食店を運営し、カフェでは生産から販売までの完結型でコーヒーを提供している。自家焙煎により高品質コーヒー豆を店頭販売および店舗用に供給してきた。一方、コンビニの安価なコーヒーによりコーヒーの大衆化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来は小型コーヒー焙煎機で運営しており、焙煎による生産量が少ないため、生豆を大ロットで仕入れることが困難で価格面での競争もできていなかった。
  • 新製品・新技術事業者向け業務卸用(大量販売)や新規顧客の受注焙煎のリクエスト対応に応えられず、多くの販売機会を喪失していた。
  • 品質・精度高品質なコーヒーの質での顧客サービスが必要であり、コンビニの安価なコーヒーの普及に対して本物のコーヒー文化を発信する点で限界があると考えていた。

やったこと

三春の地に倉庫を利用した焙煎工房を設け、新店舗のオープンに合わせて大型焙煎機と小型焙煎機を導入した。大型焙煎機では生豆を大ロットで仕入れて仕入原価を下げ、事業者向けの卸焙煎豆のリクエストに対応できるようにした。小型焙煎機では顧客の要望に応じて生豆と煎り方を選び、直火式と半熱風式を使い分けるオンデマンド体制で焙煎豆を提供する。複数回の試運転により効率良く高品質の焙煎豆を生産できることを確認したが、従業員により品質の差が見られるという新たな課題が明らかになり、焙煎度の多様化への習熟や顧客の好みを聞き出す接客の育成に取り組んだ。

加工機大型焙煎機(直火式・半熱風式)
加工機小型焙煎機(直火式・半熱風式)

事業の効果

大型焙煎機による作業効率化と高品質コーヒー豆の焙煎により、事業者向けの卸焙煎豆のリクエストに対応できるようになった。小型焙煎機ではオンデマンド焙煎豆の小売りを進め、コーヒー愛好者の拡大を図っている。複数台の焙煎機による店舗でのオンデマンド提供は全国的にも珍しく、話題性による集客効果も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    飲食店運営とコーヒーへの情熱を生産から販売まで一貫させる方針が書かれ、焙煎工房の展開と結びつく。ただし経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大衆化したコンビニコーヒーに対し、本物のコーヒー文化で差別化する姿勢が示される。強みを数字で示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    大型焙煎機の導入で生豆を大ロット仕入れし仕入原価を下げ、卸のリクエスト対応で販売機会喪失を解消すると課題と効果が対応している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    収益アップを目指すとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員教育に力を入れ、品質差を課題として認識し育成が必要と書かれている。体制の数や人材計画は示されない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    卸用大量販売や個人向けオンデマンド焙煎など顧客層を分け、本物のコーヒーという選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転で効率的な生産を確認し、従業員間の品質差という新課題を挙げている。スケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    コンビニの安価コーヒーが普及する中、高品質なオンデマンド焙煎を全国的にも珍しいと位置づけ高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    観光資源や周辺店舗との相乗効果で地域の集客力を高めると述べ、地域への波及が示されている。定量的な根拠は乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    焙煎工房とオンデマンド提供の仕組みは新しい取組だが、デジタル技術や新ビジネスモデルの具体的記述は少ない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    三春の観光資源と物販店・美容室等が相乗効果を生み集客を高めると具体的に書かれ、地域経済の牽引が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

三春には滝桜を中心とした観光資源があり、物販店や美容室、レストランとの相乗効果で集客力は飛躍的に高まると考えている。カフェ文化を広げる活動は生豆確保のルート作りにも寄与しており、稀有なコーヒー文化の体験を拡大する起爆剤としたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。