ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)千葉県

処理困難性廃油(酸・アルカリ性廃油)のリサイクル燃料化プロセスの確立

千葉オイレッシュ株式会社

成果酸・アルカリ性廃油の日量処理能力10tを達成

この事例のポイント

  • 既存の廃油処理では処理量を増やすことを要請されていた。
  • 市原工場に新規設備として、中和槽、原料タンク、中和槽仕込み・循環混合・排出ポンプ、発熱量測定器などを導入し、新たな工程を設けた。
  • 酸・アルカリ性廃油の日量処理能力10tを達成。導入した中和槽により、酸・アルカリ性廃油の日量処理能力10tを達成した。

事業者のプロフィール

事業者名千葉オイレッシュ株式会社
所在地千葉県 君津市
業種廃棄物処理業
技術分野材料製造プロセス
従業員数30人
資本金1,600万円
設立1980年

事業の背景

当社は本社工場と市原工場の二事業所体制で、主に京葉工業地帯から発生する産業廃棄物中の廃油・廃溶剤を独自技術で処理し、再生重油、RBF燃料(エマルジョン)、RBF燃料(ポリマー系助燃油)の3種のリサイクル燃料を製造して、大手セメント・石灰・アルミ溶解工場に販売している。当時は原油価格の下落に伴い燃料エネルギー価格が低下していた。一方で、当社製の産業廃棄物リサイクル燃料の需要は増加しており、廃油・廃溶剤を確保して処理量を増やすことが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の廃油処理では処理量を増やすことを要請されていた。
  • 新製品・新技術一般的にリサイクル処理が困難として焼却処分されてきた酸・アルカリを含む廃油を、リサイクル燃料化する必要があった。

やったこと

市原工場に新規設備として、中和槽、原料タンク、中和槽仕込み・循環混合・排出ポンプ、発熱量測定器などを導入し、新たな工程を設けた。新工程では、酸・アルカリ性廃油を最大で10t/日の中和処理と製品化ができるようにした。原料貯槽には強力な撹拌機とエダクターノズルを設け、用途に応じて強い撹拌と緩やかな混合を選べるようにし、既存工程への移送を効率化した。解乳化・中和処理後は既存の油水分離槽へ移送して静置し、水相を分離したうえで発熱量を確認し、RBF-助燃油Bとして出荷できるようにした。さらに、原料及び製品の発熱量を工場内でリアルタイムに分析できるよう分析技法を向上させた。

加工機中和槽
その他原料タンク
その他中和槽仕込み・循環混合・排出ポンプ
検査測定発熱量測定器

新しい製品・サービス:RBF燃料(助燃油B)

事業の効果

  • 酸・アルカリ性廃油の日量処理能力10tを達成

導入した中和槽により、酸・アルカリ性廃油の日量処理能力10tを達成した。原料貯槽の設置により既存工程への効率的な移送が可能となった。発熱量測定器の導入により、原料及び製品燃料の発熱量を自社でリアルタイムに測定できるようになり、品質管理技法が向上した。テストサンプル5点で発熱量が31,500kJ/kg以上に管理されていることを確認した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のものづくり補助金事業(平成25年度・本社)に続き市原工場で投資したと記載があり、一貫性はうかがえるが戦略上の位置づけは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    原油価格下落下でも産業廃棄物リサイクル燃料の需要が増えており、京葉工業地帯の廃油を独自の中和・混合・分離技術で処理する強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    焼却されてきた酸・アルカリ廃油のリサイクル燃料化という課題を示し、日量10t処理や工場生産量127%増加の目標で解決策を説明している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    中和処理能力日量10tを達成、生産量を127%増加させる目標を数字で示している。賃上げ目標の記載はない。

  • 事業を進める体制2

    二事業所体制であることと従業員数30名が書かれているのみで、補助事業の遂行を担う人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットを関東臨海3県の石油化学コンビナートと明示し、市場規模約1,590千t/年や豊富な原料ソースを根拠として挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    品質の均質化や安全操業、生産性向上技術の確立、増産体制の確立という方向性は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    酸・アルカリ廃油のリサイクル燃料化は焼却が一般的だった分野で新しさはうかがえるが、普及度や高付加価値化の水準を裏付ける記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    大手セメント・石灰・アルミ溶解工場への燃料供給や廃棄物の資源化の重要性が書かれているが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    処理能力や生産量増加率は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    中和・混合分離技術やリアルタイムの発熱量測定によるデータ活用は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    廃棄物を燃料化する循環型の取組がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    千葉県の京葉工業地帯や君津・長柄の立地に触れるが、地域の雇用創出や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東関東圏の廃油、廃酸・廃アルカリ材料の市場規模は約1,590千t/年あり、原料供給は豊富である。新規設備によりさらなる品質の均質化、安全操業技術の確立、生産性向上技術の蓄積を進め、増産体制を確立することで、酸・アルカリ性廃油の受入量と新製品RBF燃料(助燃油B)の増産が見込まれる。市原工場の生産量は既存事業と合わせて現状より127%増加させる計画である。ターゲットは関東臨海3県(千葉県・茨城県・神奈川県)の石油化学コンビナートとしている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。