ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

医療用内視鏡部品における切削技術の高度化と短納期化

藤工業株式会社

成果製造工程数 12工程→7工程

この事例のポイント

  • 加工が12工程に及び、コスト高が課題となっていた。
  • 複合背面加工付NC旋盤を新たに導入し、12工程から7工程への削減を目指した。
  • 製造工程数 12工程→7工程。工程数を12工程から7工程に削減し、加工時間とリードタイムを短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名藤工業株式会社
所在地群馬県 藤岡市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数41人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

当社は消化器内視鏡装置の接続部に使われるステンレス製部品シェルを製造している。内視鏡市場はニーズが拡大しており、シェルとその関連部品の総出荷額は安定した数字で推移している。市場では高精度・高品位な製造と、短納期・低コスト・大量生産に対応できる生産体制が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算加工が12工程に及び、コスト高が課題となっていた。
  • 品質・精度工程が多く品質的にリスクを負いやすかった。
  • 納期・工程長いリードタイムがコスト高の要因となっていた。
  • 品質・精度バリ取り工程に20分を要し、コスト面・リードタイムに大きな影響を与えていた。

やったこと

複合背面加工付NC旋盤を新たに導入し、12工程から7工程への削減を目指した。バリ抑制のため、切削条件とバリの発生挙動の関係を調査し、バリが抑えられる切削順序と切削条件を最適化した。切削条件の最適化で導いた値を再度検証し、穴仕上げ工具を変更したテスト加工を行った。実機で全切削の試作品を立ち上げ、課題を明確にした上で、今までの課題を考慮して最終テストを行った。

加工機複合背面加工付NC旋盤

新しい製品・サービス:ビデオスコープ接続部用ステンレス製シェルの試作開発品(高付加価値な部品)

事業の効果

  • 製造工程数 12工程→7工程
  • 加工時間 27分/個→19分/個
  • リードタイム 47分/個→37分/個
  • 製造単価 2,100円→1,276円

工程数を12工程から7工程に削減し、加工時間とリードタイムを短縮した。製造コストは約39%削減された。バリ抑制を実現し、量産時の安定切削にも貢献できると考えられる。既存製品の高付加価値化のための効率的生産方法の確立と製造技術の向上という課題に対して、一定の効果を出せた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金属加工での取組を踏まえ、内視鏡部品シェルの製造効率化を進める方針が読み取れるが、経営戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    内視鏡市場の拡大と国内最大手メーカー向けの取引が示され、高精度・短納期への市場要求に応える強みはうかがえるが、競争優位の説明は限定的。

  • 課題の認識と解決5

    12工程から7工程への削減、リードタイム21%短縮、製造コスト39%削減など数値つきで課題と解決策の効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    目標値に対し加工時間25分、リードタイム40分、製造単価1,380円を設定し、達成度108〜131%と数値で実現が示されている。

  • 事業を進める体制2

    実施者による試作・テスト加工の流れは書かれるが、人材や事務処理能力など遂行体制についての記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度・高品位・短納期を求める市場ニーズと、顧客からのコスト面での評価上昇が書かれ、選ばれる理由の一部が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作、切削条件の最適化、テスト加工、最終テストという段階は示されるが、中長期の検証や今後のスケジュールは限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用内視鏡部品のステンレス製シェルについて、同分野で高精度化・高付加価値化を図る取組として具体的に読み取れる。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    内視鏡事業が国の成長戦略の重要テーマで、国民の健康寿命の延伸に貢献すると明記され、公的支援の意義がうかがえる。

  • 費用対効果5

    製造コスト39%削減、リードタイム21%短縮と数値で費用対効果が示され、事業開始5年後の売上目標も明示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    複合背面加工付NC旋盤の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙分野への参入を目指すとあり、成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    藤岡市の地元企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への波及の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客からコスト面での評価が上昇し、加工見積の依頼もあることから受注を実現する見込み。航空宇宙分野への参入を目指し、事業開始5年後の売上金額を600万円まで拡大する計画。目標売上金額は3,000万円とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。