ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

鉄道部品加工における高精度・高効率生産体制の確立及び新規販路拡大

MINATO株式会社

成果加工時間 16時間→12時間

この事例のポイント

  • 長手方向2,000mm以下の中物製品に対する多品種少量生産(一品物生産)には小型汎用フライス盤(Xストローク800mm)しかなく、大型の鉄道部品の加工が難しかった。
  • Xストローク1,600mmのNCフライス盤(山崎技研製YZ-500SG)を導入し、機械精度としてXYZ各軸の真直度公差0.01mm以内、テーブル運動の直角度公差0.01mm以内、…
  • 加工時間 16時間→12時間。加工時間は従来の約20%削減され、加工精度はこれまでと同等以上を得られた。

事業者のプロフィール

事業者名MINATO株式会社
所在地栃木県 宇都宮市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数31人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は金属加工全般を手がけ、鉄道駆動部の連結に使われる重要保安部品を加工している。鉄道部品は軽量化と剛性・靭性の両立が求められ、複雑形状の溶接加工品が多い。国内の鉄道業界ではシニア観光需要や訪日外国人旅行者の取り込みが期待されている。取引先N社は気動車で国内シェアの8割を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力長手方向2,000mm以下の中物製品に対する多品種少量生産(一品物生産)には小型汎用フライス盤(Xストローク800mm)しかなく、大型の鉄道部品の加工が難しかった。
  • 納期・工程段取り替えを繰り返すため加工時間が伸び、納期の問題で鉄道部品の受注に対応できない状況にあった。
  • コスト・採算加工費が高く、鉄道部品の大型構成物加工の受注が困難だった。

やったこと

Xストローク1,600mmのNCフライス盤(山崎技研製YZ-500SG)を導入し、機械精度としてXYZ各軸の真直度公差0.01mm以内、テーブル運動の直角度公差0.01mm以内、主軸の振れ精度0.01mm以内を選定基準とした。栃木県産業技術センター機械電子技術部と工具メーカーOSGの助言を受け、切削条件と加工方法、適正刃具を選定した。鉄道連結部品の試作加工を行い、幾何公差部の平行度φ0.01mm・0.05mm部、直角度φ0.05mm部を加工実証した。試作品はミツトヨ製三次元測定器で評価し、現状以上の精度達成を確認した。

加工機NCフライス盤(山崎技研製YZ-500SG、Xストローク1,600mm)

事業の効果

  • 加工時間 16時間→12時間
  • 加工時間は従来の約20%削減
  • 工程数 2工程→1工程

加工時間は従来の約20%削減され、加工精度はこれまでと同等以上を得られた。上下面の加工を1工程に集約し、計4時間の短縮が可能になった。工程数を削減したことで加工納期の短縮と加工費の抑制ができた。鉄道部品の多品種少量生産のニーズに応え、受注獲得の可能性を広げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄道部品加工の受注拡大を狙い、既存の板金・溶接・切削の技術を活かす方向性は読めるが、事業戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    加工費が高く受注困難だった鉄道部品の大型構成物で、一部品一社全工程加工の優位性を武器にすると具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    加工時間は従来の約20%削減、16時間を12時間に短縮と数字で課題と解決策を示し、受注獲得の実効性を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の約20%削減や計4時間短縮など目標値はあるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    栃木県産業技術センターやOSGの助言、当社の特殊治具活用とあるが、人材や事務処理体制への言及は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    鉄道連結部品の顧客ニーズとして、溶接から切削までの一貫製造が可能な業者への需要が高いと述べ、ターゲットを示している。

  • 事業化までの道筋3

    試作、実証、受注先候補N社への展開と段階は示されるが、中長期の課題検証や詳細スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鉄道部品の一部品一社全工程加工という同分野で高水準の加工を図る内容で、約10億円の市場想定も示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    鉄道重要保安部品の安全性や、インフラ輸出を背景にした市場拡大の意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は薄い。

  • 費用対効果4

    約2,000万円規模の投入に対し、工程削減による加工時間短縮と加工費抑制を数字で示し、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    NC機やCNC加工の導入は読めるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルでサプライチェーン全体に貢献する記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    鉄道分野の成長や海外展開を取り上げ、成長分野への進出を述べているが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及3

    栃木県宇都宮市の企業として地域技術センターと連携する点はあるが、地域特性を活かした雇用創出の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、受注を増やしていきたい。取引先としてN社が考えられ、N社からの受注に期待したい。市場は約10億円と想定でき、一部品一社全工程加工の優位性を武器に新規開拓とシェア獲得を計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。