ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

多種多様で複雑なデザインのノンアパレル製品の生産工程構築

有限会社内野

この事例のポイント

  • 従来のミシンでは縫製が難しい薄地や複雑で多様なデザインの製品に対応できず、顧客の要望に応えきれていなかった。
  • 補助金でコンピューターミシンを導入し、デザイン業務から縫製までの一貫した工程を整えた。
  • 導入したミシンにより、従来は縫製が難しかった薄物や複雑なデザインの製品も高精度に作れるようになり、製品のバリエーションが広がった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社内野
所在地茨城県 神栖市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数16人
資本金300万円
設立1989年

事業の背景

会社は1989年に旧波崎町で創業し、バッグやポーチなどのノンアパレル製品の縫製を手がけている。1998年ごろから国内メーカーが海外製造へ移ったことで、町内にあった約50社のかばん製造会社の4分の3が廃業した。ここ2、3年は高くても良いものを求める消費者が増え、国内製造へ回帰する流れが出てきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のミシンでは縫製が難しい薄地や複雑で多様なデザインの製品に対応できず、顧客の要望に応えきれていなかった。
  • 人手・技能難度の高い縫製はベテラン従業員に頼っており、経験の浅い従業員では担当できなかった。
  • 品質・精度縫製前に試作を何度も繰り返す必要があり、不良も多く生産効率が上がらなかった。

やったこと

補助金でコンピューターミシンを導入し、デザイン業務から縫製までの一貫した工程を整えた。導入したミシンはタッチパネルで加工作業のデータを入力する仕組みで、薄地の生地でも高い精度で縫製できるようになった。縫い目を裏面に出さない縫製など、従来は難しかった難度の高い縫製も扱えるようになった。最適な縫製データを入力すれば経験の浅い従業員でも操作できるため、ベテランに頼らずに済むようになった。

加工機コンピューターミシン

事業の効果

導入したミシンにより、従来は縫製が難しかった薄物や複雑なデザインの製品も高精度に作れるようになり、製品のバリエーションが広がった。見た目のきれいさや縫製強度、耐久性も向上し、従来より丁寧な仕上がりを実現した。縫製前の試作回数が減り、不良も減ったことで生産効率が上がった。製品の仕上がりが評価され、新規の引き合いが増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1989年の創業以来ノンアパレル縫製を続けてきた経緯が書かれ、今回の導入も従来事業の延長と読める。ただし経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内回帰の需要増と、他の加工会社より仕上がりがよいという取引先評判が書かれている。強みの裏付けは定性的な記述にとどまる。

  • 課題の認識と解決3

    従来は対応しかねていた多様で複雑なデザインへの課題認識が書かれている。高付加価値化の具体的な事業計画までは示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    試作回数の減少や不良低減に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員16人の規模と、社内ミーティングや従業員の技術向上を目指す体制の記述がある。事務処理能力までは読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    10〜20歳代女性向けの製品を中心に数百種類を受注し、縫製難度の高い新規引き合いが増えていると具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は技術レベル向上と短納期対応を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄地など従来縫製が難しかった製品を高精度で作れるようになったと書かれている。普及度や価格の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国内製造回帰の流れや、旧波崎町でかばん製造に約千人が関わっていた地域産業の経緯が書かれている。

  • 費用対効果2

    導入の投資額や付加価値額の増加率など費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピューターミシンのタッチパネルでデータを入力し、経験の浅い従業員も縫製できるようになったと書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内メーカーの海外移行から国内回帰への流れに触れているが、構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及3

    神栖市旧波崎町のかばん産業という地域の特性を背景に、地元の縫製事業として位置づけられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は日本製品ならではの高品質な製品を作るため、導入したコンピューターミシンを活用して従業員全体の技術レベルを上げる。さらに新製品を短納期で提供できるよう対応していく。

事業者の声

創業以来、縫製技術を磨き続け、今では世界のトップアパレルブランドを支える確かな品質であると自負しています。しかし、技術は次代に継承できなくては廃れてしまいます。世界に誇れるメード・イン・ジャパンの技術を継承し、お客様に高品質のサービスを提供していきたいと思っております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。