ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

マウスピース矯正のデジタル化で歯科医院のニーズに対応する次世代モデルの構築

株式会社日本デント

この事例のポイント

  • マウスピースにはニーズが多く見込まれるが、歯の移動量の確認を目視で行うため適正な移動量の確認が難しい。
  • マウスピース製作システムとCADシステムを導入した。
  • 従来のアナログ手法の製作工程の数値をデジタルデータ化して工程を改善したことで、従来法と比較して約45%の納期短縮を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日本デント
所在地群馬県 伊勢崎市
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測,立体造形
従業員数89人
資本金3,000万円
設立1966年

事業の背景

近年は予防治療が進み虫歯は減少している一方、歯科検診で要矯正の指摘を受ける子どもが多く、矯正治療の希望者も増加傾向にある。食生活の欧米化や歯並びへの関心の高まりが背景にある。現在、歯科医師のうち矯正治療に従事しているのは2割程度である。矯正治療を始めたい歯科医院は多いものの、専門性の高さから開始のハードルは低くない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度マウスピースにはニーズが多く見込まれるが、歯の移動量の確認を目視で行うため適正な移動量の確認が難しい。
  • その他歯の移動量を具体的な数値で示せないため、インフォームドコンセントの確実性が低い。
  • その他矯正治療は歯科治療の中でも専門性が高く、歯科医院が矯正治療を始めるハードルが低くない。

やったこと

マウスピース製作システムとCADシステムを導入した。これらを用い、デジタルデータによる歯の移動条件の設計・開発を行った。3つの厚さの異なる素材に対し、適正な歯の移動量の最大値を設定するための製作試験を実施した。製作試験から、歯の移動量を制御する初期設定方法・初期設定値を検討した。これらの設定値に基づき試作品を製作し、CAD/CAM部門のオペレータと意見交換して品質にフィードバックできる操作方法を構築した。顧客である歯科医院の視点からも実現可能性を評価してもらった。

ソフトマウスピース製作用診査・診断ソフトウエア
ソフトCADシステム
その他マウスピース製作システム

新しい製品・サービス:3Dデジタルデータによるマウスピース矯正の次世代モデル

事業の効果

従来のアナログ手法の製作工程の数値をデジタルデータ化して工程を改善したことで、従来法と比較して約45%の納期短縮を実現した。模型製作時間、配列時間、配列修正時間もデジタル化により大幅に短縮され、受注から納品までの期間が短くなった。配列状態をオンライン上で歯科医院と技工所の双方が確認・修正できるようになり、数値が明確になったことで高精度なマウスピース製作が可能になった。日本初の取り組みとして歯科医院や患者のニーズに応えられると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    矯正技工の技術的蓄積を活かしCAD導入と歯の移動条件設計を進めたとあり、既存事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    矯正治療を始める歯科医院が多い一方で、目視判断による課題があるとの市場認識を示し、先行できる優位性として取引先400軒や新規800軒への拡販計画に触れている。

  • 課題の認識と解決4

    目視による移動量確認の課題を挙げ、デジタル配列とオンライン確認で納期を約45%短縮し、高精度化を実現したと具体的に述べている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納期約45%短縮という数値目標の達成が記載されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    CAD/CAM部門のオペレータや歯科医院と意見交換した記述はあるが、人材や事務体制の確保については読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    審美性や取り外しやすさ、未経験医院でも導入しやすい利点や、矯正希望者増加というニーズの背景が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    製作試験や試作品製作、歯科医院からの評価を経て、県内から北関東・東京・東海・全国へ拡販するステップは示されているが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マウスピース矯正は歯科医師の約2割しか従事していない分野で、対象は10万人の新市場と記載されており、普及度の低さがうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    歯科治療の利用者増加や新市場という記述はあるが、国が補助する波及効果や雇用創出の理由は明確でない。

  • 費用対効果3

    納期約45%短縮という効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    オンライン上で歯科医院と技工所がリアルタイムに配列確認でき、日本初の取り組みと記載されており、デジタル技術によるサプライチェーン連携が読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    歯科技工のデジタル化という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    県内の歯科医院から全国へ拡販する計画はあるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社の取引先400軒のうち矯正未受注の医院200軒に拡販を進め、次に県内で取引のない歯科医院800軒に拡販する。その後、北関東エリア、東京・東海エリア、全国とステップを踏んで拡販していく計画である。矯正治療を実施する歯科医師は約10万人が対象となり、歯科技工製品の新たな市場として見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。