ものづくり補助金平成24年度京都府

CAD/CAMの追加により超短納期対応で差別化を図り、顧客サービスと収益力を強化する。

有限会社日双工業

成果NCデータ作成工程の処理能力 1倍→1.3倍

この事例のポイント

  • 顧客の期待納期は長くて2週間程度と短く、受注時期のばらつきによる納期集中で受注機会を失うことが頻繁に起きていた。
  • CAD/CAMを1台導入し、新たに1名のPGを育成した。
  • NCデータ作成工程の処理能力 1倍→1.3倍。全体の処理能力は目標の1.3倍を大きく上回り2倍近くまで上昇し、受注機会の損失は解消して顧客の期待納期に無理なく応えら…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社日双工業
所在地京都府 宇治市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数13人
資本金1.1億円
設立1953年

事業の背景

当社は金属の切削加工を得意とし、精密部品の設計・製作、3Dモデリング、試作部品加工などを手がける。取引先の多くは製造業の新製品開発部署や大学などの研究開発機関で、依頼は試作部品・単品部品が中心のため大口取引先は存在しない。一度の取引で満足した顧客からのリピートにより継続取引が実現している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程顧客の期待納期は長くて2週間程度と短く、受注時期のばらつきによる納期集中で受注機会を失うことが頻繁に起きていた。
  • 生産能力NCデータ作成工程がボトルネックとなり、PG(プログラマー)が当日稼働分のデータをその日に作成していたため、夜遅くに機械の段取りを始める悪循環に陥っていた。
  • 人手・技能PGチームは3人体制でフル稼働が続き、PGとOPの分業体制では、データに表しきれないノウハウの共有が難しかった。

やったこと

CAD/CAMを1台導入し、新たに1名のPGを育成した。PGを3人から4人体制に強化し、NCデータ作成工程の処理能力を1.3倍にすることで、納期対応を可能にし、受注機会損失を防ぐこととした。従来の PGとOPの分業体制を解消し、1人の社員が1案件のデータ作成から加工・仕上げまでを担当する「1人一貫生産体制」に取り組んだ。多能工化に向けた社員の理解と協力を得て、全員でゴールを共有しながら粘り強く取り組んだ。

ソフト三次元CAD/CAM

事業の効果

  • NCデータ作成工程の処理能力 1倍→1.3倍
  • 社員の残業時間は補助金活用前と比較し45%削減された
  • 有給休暇消化率は4年前と比較し約2倍と大幅に向上
  • CAD/CAM台数 3台→6台

全体の処理能力は目標の1.3倍を大きく上回り2倍近くまで上昇し、受注機会の損失は解消して顧客の期待納期に無理なく応えられるようになった。分業を解消したことで品質責任が明確になり、加工ミスが大幅に減少して出荷品質が向上した。社員の残業は減り、有給休暇も取りやすくなり、働き方改革が進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    社内の分業体制の弊害を解消し、短納期対応で差別化する方針が書かれているが、過去の取組との一貫性の記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客の期待納期が長くて2週間程度と示され、高度な技術力と短納期対応で評価されてきたという強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    NCデータ作成が時間ボトルネックと明示され、PG3人から4人体制、処理能力1.3倍という目標と数値的な解決策が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    処理能力は目標1.3倍を上回り2倍近くまで上昇、残業時間は45%削減と、数値で目標達成実績が示されている。

  • 事業を進める体制4

    PGを3人から4人に増員し新たに1名を育成、多能工化の取組を進めた体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・高品質が顧客に評価されリピート率が高いとあるが、ターゲットの明確化や選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋4

    CAD/CAM増設、1人一貫生産体制への移行、検査要員増強など遂行方法と課題解決の流れが示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    試作部品加工の分野だが、一般的な普及度や高付加価値化の水準についての記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    新製品開発の下支えや地域の製造業への貢献はうかがえるが、国が補助する積極的理由や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    処理能力2倍、残業45%減、有給消化率約2倍など補助金投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMや3Dスキャナーなどのデジタル技術は使われているが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    5軸加工機の活用や高度化した顧客ニーズへの対応はうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    宇治市の所在地は示されているが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客ニーズは今後さらに複雑・高度化し、短納期に向かうと見込む。稼働率の高い5軸加工機を中心にスケジュールを組んでおり、社員の継続的な能力向上と機械の増強が必要と考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。