ものづくり補助金平成27年度製造業岐阜県

サーボプレスユニットを用いた金属/熱可塑性CFRPの融着締結接合装置の試作開発

第一電通株式会社

成果締結部分のせん断応力の最大強度は200MPa以上と、アルミリベットと比較して3倍の強度を達成した。

この事例のポイント

  • 高生産性で低コスト、均一で高強度な金属とCFRTPの融着締結接合手法が求められているが、アルミ等の金属製リベットを使う従来の締結方法では重量増加、応力集中、腐食によるサビが発生していた。
  • 高周波誘導加熱により、金属とCFRTPの融着締結接合装置を試作開発した。
  • 締結部分のせん断応力の最大強度は200MPa以上と、アルミリベットと比較して3倍の強度を達成した。CFRTPリベットを用いた異種材締結が可能となり、電解腐食を防ぐためのコーティングを省けるコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名第一電通株式会社
所在地岐阜県 可児市
業種電気機械器具製造業
技術分野接合・実装,測定計測,立体造形
従業員数123人
資本金1億円
設立1952年

事業の背景

当社は締結分野のパイオニアとして、ナットランナーやサーボプレスを軸とした専門メーカーである。自動車用製造ラインのネジ締め機械「ナットランナー」を扱う締結機器メーカーとして、締結分野で培った技術をもとに圧力・測定分野にも展開している。自動車をはじめとする輸送機器では軽量化と高強度化の両立が求められ、金属とCFRPなど多種の複合材料からなる成形品の使用が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高生産性で低コスト、均一で高強度な金属とCFRTPの融着締結接合手法が求められているが、アルミ等の金属製リベットを使う従来の締結方法では重量増加、応力集中、腐食によるサビが発生していた。
  • 生産能力従来のホットプレス方式は成形用の金型を加熱して押し付けるためサイクルタイムがかかり、連続的にリベットの締結を行うには不向きだった。

やったこと

高周波誘導加熱により、金属とCFRTPの融着締結接合装置を試作開発した。加熱には非接触で内部まで均一に瞬時に加熱できる高周波誘導加熱を採用した。成形プレス装置には自社製のフルデジタルサーボプレスシステムを使用し、プレス荷重とプレス距離を自由に設定できるため小さな部品でも高精度成形や精密な制御が可能となった。炭素繊維が樹脂内で連続的に配向されている一方向CFRTPロッドを用いた軽量CFRTPリベットを開発し、締結荷重と沈み込み量を監視しながら締結することで、高精度・高強度の異種材接合を可能にした。試験片でせん断応力と引っ張り応力の検証を行った。

加工機高周波誘導加熱装置
加工機高周波加熱締結機器システム
金型CFRTP製リベット用特殊金型
検査測定赤外線サーモグラフィカメラ
その他冷却水循環装置
その他加熱用コイル
加工機サーボプレスユニット

新しい製品・サービス:金属/熱可塑性CFRPの融着締結接合装置、軽量CFRTPリベット

事業の効果

  • 締結部分のせん断応力の最大強度は200MPa以上と、アルミリベットと比較して3倍の強度を達成した。
  • スチールボルトの1/5の重量で同程度の強度を示した。

CFRTPリベットを用いた異種材締結が可能となり、電解腐食を防ぐためのコーティングを省けるコストダウンを実現した。燃費を向上させ環境負荷を軽減できる軽量化も実現した。締結部分のせん断応力はアルミリベットの3倍の強度を達成し、スチールボルトの1/5の重量で同程度の強度を示した。2件の国際特許出願および特許化申請を行い、展示会出展や学会発表を通じて大きな反響を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ナットランナーを扱う締結機器メーカーとして新規締結方法に着手したとあり、既存事業との関係は読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    軽量化・高強度化を求める自動車・航空機分野の需要に言及するが、競合に対する自社の強みの説明は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    重量増加や腐食などの従来課題を挙げ、CFRTPリベットで解消すると示すが、事業計画としての売上や付加価値の目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    強度や重量の性能数値はあるが、付加価値や賃上げの目標値は公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数123人や設立年は書かれるが、補助事業を遂行する体制や人材配置の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車・航空機分野を対象に、せん断強度200MPa以上とアルミリベットの3倍、スチールの1/5重量という具体的な優位性が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    多軸ロボットへの搭載やリベッターの小型化に取り組むとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属とCFRTPの融着締結は一般に普及していない分野で、2件の国際特許出願と特許化申請に言及している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    軽量化による燃費向上や環境負荷軽減に触れるが、波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    コストダウンや軽量化に触れるが、補助金額に対する付加価値や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    自社製フルデジタルサーボプレスと高周波誘導加熱の組み合わせで、異種材締結の新手法を示しており、サプライチェーンへの貢献は一部読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    自動車・航空機の軽量化・高強度化分野への展開に触れ、製造業の進化や地球環境保護につながると述べている。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

軽量化・高強度化を活かして他の産業分野への提供を目指す。リベッターの小型化を進め多軸ロボットへの搭載に取り組むとともに、一方向繊維材、射出成形材等のより安価かつ高性能な材料を開発していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。