ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

茨城産の麦を用いた100%国産原料ウイスキーの製造技術の開発及び商品化

木内酒造 合資会社

成果当初年に8,000リットル程度の本生産に移行することを想定

この事例のポイント

  • ビール麦の生産量は増えたが、規定から外れた麦は材料にならず廃棄を余儀なくされていた。
  • 絶滅から復元したビール麦「金子ゴールデン」を用い、日本酒の製造に使う酵母と、ビール酵母による二段階の発酵を試みた。
  • 当初年に8,000リットル程度の本生産に移行することを想定。100%国産の材料で造るウイスキーが開発されれば、年8,000リットル程度の本生産に移行する見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名木内酒造 合資会社
所在地茨城県 那珂市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数60人
資本金5,000万円
設立1823年

事業の背景

1823年創業の酒造会社で、清酒「菊盛」を主力とし、1996年から「常陸野ネストビール」の製造を始めて国内外で高い評価を得ている。ビールの生産は順調に伸びた。茨城県は関税緩和で安価なビール麦が輸入され、生産量がほぼゼロまで落ち込んだが、那珂市の耕作放棄地を活用して麦の栽培に乗り出した。ウイスキー人気は上昇を続けており、クラフトウイスキーの時代が来ると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ビール麦の生産量は増えたが、規定から外れた麦は材料にならず廃棄を余儀なくされていた。
  • 新製品・新技術日本独自のウイスキーを作るには、ピートの香りに頼らず独自の味わいを生み出す必要があり、オリジナル蒸留設備の開発が必要である。

やったこと

絶滅から復元したビール麦「金子ゴールデン」を用い、日本酒の製造に使う酵母と、ビール酵母による二段階の発酵を試みた。第一段階で吟醸酒用の酵母を使うことで、大吟醸の香りを想起させる日本独自の味わいが想定される。ピートを用いず、独自に開発した蒸留設備で蒸留し、複数の樽を使って熟成の環境と期間を管理しながら試作を重ねている。今回の補助事業により、100%国産材料のウイスキーが開発されれば、年8,000リットル程度の本生産に移行する計画である。必要な麦は20トンで、栽培には10ヘクタールの畑を使用する。

加工機独自開発のウイスキー醸造設備
加工機オリジナル蒸留設備

新しい製品・サービス:茨城県産のビール麦と国産素材のみで造る100%国産原料の「常陸野ウイスキー」

事業の効果

  • 当初年に8,000リットル程度の本生産に移行することを想定
  • 必要な麦は20トン
  • その栽培には10ヘクタールの畑を使用する

100%国産の材料で造るウイスキーが開発されれば、年8,000リットル程度の本生産に移行する見込みである。必要な麦は20トンで、10ヘクタールの畑が必要となるため、耕作放棄地のさらなる活用も可能になる。日本独自の製品として海外展開も視野に入れており、「常陸野」は世界30カ国に販売店を有している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    1823年創業の酒造りと1996年からのビール製造など過去の取組から、100%国産ウイスキー開発への一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ピートを使わず日本酒酵母とビール酵母の二段階発酵を行う独自性は読めるが、市場動向や競合に対する強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    連続蒸留とグレイン製法で熟成期間短縮を図る課題認識は読めるが、採算性への言及は一文に留まり、計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年8,000リットルの本生産移行、必要な麦20トン、畑10ヘクタールという数字が示されており、目標の具体性がある。

  • 事業を進める体制3

    ビール製造などの経験者による試作体制は読めるが、人材配置や事務処理体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    100%茨城産・日本独自の味わいという価値と、世界30カ国に販売店を持つブランド認知という根拠が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    複数の樽で熟成環境と期間を管理しながら試作を重ねるとあるが、中長期のスケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ピートを使わず日本酒酵母とビール酵母で発酵する独自の味わいと、日本独自のウイスキーという新市場の狙いが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    耕作放棄地の活用で麦畑10ヘクタールを確保し、クラフトウイスキー時代の到来とともに地域農業の活性化に寄与する点が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額の数字はなく、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    独自の蒸留設備開発や連続蒸留の工夫はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    ウイスキー人気の上昇とクラフトウイスキーの時代という市場成長への言及はあるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    茨城の気候と土壌、那珂市の耕作放棄地を活かし、地元ビール麦100%の製品で地域の農地活用と雇用に寄与する事業と読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地元のビール麦100%のジャパニーズウイスキーの開発と商品化を目指し、「常陸野」の魅力を国内外へ発信していきたい。

事業者の声

やはり理想は最低でも10年、短くでも5〜6年は熟成させたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。