ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

地元霞ケ浦産のシラウオを主原料としたカップスープの加工プロセスの構築及び商品開発

株式会社 中村商店

この事例のポイント

  • 霞ケ浦産シラウオは日持ちがせず、近隣に出荷されるだけで茨城県内でも認知度が低い。
  • 真空凍結乾燥機を新規に導入し、一度に重さ約6キロのボイルしたシラウオをフリーズドライ加工できるようにした。
  • フリーズドライ加工によりシラウオを風味や色、栄養価を損なわず常温で長期保存できるようになり、水揚げ期間の短さによる原材料の供給不安が解消される見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 中村商店
所在地茨城県 かすみがうら市
業種食料品製造業
従業員数8人
資本金100万円

事業の背景

明治時代より約100年の間、霞ケ浦で水揚げしたワカサギやシラウオなどの水産物を佃煮や煮干しに加工し、卸販売まで一貫して行ってきた。シラウオはワカサギと並ぶ霞ケ浦を代表する水産物である。近年はシラウオの水揚げ量が増加しつつあるが、日持ちがしないため県内での認知度は低い状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信霞ケ浦産シラウオは日持ちがせず、近隣に出荷されるだけで茨城県内でも認知度が低い。
  • 販路・情報発信シラウオの煮干しや佃煮は中高年に好まれるが、若年層の嗜好に合わず受け入れられていない。
  • 生産能力シラウオの水揚げ期間は9月から12月までと短く、原材料の安定供給に不安があった。

やったこと

真空凍結乾燥機を新規に導入し、一度に重さ約6キロのボイルしたシラウオをフリーズドライ加工できるようにした。ボイルしたシラウオを真空状態にして冷凍しながら水分を取り除く方式で加工する。試作では、お湯で戻した時の食感が処理時間やシラウオの大きさによってばらつくことが分かったため、茨城県工業技術センターに技術的な助言を仰ぎ、さらに試作開発を行うこととした。同社のお客様感謝イベントで和風味のスープを試食してもらい、アンケートをとった。

加工機真空凍結乾燥機

新しい製品・サービス:フリーズドライ加工したシラウオを主原料とするカップスープ「霞ケ浦しらうおスープ」シリーズ

事業の効果

フリーズドライ加工によりシラウオを風味や色、栄養価を損なわず常温で長期保存できるようになり、水揚げ期間の短さによる原材料の供給不安が解消される見込みである。試食アンケートでは魚のくささがなく概ね好評で、価格も希望価格にほぼ近い回答が得られた。若年層にも食べやすいカップスープとして販路の拡大と地域の活性化が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    約100年の水産加工卸業の歴史とシラウオの煮干し・佃煮の取組から、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    若年層に受け入れられていないことや、霞ケ浦産の認知度が低い現状を課題として挙げ、販路拡大を目指すと書かれている。競争優位の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    若者の嗜好に合わない、日持ちがしない、水揚げ期間が9〜12月と短いという課題を挙げ、フリーズドライとカップスープで解決を図る流れが具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売価格150円〜160円の希望価格や展開計画はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名で卸販売まで一貫して行う体制、茨城県工業技術センターの助言を受ける計画が書かれている。人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    来場者アンケートで魚臭さのなさや味の好評を得て、高齢者や子育て世代の声も示されており、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    試作、工業技術センター助言、第1弾の和風味から中華・洋風味への展開など段階は示されるが、スケジュールの明示は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金100万円と従業員数8名のみで、財務状況や金融機関からの資金調達の記述はない。新規の真空凍結乾燥機導入は書かれている。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    フリーズドライのシラウオスープは一般的に普及していない分野と読めるが、市場の普及度を示す記述は薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    霞ケ浦周辺の特産品の活用と地域活性化への期待はうかがえるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加の数値は示されていない。保存期間延長による原材料の安定供給は述べられている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    水産加工品の新商品化による販路拡大は述べられるが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及4

    霞ケ浦の特産品を活かし、販路拡大と地域活性化につなげる構想が明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

和風味のカップスープを第1弾として発売し、その後、中華味、洋風味とバリエーションを追加していく計画である。フリーズドライ加工したシラウオは、サイズに応じて小さいものはつまみ用スナック菓子、大きなものはインスタントスープやカップスープの具材として使用する予定である。

事業者の声

昔から霞ケ浦周辺で食べられていた特産品をフリーズドライ加工することで、販路の拡大そして地域の活性化につながれば

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。