ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

難削材である、高速度工具鋼(材質:SKH51)の研削加工技術の確立。

株式会社城北工範製作所

成果主軸回転能力数 6,000rpm→12,000rpm

この事例のポイント

  • 紙おむつ製造メーカーの設備増産への素早い対応と生産性向上のために、難削材である高速度工具鋼SKH51の加工技術の確立と工程改善が急務だった。
  • 主軸回転能力数12,000rpmの最新の内面研削盤を導入した。
  • 主軸回転能力数 6,000rpm→12,000rpm。難削材の精密加工技術が確立され、工程改善が図られた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社城北工範製作所
所在地栃木県 宇都宮市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数38人
資本金2,500万円
設立1953年

事業の背景

当社は1953年の設立以来、各種鋼材や非鉄、セラミックスまで、1マイクロメートル(0.001mm)単位の加工を保証する超精密機械部品の研削加工を手がけてきた。紙おむつの生産ラインの心臓部にあたるユニット装置の設計・製作を行っており、各部品や組付け精度に0.001mmの寸法精度が求められている。日本製紙おむつは海外で人気が高く、製造メーカーは設備増産への素早い対応を求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力紙おむつ製造メーカーの設備増産への素早い対応と生産性向上のために、難削材である高速度工具鋼SKH51の加工技術の確立と工程改善が急務だった。
  • 生産能力現有の研削加工機(汎用機)は主軸回転能力数が6,000rpmで、SKH51の加工には精度的に対応が難しかった。
  • コスト・採算作業工程が粗加工・中加工・仕上げ加工の3工程必要で、加工時間が長くかかっていた。
  • 生産能力ユニット装置の製造は月1台が限界だった。

やったこと

主軸回転能力数12,000rpmの最新の内面研削盤を導入した。砥石主軸の回転数はこれまでの倍になり、1軸から2軸になったことで途中の段取り替えが不要になった。これにより1工程で研削加工ができるようになり、トータル加工時間は1,100分から6分の1の200分に短縮された。その結果、ユニット装置は月1台から月6台まで製造できるようになった。

加工機内面研削盤(主軸回転能力数12,000rpm、2軸高周波スピンドル)

事業の効果

  • 主軸回転能力数 6,000rpm→12,000rpm
  • トータル加工時間 1,100分→200分
  • ユニット装置の月間製造台数 1台→6台

難削材の精密加工技術が確立され、工程改善が図られた。段取り替えが不要になり、1工程で研削加工できるようになったことで、トータル加工時間は1,100分から200分に短縮された。ユニット装置の製造能力は月1台から月6台に増えた。その結果、量産品の受注に結び付いた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1953年設立以来の超精密加工の実績と、ミクロン単位の加工を強みとする方針が記載されているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    紙おむつ生産ユニットの部品で0.001mm要求が増えている市場動向と、1マイクロメートル単位保証の自社強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ユニット装置が月1台から月6台へ増産可能になり、量産品受注に結びついたと成果が数字で示されている。課題認識も具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    トータル加工時間が1,100分から200分に短縮、月1台から月6台へと数値目標と実績が示されており、付加価値向上の裏付けがある。

  • 事業を進める体制3

    従業員38名、試作から組付けまでの一貫体制、各種測定機による品質保証が記載されているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    紙おむつ製造メーカーのユニット装置向けに0.001mm精度の加工を提供する価値と、顧客ニーズが具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開としてエネルギー・医療分野への展開がうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    難削材SKH51の高速度工具鋼を12,000rpmの内面研削盤で加工する点が、同分野で高水準の高付加価値化として読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    紙おむつの海外人気や製造メーカーの設備増産対応が背景にあるが、国が補助する波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間の6分の1短縮や月産台数の6倍化が示され費用対効果がうかがえるが、補助金額と付加価値額の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    超精密加工の医療・エネルギー分野への展開が示されているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    栃木県宇都宮市の企業であることは記載されているが、地域の特性を活かした雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はエネルギーや医療分野など超精密加工が求められる業種・業界に対し、ゼロミクロンに迫る自社の技術力の高さを知ってもらい、次なる事業展開につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。