ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

低温発酵製法による「茨城県産野菜の奈良漬」の製造・販売

株式会社 新六本店

この事例のポイント

  • 食生活の変化により若者を中心に漬物離れが進んでいた。
  • 低温管理による長期発酵(約4〜5カ月)で漬け込む製法を採用し、最適な冷蔵温度と漬け込み期間を保つため発酵用冷蔵庫を新たに導入した。
  • 低温発酵製法により、ピクルス感覚の風味と素材の食感を生かした新感覚の奈良漬ができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 新六本店
所在地茨城県 取手市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数32人
資本金1,000万円
設立1790年

事業の背景

同社は1790年に取手新六酒店として創業し、1868年に奈良漬の製造を始めた。利根川水系で育まれた野菜を酒粕やみりんなどと木の樽で漬け込む伝統の製法を守り、奈良漬を作り続けて140年の歴史を持つ。若者を中心とした漬物離れが進む中、ウリ、キュウリ、ナスなどの定番商品に加え、県内産の野菜に着目して新たな奈良漬の商品化に力を入れ始めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信食生活の変化により若者を中心に漬物離れが進んでいた。
  • 品質・精度従来の製法では味はしっかり漬かるが、原料の繊維質が柔らかくなり野菜本来の食感を生かせないという問題があった。
  • 新製品・新技術ウドやレンコンなど新しい野菜の奈良漬を商品化するには、食感や風味を生かす製法が必要だった。

やったこと

低温管理による長期発酵(約4〜5カ月)で漬け込む製法を採用し、最適な冷蔵温度と漬け込み期間を保つため発酵用冷蔵庫を新たに導入した。原材料は産地を証明するトレーサビリティーを考慮して茨城県産にこだわり、青パパイヤ、ウド、レンコン、セロリの4種類を試作した。ウド、レンコン、青パパイヤは5カ月から1年間漬け込んだ結果、素材の風味と食感が生きた奈良漬となった。青パパイヤは通常皮を剥いて調理するが、今回皮ごと低温発酵で漬け込んだ。セロリは本来の食感がなくなり商品化には至らなかった。

その他発酵用冷蔵庫

新しい製品・サービス:低温発酵製法による青パパイヤやレンコンなどの茨城県産野菜の奈良漬

事業の効果

低温発酵製法により、ピクルス感覚の風味と素材の食感を生かした新感覚の奈良漬ができた。若年層の嗜好に合った商品で、ほかでは類を見ない新商品となった。皮ごと漬けた青パパイヤは酵素が生きたまま残り、栄養吸収や消化促進などの効果が期待され、気軽に摂れる健康食として今後脚光を浴びる可能性がある。期間限定で発売した低温発酵製法の奈良漬は1カ月ほどで完売する人気を得て、生産量を増やした今年も順調な売り行きを見せている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業140年の奈良漬製造を背景に、若年層向け新商品に取り組む流れは読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    茨城県産原料や酒造会社の酒粕など地元資源の活用は読み取れるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    漬物離れという課題を挙げ、若年層の嗜好に合う新商品化で対応する方針が示されている。成長への数値的見通しは書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    約4~5カ月の漬け込み期間や完売の事実はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数32名は書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若年層向けピクルス感覚の風味と食感という価値、1カ月ほどで完売した人気が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から商品化、期間限定販売、今後の新奈良漬への注力という流れは読めるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    「ほかでは類を見ない新商品」と明記され、低温発酵製法で皮ごと漬ける青パパイヤの奈良漬が新市場を狙う点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域農産物の活用や新たな食べ方の提案はうかがえるが、経済波及や雇用創出の国の関与理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    発酵用冷蔵庫の導入や完売の事実はあるが、補助金額に対する費用対効果や付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    トレーサビリティーへの配慮はあるが、先端的デジタル技術の活用は記述されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    茨城県産野菜や取手の地酒・酒粕を活かした地域資源の商品化と、取手駅前店舗での提供が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も伝統を守りながら、現代の食生活に合った新しい奈良漬に力を入れていく予定である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。