ものづくり補助金平成25年度製造業京都府

価格競争力強化のための歩留まり改善設備投資事業

株式会社青木プラス

成果売上 230,000千円→290,000千円

この事例のポイント

  • 油圧式成形機は油温の変動で成形条件が変わり、製品の精度がばらつく。
  • 平成27年3月に新しい設備を導入し、同年4月から本稼働させた。
  • 売上 230,000千円→290,000千円。導入後は短期間でフル稼働に近づき、売上が60,000千円増加し、当初目標の44,500千円増を既に上回った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社青木プラス
所在地京都府 宇治市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数37人
資本金1億円
設立1999年

事業の背景

当社の主力製品は、電子・電気製品や自動車向けの精密部品に使うプラスチック射出成形品である。最終製品の市場拡大やプラスチックの軽量化・コスト面の優位性、耐久性の向上により、金属部品からの代替需要が順調に伸びている。一方で生産拠点の海外進出により国内市場は拡大しにくく、顧客からの要求が厳しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度油圧式成形機は油温の変動で成形条件が変わり、製品の精度がばらつく。
  • 品質・精度射出速度が遅く一定しないため、高い寸法安定性が求められる製品を受注できない。
  • 人手・技能取出しを手動で行うため、従業員の習得度の差で品質がばらつき、手直しが発生する。
  • 生産能力マニュアル操作のためセットアップに時間がかかり、操作時間も熟練度によって変わる。
  • コスト・採算重油の価格変動が収益性に大きく影響し、エネルギー使用量と材料ロスの削減が課題になっている。
  • その他成形機の騒音が大きく、作業環境の改善が必要になっている。

やったこと

平成27年3月に新しい設備を導入し、同年4月から本稼働させた。従来の主に油圧式の射出成形機に代えて、50tと80tの2台の電動サーボ射出成形機を導入した。金型サイズに応じて使い分けるため2種類の機種を選んだ。あわせて、サーボモーター式の取出し機とストックシステム、制振性のある付帯設備を導入し、加工条件はプログラムデータで設定できるようにした。既存設備と同じメーカーの機種を選び、操作の習熟と異常時の対応を迅速にできるようにした。

加工機電動サーボ射出成形機(50t)
加工機電動サーボ射出成形機(80t)
加工機サーボモーター式取出し機及びストックシステム
その他付帯設備

事業の効果

  • 売上 230,000千円→290,000千円
  • 不良率 4%→2%

導入後は短期間でフル稼働に近づき、売上が60,000千円増加し、当初目標の44,500千円増を既に上回った。寸法精度が安定して不良率が約4%から約2%に下がり、これまで受注できなかった高精度の製品も受注できるようになった。省人化により従業員を他の仕事に回せるようになり、生産量は約10%増えた。電気代は既存設備の約50%減を達成し、騒音も明らかに低減した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の油圧式成形機から電動サーボ機への更新と精密部品重視が読み取れるが、過去の取組との連続性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    電子・電気・自動車部品の需要拡大や海外進出による国内市場縮小、精密加工の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    油温変動・射出速度・手直しなど課題が明示され、売上230,000千円から290,000千円への増収と約50%の電気代削減が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    当初目標44,500千円増(5年後)を既に上回る60,000千円増を達成し、実績で目標値の実現性が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員の教育期間が短いことや既存メーカーの採用は書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度を要する製品の受注増や不良率の改善が記述され、顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の小ロット化対応や熟練度差の解消が挙げられているが、スケジュールや解決方法の具体的な記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    インサート型射出成形など高付加価値化の方向性は示されるが、同分野での高水準の価格や普及度の情報は乏しい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    電子・自動車分野の市場拡大や雇用面にはふれるが、国が補助する積極的な波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    生産量が約10%増、不良率が約4%から約2%に改善、売上増60,000千円と費用対効果の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    サーボ制御による条件設定の自動化は書かれるが、先端的デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記述がない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    金属からプラスチックへの代替進展という市場変化に触れるが、日本経済の構造転換に資するとの記述はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

プラスチック成形品は今後も金属などからの代替が進む一方、単純な構造の加工品は国内需要が減るため、高付加価値化が必要である。インサート型射出成形品の需要は今後も伸びると考えられ、小ロット化への対応やセットアップ時間の差の解消を進める。2次加工により顧客価値を高め、信頼される射出成形加工品メーカーを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。