ものづくり補助金平成26年度情報通信業茨城県

全天球映像撮影車システムと全天球走行映像地図・構図等誘導システムの開発

株式会社 つくばマルチメディア

この事例のポイント

  • 全天球撮影カメラでは、撮影車や操作者が映り込んでしまうことが問題だった。
  • 全天球映像撮影カメラとビデオカメラを搭載した映像撮影車を開発し、全天球カメラは撮影車後方のカメラ架台の支柱上方に配置し、支柱の途中から後方横に支柱をのばして通常のビデオカメラを設…
  • 今回開発したVR技術に関するサービスは新しい市場分野であり、さまざまなニーズがあると考えられる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 つくばマルチメディア
所在地茨城県 つくば市
業種情報サービス業
従業員数6人
資本金8,500万円

事業の背景

同社はインターネット関連業務を行っており、1995年に茨城の民間企業として最初のホームページ作成を手がけて以来、ウェブシステムの開発を続けている。HP内で閲覧者の目を引くコンテンツの提供も行っており、その一つが検索した地図画面上で誘導矢印に沿って進むと道路通行の映像が表示される「地図誘導映像システム」で、特許も取得している。その後、映像を上下なしの全方位映像とした「地図誘導全方位映像システム」(特許取得)も開発した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度全天球撮影カメラでは、撮影車や操作者が映り込んでしまうことが問題だった。
  • 新製品・新技術通常のビデオカメラでは、撮影車などの障害物が映らない地面部分だけの走行映像しか撮れなかった。
  • 販路・情報発信既存の特許システムは、現在の通信環境やOS、スマートフォンなど異なる利用機器に対応していなかった。

やったこと

全天球映像撮影カメラとビデオカメラを搭載した映像撮影車を開発し、全天球カメラは撮影車後方のカメラ架台の支柱上方に配置し、支柱の途中から後方横に支柱をのばして通常のビデオカメラを設置した。それぞれのカメラの架台には常に水平の映像撮影ができるようジンバル機構(スタビライザー)を設けた。次に、全天球映像の地面部分の映像再生範囲と、一方向カメラで撮影した地面部分の映像再生範囲の座標計算と遠近の誤差を自動計算し、全天球映像に自動合成する「全天球走行映像作成システム」を開発した。2つの映像は走行速度において数秒のズレが生じるため、誤差を計算して合成し、擬似的な全天球映像を作成できるようにした。さらに、映像再生を矢印の進行スピードに同期させる「全天球走行映像地図・構図等誘導システム」を、利用者の使用機器やOSに左右されず特殊なアプリケーションも不要な新規のプログラム言語で開発した。他の事業者も容易にシステム構築できるよう、クラウドシステムとしてVRツアーシステム「V−360」を開発した。

その他全天球撮影カメラ
その他ビデオカメラ
その他ジンバル機構(スタビライザー)
その他映像撮影車
ソフト全天球走行映像作成システム
ソフト全天球走行映像地図・構図等誘導システム
ソフトVRツアーシステム「V−360」

新しい製品・サービス:VRツアーシステム「V−360」

事業の効果

今回開発したVR技術に関するサービスは新しい市場分野であり、さまざまなニーズがあると考えられる。公園や遊園地、博物館などでは、HP上で自由に見て回れるコンテンツにより、実際に施設に行ったような疑似体験を提供できる。店舗や農産物直売所、ショッピングセンターでは、被写体商品の説明ページや通販ページに連動させることができ、同社が開発中のライブカメラ買い物システムとの相乗効果も期待している。さらに、施設の避難経路や防災設備の確認が可能となり、災害時の避難誘導や現場把握など防災システムとしての活用も考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年度に全天球映像地図誘導システムを開発し、特許取得の既存システムを発展させた経緯が書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    VR技術の新市場で公園や博物館、店舗などニーズがあると述べるが、市場規模や自社の競争優位の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決2

    地面映像の映り込みという課題は示されるが、高付加価値化や成長につながる事業計画の具体的な数値は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名で開発を行ってきたことは書かれるが、補助事業の遂行体制の詳細は示されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    公園や遊園地、店舗、防災などのニーズと通販連動の活用先が挙げられ、ターゲットはある程度整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    カメラの精度向上と実証実験を重ねて完成度を高める今後の方針が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    VR技術は新市場分野であるとの記述があり、普及度が低い分野として位置づけられている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    防災や避難誘導への活用が考えられると触れられているが、国が補助する理由としての波及効果や雇用創出は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    全天球映像と地面映像の自動合成やクラウド化VRツアーシステムという先端技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    VR技術分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    つくば市の企業として観光施設や直売所への活用が挙げられるが、地域経済成長への定量的な効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在、全天球カメラをさらに精度の良い物に交換し、画質・合成の精度を上げて、実証実験を重ねながら完成度を高めていきたい考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。