ものづくり補助金平成30年度製造業山形県

5軸小型マシニングセンター導入による迅速な試作対応からの受注拡大

山形螺子工業株式会社

この事例のポイント

  • 角度の付いた斜め穴や端面との位相のある加工は個別に治具を製作しており、治具製作費がかさむ。
  • 5軸小型マシニングセンター「ロボドリルα-D14MiB5」に、ドリルと連動しながら角度設定を自在に変えられるNC円テーブルをオプションで付属導入した。
  • 見積もり段階、試作段階、製造段階のいずれでも生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名山形螺子工業株式会社
所在地山形県 村山市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数77人
資本金4,000万円
設立1961年

事業の背景

創業当初は螺子を製造していたが、付加価値の高い製品に移行し、金属切削一筋で現在に至る。リリーフバルブやサクションバルブなどの油圧・空圧部品を少量品から大量品まで24時間体制で月産約50万個製造している。顧客対応のスピードが重要だと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算角度の付いた斜め穴や端面との位相のある加工は個別に治具を製作しており、治具製作費がかさむ。
  • 生産能力角度変更のたびにチャッキングをし直すか別の加工機にワークを移す必要があり、工程ごとに段取りが発生している。
  • 納期・工程工程が多く、顧客要求の試作品や量産品の納期に対してタイムリーに対応できない状況だった。

やったこと

5軸小型マシニングセンター「ロボドリルα-D14MiB5」に、ドリルと連動しながら角度設定を自在に変えられるNC円テーブルをオプションで付属導入した。これにより一般的な切削加工に加え、角度の付いた斜め穴などの加工にも対応できるようになった。導入機で製造に適した製品4品目の受注が確定し量産に移行している。

加工機5軸小型マシニングセンター ロボドリルα-D14MiB5
加工機NC円テーブル

事業の効果

見積もり段階、試作段階、製造段階のいずれでも生産性が向上した。様々な角度のある穴加工で治具製作のストレスがなくなり、リードタイムが大幅に短縮された。製造工程ではチャッキングのし直しが減りサイクルタイムも軽減された。見積もりや図面変更へのスピーディな対応が可能となり、顧客へのレスポンスが良くなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当初のねじ製造から金属切削一筋へ移行した経緯があり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの試作・量産の納期対応や多品種少量化の動向に触れ、スピードを強みとする方針は読み取れるが、市場分析や競合比較の具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    治具製作費や工程の多さ、納期対応の遅れという課題を明示し、5軸機導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム短縮は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されておらず、実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員77名、24時間体制での月産約50万個製造など体制の記述はあるが、補助事業の遂行体制や担当者の役割は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    斜め穴や位相加工の対応力と見積もり・試作の迅速さが強みとして示されるが、ターゲット顧客や選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の受注確定や量産移行は書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュールの記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    NC円テーブル付き5軸小型機の活用は述べられるが、同分野での高付加価値化や高価格化を示す記述はうかがえる程度である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    農村地域の雇用創造を目的に設立された点や、地域の雇用創造に言及しており、国が補助する理由の一端がうかがえる。

  • 費用対効果3

    段取り削減によるサイクルタイム軽減や生産性向上が書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療福祉分野への事業領域拡大や、アジア・欧米市場の動向に触れるが、日本経済の構造転換との関係は明確に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    農村地域の雇用創造や従業員給与アップを掲げ、地域の雇用に言及しているが、地域の特性を活かした具体的な付加価値の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

日本市場での顧客ニーズの高度化、アジア市場での受注増加、欧米市場での底堅い需要により市場拡大が見込まれる。受注増加や医療福祉分野などへの新事業領域の拡大にも本事業の成果を活用し、地域の雇用創造や従業員の給与アップを図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。