ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

スポット溶接工程のデジタル化による、高精度な品質管理と溶接技術の実現

株式会社ハイ.テック

成果加工工程数 6工程→4工程

この事例のポイント

  • スポット溶接は作業者の熟練度により段取り時間や加工品質に差が出る。
  • 3次元CADシステムとインバーターテーブル式スポット溶接機を新規導入した。
  • 加工工程数 6工程→4工程。溶接痕が極小になり、仕上げ工程を約30%削減、焼け取り工程も不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハイ.テック
所在地群馬県 太田市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数48人
資本金1,500万円
設立1992年

事業の背景

当社は創業以来、主に大手電機メーカー向けに精密板金加工品を供給してきた。多品種少量生産を得意とし、近年は発電設備・蓄電池システム機器、医療機器の部品製造へ領域を広げている。主要取引先では、小ロット化や耐久性向上を目的に樹脂成型外装製品から大きな外装板金製品への代替需要が高まっており、コストダウンや軽量化のため製品の薄板化やアルミ等の難溶接素材の利用が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スポット溶接は作業者の熟練度により段取り時間や加工品質に差が出る。
  • 生産能力不安定な作業により加工時間が約3倍に増えていた。
  • 品質・精度スポット溶接痕に凹凸ができ、修正仕上げ作業が必要だった。
  • 品質・精度極薄板や難溶接材はスポット溶接加工が困難だった。
  • コスト・採算消費電力・発熱量が大きく、電極冷却に大量の水が必要だった。

やったこと

3次元CADシステムとインバーターテーブル式スポット溶接機を新規導入した。インバーター制御されたテーブル式スポット溶接機と当社の極薄板溶接技術を融合させ、電圧・電流制御などの動作を安定させた。当社独自のスポット溶接加工条件を最適化してCADシステム上で設定し、データとして保存・提出できるようにした。作業者はデータを呼び出して迅速に加工でき、溶接機とネットワーク化することで段取りや条件設定、溶接状態、溶接品質管理をデジタル化した。

ソフト3次元CADシステム
加工機インバーターテーブル式スポット溶接機

事業の効果

  • 加工工程数 6工程→4工程
  • 加工時間短縮率33%を達成した。
  • 仕上げ工程を約30%削減した。
  • 強度を約20%向上させた。

溶接痕が極小になり、仕上げ工程を約30%削減、焼け取り工程も不要になった。強度は約20%向上し、美しく強いスポット溶接が可能になった。加工工程を削減し、加工時間を33%短縮した。段取りや条件設定もデジタル化された。外装パネルの内製化によりリードタイムが短縮され、環境・エネルギー分野で共同受注も見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来、大手電機メーカー向け精密板金を供給し、新分野へ領域を拡大していると書かれているが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    発電設備・蓄電池、医療機器などの外部需要と、スポット溶接の技術優位性を結び付けて記述されており、強みの説明が具体的である。

  • 課題の認識と解決4

    加工工程を6工程から4工程に削減し加工時間短縮率33%を達成、仕上げ工程も約30%削減と、課題に対する効果が数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注増の見込みを蓄電・発電装置約1.4〜1.6倍、医療用機器約1.3〜1.5倍と数値で示しており、目標値が具体的である。

  • 事業を進める体制2

    従業員48人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    蓄電池の製造開発急増という既存顧客ニーズ、スポット溶接技術の地域での希少性など、選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    医工連携分野での医療廃棄物処理機器の自社開発検討が示されているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    アーク溶接から極薄板・難溶接素材対応のスポット溶接へ転換し、同分野で高品質・高付加価値化を図る点が具体的に記述されている。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    蓄電池・医療分野の広がりや共同受注、地域での希少性に触れているが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    加工工程6から4への削減、加工時間33%短縮、仕上げ30%削減など、投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CADと溶接機をネットワーク化し溶接条件・品質管理をデジタル化した点が具体的で、サプライチェーンへの貢献も示唆されている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    蓄電池・発電設備や医療機器など成長分野への進出が書かれているが、日本経済の構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    群馬県の1社1技術選定や医工連携への言及はあるが、地域の雇用創出や経済成長への効果は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

蓄電・発電装置分野で約1.4〜1.6倍、医療用機器分野で約1.3〜1.5倍、半導体装置分野とOA機器・複写機装置分野で約1.1〜1.3倍の受注増を見込む。医工連携では医療廃棄物処理機器の自社開発を検討し、下請けからの脱却も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。