ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)千葉県

産学連携による子供の安全と発達段階に応じた成長を促進する次世代型遊具の開発製造

株式会社永光自動車工業

この事例のポイント

  • 子供の心身の成長を促進する視点が遊具の開発で失われ、子供が多様な遊び方を封印してしまう問題があった。
  • 千葉大学教育学部と同工学部との産学連携により、子供の発達段階に応じた身体的・精神的・社会的成長を促進する次世代型遊具の開発製造販売を行った。
  • 次世代型うんてい遊具「Twisty(ツイスティ)」を平成29年春から販売し、メディアで大きく取り上げられ、ビジネスプランコンテストで準グランプリを受賞した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社永光自動車工業
所在地千葉県 千葉市
業種自動車整備業
技術分野デザイン,接合・実装,測定計測,表面処理,立体造形
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

公園遊具は国土交通省の指針に基づき日本公園施設業協会の安全規準があるが、学校遊具には独自の安全規準がなく、同規準を準用するよう通達されているだけである。学校遊具は安全性を重視する傾向が強く、子供が自ら考える多様な遊び方を提供する遊具が少なくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力子供の心身の成長を促進する視点が遊具の開発で失われ、子供が多様な遊び方を封印してしまう問題があった。
  • 新製品・新技術近年の学校遊具は、子供に気づきを与える遊具の提供が極めて少ない状況だった。

やったこと

千葉大学教育学部と同工学部との産学連携により、子供の発達段階に応じた身体的・精神的・社会的成長を促進する次世代型遊具の開発製造販売を行った。工学部では過去の遊具事故データや子供の現状認識を基にデザイン科学やリスク・ハザードに配慮した形状と実証評価(観察調査、運動量調査、筋力量調査)を行い、教育学部では子供の身体能力や社会心理(情緒性、創造性、協調性)、嗜好性の研究成果を得た。当社は異種金属接合技術、金属成形技術、可動・摺動部製作技術、強度計算技術、塗装技術を応用して試作品と完成品を製作した。製品第一弾として次世代型うんてい遊具「Twisty(ツイスティ)」を製作し、平成29年春から販売を開始した。販売は学校予算だけに頼らず、地域社会、商店街、PTA、OBなどもターゲットとした。

新しい製品・サービス:次世代型うんてい遊具「Twisty(ツイスティ)」

事業の効果

次世代型うんてい遊具「Twisty(ツイスティ)」を平成29年春から販売し、メディアで大きく取り上げられ、ビジネスプランコンテストで準グランプリを受賞した。千葉市のトライアル発注認定事業で認定商品に選定された。公立校3校と私立の幼稚園や幕張インターナショナルスクールなどに導入され、一般企業にも導入された。売れ行きは好調である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車整備から遊具開発へ広がった経緯は読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    千葉大学との産学連携、異種金属接合や塗装などの自社技術を応用する点が具体的に書かれ、強みの活用がうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    学校遊具の現状課題(気づきを与える遊具の不足)は示されるが、高付加価値化・成長の事業計画としての数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売好調や導入実績は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の数値根拠は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    大学との共同開発体制や社内の製作技術は書かれるが、人材や事務処理能力の具体的な体制記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    子どもの安全と成長促進を両立する遊具という価値、導入先の公立・私立校や東京ドイツ村の発注実績が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    製品第一弾の販売後、クレパスの製作着手や年1基程度の新作開発というスケジュールは示されるが、課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存の公園・学校遊具と異なり、リスクを魅力に転化する次世代型うんてい遊具で、ベンチャーカップ準グランプリなど差別化が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    子どもの安全と成長に関する国の規準の不備を指摘し、学校や公共施設への導入という公共性が具体的に示されている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    大学の科学的知見(運動量・筋力量調査)を取り入れた産学連携で、新しい遊具の販路や教育分野への貢献が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    子どもの安全・成長を重視した遊具市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    千葉市のトライアル発注認定や千葉市内の小学校導入など地域との結びつきは読めるが、地域経済成長への牽引効果は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

Twistyの広報宣伝と販売に力を入れるとともに、第二弾の「クレパス」の製作に着手し、広報宣伝と販売を開始する予定である。新作の遊具は一年間に一基程度のペースで開発し製品化していく考えである。

事業者の声

玩具とは道具が遊び方を規定するもので、遊具とは遊ぶ側が遊び方を考えるものです。現在は安全性を強調するあまり遊具の玩具化が危惧されています。多様な遊び方(遊具性)と安全性は確かにトレード・オフの関係にあります。しかし、私たちはリスクを残しながらハザードを取り除くという開発方針の下、産学連携により本物の「遊具」を高い安全性を確保しながら、これからもリリースし続けます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

長崎県サービス業(他に分類されないもの)平成25年度

大量廃棄される食品廃棄物、規格外農産物の酵素処理による豚用液状飼料化技術の開発

飼料専門家、養豚農家、排出事業者からなる「長崎県食品リサイクルループ高効率システム構築検討会」を発足し、調理くずと野菜くずを組み合わせて栄…

効果:現在は、週30トンの液状飼料を製造し、長崎県内の農場2ヶ所に供給している。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。