ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業千葉県

患者満足度の高い股関節治療を提供するための牽引手術台の普及事業

サージカルアライアンス株式会社

この事例のポイント

  • 前方アプローチ法は手技が非常に煩雑で習得が難しく、普及が進んでいない。
  • 製品評価モデルとなる牽引手術台4台を導入し、千葉大学を中心に協力いただいている大学病院や市中病院で臨床評価を行った。
  • 製品評価モデルの導入により、マイナートラブルへの対処と製品改良につなげることができ、人工股関節の前方アプローチ法による手術で使用できることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名サージカルアライアンス株式会社
所在地千葉県 港区
業種その他の卸売業
従業員数12人
資本金500万円
設立2007年

事業の背景

当社は創業以来、主に人工関節の販売を事業としており、整形外科医から人工関節に関する課題の相談を受ける機会が多かった。日本国内では人工股関節置換術および人工骨頭挿入術が年間約13万例行われているが、そのうち前方アプローチ法は約15%前後しか普及していない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能前方アプローチ法は手技が非常に煩雑で習得が難しく、普及が進んでいない。
  • 新製品・新技術前方アプローチを支える専用手術台は海外製のみで高価、または使用する人工関節が限定されるなど使い勝手が悪い。

やったこと

製品評価モデルとなる牽引手術台4台を導入し、千葉大学を中心に協力いただいている大学病院や市中病院で臨床評価を行った。千葉大学整形外科との産学共同研究として開発した牽引手術台について、臨床評価によりラーニングセンターとしての足がかりを作るとともに、製品評価モデルの初期トラブルを洗い出した。ラーニングセンターでは、協力医が牽引手術台を実際の臨床で使用し、全国の整形外科医が手術を見学できる体制を目指した。

その他牽引手術台(製品評価モデル)4台

新しい製品・サービス:人工股関節の前方アプローチ法に用いる牽引手術台

事業の効果

製品評価モデルの導入により、マイナートラブルへの対処と製品改良につなげることができ、人工股関節の前方アプローチ法による手術で使用できることが確認された。平成27年より営業活動を開始して受注を獲得し、千葉大学医学部附属病院および関連病院に3台を納品した。ラーニングセンターとしての活用により、他施設や他メーカーからの問い合わせも増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    人工関節の販売を創業以来の事業とし、整形外科医の課題相談を受けてきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    前方アプローチの普及率が約15%と低いこと、海外製専用手術台の問題点、大学コネクションの活用が書かれ、強みは読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    手技の煩雑さや専用手術台の高価さという課題を挙げ、牽引手術台の開発で解決を図る流れが書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。受注や納品台数は示されるが、目標値とは言えない。

  • 事業を進める体制2

    千葉大学や関連病院との協力体制は書かれるが、補助事業の遂行体制や人材の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    整形外科医の前方アプローチ検討者を対象に、3台の納品実績と他施設からの問い合わせ増加が書かれ、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    臨床評価、マイナートラブル対処、平成27年からの営業開始と段階が書かれ、スケジュールの流れは読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    前方アプローチ法は国内で約15%前後しか普及しておらず、高水準の差別化を図る製品であることが数字で読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    術後の早期離床や入院日数短縮、医療費軽減への言及はあるが、波及効果や雇用創出の具体的数字はない。

  • 費用対効果2

    入院日数短縮や医療費負担の軽減に触れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との産学共同研究で新製品を開発したことはうかがえるが、デジタル技術やビジネスモデルの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    超高齢社会で人工股関節市場が増加すると見込まれ、医療分野の成長に資する旨が書かれている。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

前方アプローチ法による手術が普及すれば、術後の早期離床や早期リハビリ開始、関節脱臼の可能性の低減により患者負担が軽くなり、入院日数の短縮や医療費負担の軽減にもつながると見込まれる。超高齢者社会で患者は今後も増加し、人工股関節の市場もまだ増加すると言われている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。