ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

成形領域を拡大した射出成形機を導入し精度向上と高品質成形を実現する

株式会社大成

成果セル生産作業時間 290秒/枚→110秒/枚

この事例のポイント

  • 超純水製造装置に組み込まれるプラスチック製セルの生産時にバリや反りが発生し、その修正のため生産能力が上がらない。
  • 最大型締め力460t、スクリュー径71mm、ロケート径150mmのハイブリッド式高性能射出成形機を導入し、試作と検証を行った。
  • セル生産作業時間 290秒/枚→110秒/枚。バリや反りのない高品質な成形品を安定して提供でき、作業プロセスの改善によって納期遵守も両立できる見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大成
所在地群馬県 戸田市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数150人
資本金1億円
設立1954年

事業の背景

主力はプラスチック製品の設計・金型製作・成形・アッセンブルまで一貫して行う当社で、中でも主要取引先の超純水製造装置に組み込まれるプラスチック製セルの設計・生産が中心である。超純水の需要拡大に伴い、製造装置の生産量は2016年に前年比約1.8倍、2017年に約2.2倍の増産計画がある。中小製造業者の多くは成形のみ、金型のみなど特定分野に特化する一方、当社は設計から製品化まで一貫して手がける。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力超純水製造装置に組み込まれるプラスチック製セルの生産時にバリや反りが発生し、その修正のため生産能力が上がらない。
  • 生産能力従来使用していた射出成形機360tは型締め力が不足し金型が開いてしまうことが原因だった。
  • 納期・工程顧客の需要拡大により2016年は前年比約1.8倍、2017年は約2.2倍の増産計画があり、従来の製造方法では供給責任を果たせない可能性があった。

やったこと

最大型締め力460t、スクリュー径71mm、ロケート径150mmのハイブリッド式高性能射出成形機を導入し、試作と検証を行った。射出成形機を460tにして型締め力を高めるとともに、金型を設計・製作し、金型の肉厚を厚くして剛性を上げ、金型の変形を抑えた。顧客立ち会いの下でサンプルを5個作製し、バリ、汚れ、キズ、反り、ズレ、寸法などすべてが合格となった。手仕上げによるバリ取り作業がなくなったことで、新型射出成形機460tでの作業時間は1枚あたり110secとなり、セル生産効率が62%向上した。

加工機ハイブリッド式高性能射出成形機(最大型締め力460t)

事業の効果

  • セル生産作業時間 290秒/枚→110秒/枚
  • セル生産効率が62%向上
  • 2017年度の24,000枚の製造日数 241日→92日

バリや反りのない高品質な成形品を安定して提供でき、作業プロセスの改善によって納期遵守も両立できる見通しが立った。作業時間の短縮により生産効率が62%向上し、内製化によって外注費約1,000万円の削減が見込まれる。ワンストップサービスの強化により、科学機器や医療機器分野など新市場への進出も狙える。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ワンストップ・サービスを強みとし、射出成形機導入で内製化と顧客満足度向上につなげる方針は読み取れるが、過去の取組との一貫性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    超純水の需要拡大で2016年約1.8倍、17年約2.2倍の増産計画があり、設計から製品化までの一貫生産を強みとしていることが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    バリ・反りによる生産能力不足を課題に特定し、生産時間が1枚290秒から110秒、セル生産効率62%向上という数字で解決策の効果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産効率62%アップ、24,000枚の製造日数241日から92日への短縮、売上予測2,000万円など具体的な目標値と試算が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数150人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超純水製造装置向けセルの高品質成形というニーズと、主力取引先からの委託という裏付けが明確に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2017年度の生産枚数計画と新手法による納期遵守の見通しは示されるが、中長期の検証や詳細なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    科学機器・医療機器分野への新市場進出を狙うと書かれているが、高付加価値化・高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    ワンストップ・サービスによる幅広い分野への対応や内製化の効果がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    約1,000万円の外注を内製化し、生産時間短縮と62%の効率向上という費用対効果の要素が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    高性能射出成形機の導入によるサプライチェーン内の取り組みはうかがえるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は見当たらない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    超純水需要拡大や科学機器・医療機器分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及2

    埼玉県戸田市と群馬工場の立地は示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2018年は2015年比2.2倍の受注を予測しており、既存取引先4社への売上予測は初年度2,000万円である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。