ものづくり補助金平成28年度製造業群馬県

インソール製作システム導入によるコンフォート靴市場の開拓

株式会社群馬中央義肢

成果足型計測時間 60分→10分

この事例のポイント

  • フルハンドメイドでの製造には多大な時間を要し、多種多様な素材のニーズに十分対応できない。
  • CAD/CAMによるインソール製作システム(三次元シャーム計測機、足底圧測定機footscan一式、切削機一式)を導入し、内製化を図った。
  • 足型計測時間 60分→10分。CAD/CAMシステムの導入により、インソール製作時間が大幅に短縮され、納期も半減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社群馬中央義肢
所在地群馬県 高崎市
業種業務用機械器具製造業
従業員数8人
資本金1,000万円
設立2015年

事業の背景

当社は不慮の事故・疾病・先天性欠損などで身体の一部を欠損・障害を負った人のため、義肢や装具をオーダーメイドで製造している。近年、腰や膝、足などの関節に痛みのある方、外反母趾・扁平足の方、立ち仕事の方などを対象に、骨格のバランスをインソールで整えることへの関心が高まっている。十分な効果を得るには一般的な製品では不十分で、オーダーインソールへの期待も高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力フルハンドメイドでの製造には多大な時間を要し、多種多様な素材のニーズに十分対応できない。
  • 人手・技能既存の製造方法では、1足の製造に16時間以上を要していた。
  • 販路・情報発信一般的な病院への営業に加え、スポーツ、フットケア等の専門外来への市場展開が必要である。

やったこと

CAD/CAMによるインソール製作システム(三次元シャーム計測機、足底圧測定機footscan一式、切削機一式)を導入し、内製化を図った。被験者の足を測定・採型し、三次元シャーム計測機でデータ化したうえで、各被験者の足底の症状に合わせて削り残す部位、大きさ、形状などを設計した。柔軟性と弾力性を併せ持つ新材料、熱可塑性合成樹脂であるEVAの硬度50~70の3種類を選定し、被験者7人の各形状に合ったインソールを試作して3週間使用した後、社内でアンケートを実施し問題点を改善した。足底圧測定機では高密度センサーのプレートを用いてスタティックおよびダイナミックの詳細なデータを計測した。インソール専用切削機にデータを送り、材料をセットするだけで切削が終了するようにした。

検査測定三次元シャーム計測機
検査測定足底圧測定機 footscan
加工機インソール専用切削機
ソフトインソール製作システム(CAD/CAM)

新しい製品・サービス:EVA硬度50~70の熱可塑性合成樹脂を用いたオーダーインソール

事業の効果

  • 足型計測時間 60分→10分
  • 1足の製造時間 970分→70分
  • インソール製作時間(作業者占有時間) 210分→50分
  • ユーザー納品日数は2~4週間から1~2週間へ、1/2に短縮

CAD/CAMシステムの導入により、インソール製作時間が大幅に短縮され、納期も半減した。症状に適した硬度の素材を選べるようになり、既存の取引先病院への納期短縮や品質向上のアピール、専門外来や中堅病院への営業拡大につながる見込みである。データ管理により同じ製品を正確に再現でき、顧客データの検索も短時間で可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    義肢・装具のオーダーメイド製造が本業と述べられ、インソール内製化は既存事業の延長と読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一般病院・スポーツ・フットケア専門外来への展開を目指すと書かれ、市場動向は述べられるが、競争優位の根拠は差別化ツールとしての記述にとどまる。

  • 課題の認識と解決5

    課題は多岐素材への対応困難と記載され、製作時間1足970分→約70分(約1/14)、納期半減など数字で高付加価値化・短納期化の効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    足型計測時間や製作時間の目標と効果が数値で示され、5年後売上1,334万円の予測もあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人、設立2015年と記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制について具体的な記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院・スポーツ・フットケア専門外来という顧客ターゲットと、症状に適した硬度選択やデータ再現性という選ばれる理由が具体的に記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作・3週間使用・アンケートによる改善など工程は書かれるが、中長期の課題検証や具体的スケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    オーダーインソールは一般製品と比べ高水準の付加価値を狙う分野で、病院用40,000円など価格帯が示されており、高価格化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化や疾病対応への言及はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    製作時間の大幅短縮(約1/14)や納期半減、石膏費・廃棄代の削減など費用対効果を示す数字が複数記載されている。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMや三次元計測・足底圧計測などデジタル技術の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高崎市に所在する地域事業者であることは書かれるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

専門外来への提案や中堅病院への営業を拡大し、事業開始後5年後の売上を1,334万円と予測している。競争が激化するインソール業界において、他社との差別化を図る。

  • 目標:事業開始後5年後の売上を1,334万円と予測

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。