ものづくり補助金平成27年度製造業福井県

長尺物のチタン電極に対し、均一かつ高密着のプラチナメッキの開発

株式会社ワカヤマ

成果メッキ液量 252L→1,004L

この事例のポイント

  • 従来の小型メッキ装置はメッキ液量252Lで対応できるのは約12cm程度までの製品に限られ、約30cmの棒状電極などの依頼に応えられなかった。
  • エレベーター式回転メッキ装置WAK3000(50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100L)を導入した。
  • メッキ液量 252L→1,004L。大型のエレベーター式回転メッキ装置の導入により、約40cm程度の製品や電極棒などの長尺物、幅のある物にも対応できるよう…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワカヤマ
所在地福井県 鯖江市
業種非鉄金属製造業
技術分野表面処理
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

株式会社ワカヤマは鯖江市で、チタン製めがねフレームの製作で培った高度なメッキ技術を基に事業を行っている。水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキ技術を開発し、劣化や変色を起こさず長期使用できると高い評価を得ていた。近年は水素水ブームを経て、次亜塩素酸水生成のための電極加工の注文が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の小型メッキ装置はメッキ液量252Lで対応できるのは約12cm程度までの製品に限られ、約30cmの棒状電極などの依頼に応えられなかった。
  • 生産能力従来機では治具を1本しか入れられず、生産量が限られていた。
  • 人手・技能膜厚を均一にするための治具を揺らす作業とメッキ終了後の引き上げ作業を人の手で行っており、職人の技に頼っていた。
  • コスト・採算引き上げ速度の管理が難しく、高価なプラチナ液を必要以上に使用していた。

やったこと

エレベーター式回転メッキ装置WAK3000(50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100L)を導入した。加工対象に想定される製品と極板の位置を考慮し、中央に取り外し可能な極板を設ける設計とした。これにより約40cm程度の製品にも対応可能となり、電極棒などの長尺物やラス網など幅のある物の受注が可能になった。従来機では1本だった治具を4本ずつ投入できるようにし、膜厚均一化のための治具を揺らす作業とメッキ終了後の引き上げ作業を自動化した。引き上げ速度を遅く設定し、高価なプラチナ液の使用量を抑えた。

  • 加工機エレベーター式回転メッキ装置WAK3000

新しい製品・サービス:水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキ技術、および次亜塩素酸水生成用の電極加工

事業の効果

  • メッキ液量 252L→1,004L
  • 対応可能な製品サイズ 12cm→40cm
  • 生産量 1本→4本

大型のエレベーター式回転メッキ装置の導入により、約40cm程度の製品や電極棒などの長尺物、幅のある物にも対応できるようになり、受注の幅と件数、規模が伸びた。治具を4本ずつ投入できるようになり生産量は約5倍に増え、治具の揺動や引き上げ作業が自動化されたことで作業効率が向上した。膜厚のばらつきが減り、品質の安定化と生産体制の最適化につながった。引き上げ速度の調整によりプラチナ液の使用量が抑えられ、コスト削減にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性水素水生成機やチタン電極へのプラチナメッキ開発、従来機で12cmまでだった制約を解消した点など、強みと市場ニーズの対応が具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け長尺物や幅のある製品の受注が可能になったこと、水素水・次亜塩素酸水の電極需要など、顧客ターゲットとニーズが具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値約30cmの棒状電極への高度なプラチナメッキを開発し、長期使用で劣化しない高評価を得ている点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制人の採用が難しいという記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記載はほぼない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    チタン製めがね枠で培ったメッキ技術を基盤に、電極向けへ展開した経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    水素水生成機やチタン電極へのプラチナメッキ開発、従来機で12cmまでだった制約を解消した点など、強みと市場ニーズの対応が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    手作業の引き上げや膜厚ばらつきなど課題は示されるが、高付加価値化の数値目標までは書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量約5倍、40cm程度まで対応といった数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    人の採用が難しいという記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記載はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    長尺物や幅のある製品の受注が可能になったこと、水素水・次亜塩素酸水の電極需要など、顧客ターゲットとニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として機能水市場への注力が示されるが、中長期の検証や遂行スケジュールは詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    約30cmの棒状電極への高度なプラチナメッキを開発し、長期使用で劣化しない高評価を得ている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    医療・健康分野や機能水市場への対応に触れ、地域の鯖江メッキ技術の活用も述べられているが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    生産量約5倍や引き上げ速度によるプラチナ液削減は示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による膜厚均一化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体の革新への貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    機能水や医療・健康分野という成長市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    鯖江のめがねフレーム産地の技術を活かし、地域の特性を生かした表面処理事業として具体的に書かれている。

今後の展望

「機能水」市場は今後も形を変えながら広がると考えられ、医療・健康分野などのニーズに合わせた価値提供に注力していく。

事業者の声

これまで色味のなかった物にメッキ加工を施すことで、生活に華やかさを提供したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。