ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

スーパーエンプラ用インサート成形精密金型の設計加工技術の開発

有限会社長浦製作所

この事例のポイント

  • スーパーエンプラ材を使うインサート成形金型では、1μm単位の嵌合調整やR0.1以下の複雑なコーナーの合わせなど高度な加工精度が求められていた。
  • 高精度ワイヤー加工機を導入し、同社が保有する設計・技術・ノウハウと融合させて試作・検証を行った。
  • 高精度ワイヤー加工機と自社の設計・技術・ノウハウの融合により、従来の加工機では実現できなかった加工精度を実現できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社長浦製作所
所在地千葉県 千葉県流山市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

1978年設立の金型メーカーで、高度な試作開発製品を数多く手がけて金型技術とノウハウを蓄積し、顧客からの信頼を得てきた。スーパーエンプラ材を使うインサート成形金型の試作要望が多数寄せられ、同社の主たる事業の一つとなり得ると考えられていた。国内のものづくりは市場・人材・設備の面で厳しく、大手・中小ともにグローバル化が進んでものづくりの主戦場は海外となっている。医療・ロボット・燃料電池・自動車などでスーパーエンプラの成長が見込まれている。2016年度(平成28年度)の売上高は1億3,800万円だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スーパーエンプラ材を使うインサート成形金型では、1μm単位の嵌合調整やR0.1以下の複雑なコーナーの合わせなど高度な加工精度が求められていた。
  • 新製品・新技術鋼材の切削品やダイキャスト製品の代用となる高難度のスーパーエンプラ樹脂に合わせた、樹脂の特殊さとインサート部品の形状を考慮した金型の設計技術と加工技術が確立できていなかった。

やったこと

高精度ワイヤー加工機を導入し、同社が保有する設計・技術・ノウハウと融合させて試作・検証を行った。検証は(1)樹脂の特殊さに配慮した金型設計技術、(2)インサート部品の形状を考慮した金型設計技術、(3)スーパーエンプラ材を使用したインサート成形金型の加工技術の確立を目指して実施した。1μm単位の嵌合調整やR0.1以下の複雑なコーナーの合わせに対応する加工精度を実現し、鋼材の種類や厚みによる最適な加工条件を設定して求める精度を再現できるようにした。また加工面粗度の追求など課題に対しても実績を積んだ。

加工機高精度ワイヤー加工機

事業の効果

高精度ワイヤー加工機と自社の設計・技術・ノウハウの融合により、従来の加工機では実現できなかった加工精度を実現できるようになった。鋼材の選定や樹脂の流れを考慮した金型設計により、顧客満足につながる成形性の良い金型づくりができるようになった。加工の効率化やロス削減、納期の短縮も実現し、効率的な金型づくりの両面で成果を上げている。難解な案件の相談が増え、新たな顧客との繋がりも生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の試作開発やノウハウ蓄積を基に金型事業を柱にする方針が書かれているが、経営戦略上の位置付けは具体的に読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    スーパーエンプラ用金型の試作依頼が多数あり、独自の3次元レーザー加工技術があると書かれているが、市場動向との関係は詳しくない。

  • 課題の認識と解決3

    加工精度や面粗度、効率化などの課題を挙げ、対応策を示しているが、定量的な目標や効果の数字は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の創出や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性を判断する数字もほぼ読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名で金型の試作開発を手がけてきた実績が書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    スーパーエンプラ用インサート成形金型の高精度・高付加価値化という強みと顧客ニーズは読み取れるが、ターゲットの明確さは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ①から⑤の今後の取り組みや研究改善の方向は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    スーパーエンプラ用インサート成形金型は一般的な普及度が低く、μm単位の嵌合精度など高水準の加工を目指すと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療、ロボット、燃料電池、自動車などの成長分野で使われる材料に関わると書かれているが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額など費用対効果を示す数字は書かれておらず、効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元レーザー加工と金型技術の融合は書かれているが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電子化やロボット、医療などの成長分野への対応が書かれており、構造転換への関連がうかがえるが具体性は薄い。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への言及は見られず、わずかにうかがえる程度。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はさらなる高精度と高耐久を求め、高付加価値なインサート金型で、高精度・短納期・低コストという相反する要素の両立に取り組む。新たな金型構造を創造し、営業提案力と技術対応力を高めて社会貢献と着実な成長を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。