ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

蒸気タービン用タービンブレード受注に向けて生産設備強化

株式会社ユタカ

この事例のポイント

  • 半導体製造装置部品への受注依存が高く、半導体市況の浮き沈みによるリスクを分散するため、航空宇宙・環境・医療関連分野の受注比率を高める必要があった。
  • 航空機の試作開発機として導入した5軸制御マシニングセンタと同機種を、量産型にカスタマイズした設備を導入した。
  • 1ピース加工によりブレードとディスク・カバーの溶接が不要になり、品質のばらつきが減って信頼性の高いインペラを製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ユタカ
所在地愛媛県 松山市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数138人
資本金1,000万円
設立1991年

事業の背景

当社は家庭用ビデオデッキ部品から自動車、通信機器、半導体製造装置、医療、航空宇宙関連部品まで幅広く手がけてきた。半導体製造装置部品の受注構成比はピーク時に80%を占めていたが、半導体市況の変動が大きかった。東日本大震災後の脱原発の動きから火力発電や自然エネルギーへの転換が進み、国内大型タービンメーカーから遠心コンプレッサー及び蒸気タービン部品の加工引き合いがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力半導体製造装置部品への受注依存が高く、半導体市況の浮き沈みによるリスクを分散するため、航空宇宙・環境・医療関連分野の受注比率を高める必要があった。
  • 生産能力蒸気タービン部品(遠心コンプレッサー及び蒸気タービン部品)の加工引き合いに応えるため、ノズル・ブレード・インペラなど難削材の複雑形状部品を高精度で量産できる生産設備が不足していた。

やったこと

航空機の試作開発機として導入した5軸制御マシニングセンタと同機種を、量産型にカスタマイズした設備を導入した。最大34面のパレットを自動交換でき、長時間の無人運転と段取り時間の短縮を実現した。難削材の3次元複雑形状の飛行機部品を対象とした設備のため、インペラなどの3次元加工にも対応できる。旋盤加工とミーリング加工の2工程を同一機械で行えるため、工程間の加工ロスがなくなった。

加工機5軸制御マシニングセンタ(量産型カスタマイズ機、MORISEIKI NMV3000DCG)
加工機4軸多面パレット

新しい製品・サービス:1ピースインペラ部品

事業の効果

1ピース加工によりブレードとディスク・カバーの溶接が不要になり、品質のばらつきが減って信頼性の高いインペラを製造できるようになった。旋盤とミーリングを一台で行うことで工程間の加工ロスと累積誤差がなくなり、精密加工の精度が上がった。長時間無人運転とパレット交換により低コストと短納期に寄与し、量産時も安定した高品質の加工を提供できる。国内自動車メーカーの試作品から継続受注を得ており、今後の受注拡大が見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    半導体市況の波を受け航空宇宙・医療分野へ受注を広げる方針が示され、過去の加工実績の延長で新エネルギー分野へ参入する一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    NASAやJAXA関連の加工実績や特殊合金の難削材加工力、世界水準の加工技術が事例に具体的に書かれ、強みと外部環境が結びつけられている。

  • 課題の認識と解決4

    課題はシェールガス需要の想定外れと受注減で、5軸マシニングによる1ピース化で受注拡大と高付加価値化を図る方針が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は示されておらず、受注見込みの金額も過去の見込み値のみで将来目標は読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    技能検定費用を会社が負担し、100台以上の工作機械を保有し第7工場を完成させたと書かれ、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ブレードやノズルなど顧客ターゲットと小ロット多品種の強みは書かれているが、選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    1ピースインペラへの移行や第7工場稼働など段階的な方針は示されているが、スケジュールや検証方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ノズルやブレードなど高精度・難削材の小ロット多品種加工を特徴とし、高水準の高付加価値化を図る取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    火力・自然エネルギーへの転換機運や大型ガスタービン向け需要が背景に書かれ、国内産業への波及は示唆されるが定量的ではない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加、生産性向上の数値は示されず、低コスト・短納期という定性的な効果のみ書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    5軸マシニングで1ピース加工を行いIoT・AI分野への対応を掲げるが、デジタル技術を活かした地域・サプライチェーン貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    新エネルギー分野への進出と航空宇宙・医療への受注ウエイト拡大が書かれ、成長分野への転換の方向性はうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    松山市の企業であることは書かれているが、地域特性を活かして雇用や地域成長を牽引する具体的な記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

第7工場の稼働により中物も扱えるようになり、導入設備の本格稼働でプラント部品・環境機器分野の受注拡大が見込まれる。IoTや人工知能分野への設備投資増加にも対応する方針。

  • 目標:当初見込み100万円に対し、1年目は100万円を計上した
  • 目標:2年目は見込み300万円に対し、ほぼ無くなった

事業者の声

唯一無二を生み出す、モノづくりカンパニーでありたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。