ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

多点式スポット溶接機の開発による生産性向上及び高品質化

東京フォーミング株式会社

成果工数(二重管伸縮管加工) 2.14分→1.7分

この事例のポイント

  • 従来の一点ずつのスポット溶接設備では工数がかかり、工程ごとに作業者を配置していたため工程間のやり取り(距離)の問題が発生していた。
  • 従来の一点ずつのスポット溶接設備に代わる多点式スポット溶接機を研究開発し、設備メーカーと打ち合わせ、発注、製作、納入を行い、製造ラインを構築した。
  • 工数(二重管伸縮管加工) 2.14分→1.7分。多点式スポット溶接機の導入により、二重管伸縮管加工と二重管エルボ加工で工数が約17〜44%削減され、多台持ちにより2〜…

事業者のプロフィール

事業者名東京フォーミング株式会社
所在地栃木県 足利市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数171人
資本金9,600万円
設立1963年

事業の背景

わが国の天然ガスや石油を熱源とする給湯暖房機用薄肉ステンレスパイプ給排気筒は、当社の国内占有率が70%を超え、顧客に高い信頼を得ている。一方、顧客からは低価格化の要求が極めて高い。電力供給の悪化に伴い灯油・ガスを燃料とする給湯機や暖房機が再認識され市場が伸長している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の一点ずつのスポット溶接設備では工数がかかり、工程ごとに作業者を配置していたため工程間のやり取り(距離)の問題が発生していた。
  • 人手・技能社内規定で熟練の特定作業者に限られていたため、誰でもスポット溶接加工の生産を担当できる工程が必要だった。
  • コスト・採算顧客である機器メーカーや設備メーカーから商品コストの低減を強く求められていた。
  • 品質・精度燃焼ガスの漏れが絶対に許されない高い品質と精度が求められていた。
  • 納期・工程顧客から多品種少量生産と短納期化の要求があった。

やったこと

従来の一点ずつのスポット溶接設備に代わる多点式スポット溶接機を研究開発し、設備メーカーと打ち合わせ、発注、製作、納入を行い、製造ラインを構築した。設備には、エリアセンサー、カバー、稼働部の耐久性、位置決め・段替えの容易さ、手動自動切替、各手動動作、非常停止、カウンターなどを備えた。半自動スポット溶接機は、溶接条件の変更が可能で市販品チップを使用できる仕様とし、スポット溶接条件を設備に組み込んだ。二重管伸縮管加工工程ではレイアウトによる工程見直しを行い、加工設備の多台持ちを可能にした。

加工機多点式スポット溶接機
加工機半自動スポット溶接機

新しい製品・サービス:多点式スポット溶接機(半自動スポット溶接機)

事業の効果

  • 工数(二重管伸縮管加工) 2.14分→1.7分
  • 工数(二重管エルボ加工) 2分→1.67分
  • 省人化(二重管伸縮管加工) 2名→1名
  • 省人化(二重管エルボ加工) 5名→1名

多点式スポット溶接機の導入により、二重管伸縮管加工と二重管エルボ加工で工数が約17〜44%削減され、多台持ちにより2〜4名の省人化が可能になった。スポット溶接条件を設備に組み込んだことで品質の安定も図られ、誰でも容易にスポット溶接ができるようになった。加工設備の多台持ちが可能になり、一貫生産システムの構築につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の給湯暖房機用ステンレスパイプの高い国内占有率(70%超)や顧客信頼を背景に開発した、と事例に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内占有率70%超、燃料機器需要の再伸長、顧客からの低価格化要求を踏まえ、差別化と海外企業への優位獲得を狙うと書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    従来の一点ずつ手作業溶接による工程間の距離の問題を課題として挙げ、多点式設備による工数削減を解決策として示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    二重管エルボ加工で合計工数2.00分から1.67分(約17%減)、二重管伸縮管で2.14分から1.7分(約21%減)など具体的な数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    設備機器メーカーとの打ち合わせ、発注、製作、納入や製造ライン構築の工程が示されているが、人員体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客である機器メーカーの低価格化・寸法精度・即納短納期の要望が示され、それに応える製品価値が明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    設備仕様検討から製造ラインの構築までの工程は示されるが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    灯油・ガス機器の市場が伸長している点は書かれているが、多点式スポット溶接機自体の普及度や高価格化の程度は不明瞭。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    電力供給悪化に伴う灯油・ガス機器の再認識と市場伸長、新規雇用や波及効果の記述は薄いが、国内占有率の高さは書かれている。

  • 費用対効果5

    工数削減率約17〜44%、2〜4名の省人化、5人区が1人区になるなど、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    一貫生産システムの構築と工程見直しは書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    足利市の工場で稼働していることはうかがえるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客との共同開発などを進め、海外企業や他社に対する優位を築きたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。