ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

縦型射出成形機に横型射出成形機の脱型技術を応用しての高付加価値製品の生産

株式会社関口ゴム製造所

この事例のポイント

  • 横型射出成形機では成形できないインサート部品や異形部品の引き合いに応えられず、失注が続いていた。
  • 縦型射出成形機を導入し、操作の習熟を図るとともに、金型製作および製品成形のテストを行った。
  • 縦型射出成形機の導入により、横型では成形できなかった異形品やインサート部品、圧縮成形不可の製品も生産できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社関口ゴム製造所
所在地千葉県 東京都荒川区
業種ゴム製品製造業
技術分野デザイン,精密加工,接合・実装
従業員数43人
資本金4,000万円
設立1914年

事業の背景

1914年創業のゴムメーカーで、1971年から大手自動車向けのエンジン・ブレーキ周りのゴム部品を主力として製造している。ブレーキ関連部品は月間約100万個、その他の型物ゴムは約200万個を生産している。自動車メーカーの海外進出や海外メーカーとの価格競争で国内市場は縮小傾向にあったが、国内生産への回帰の動きもあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力横型射出成形機では成形できないインサート部品や異形部品の引き合いに応えられず、失注が続いていた。
  • 品質・精度バリの厚みや高さをほぼゼロにする要求に、圧縮成形機では対応できず、縦型射出成形機の導入が急務だった。
  • コスト・採算海外メーカーとの価格競争により国内市場が縮小傾向にあり、価格面での優位性を確保する必要があった。

やったこと

縦型射出成形機を導入し、操作の習熟を図るとともに、金型製作および製品成形のテストを行った。縦型射出成形機は圧縮成形機と同様の構造で、金型は上下に開閉し、下型の水平面に金具等をセットできる。多数個配置した金型でも、金型が開いたときに製品を決めた側に確実に付くようにし、エアーで製品を吹き飛ばして脱型する際のバルブ制御などの技術を応用した。現状36台の横型射出成形機に織り込まれている自社開発のノウハウを用い、製品品質の高い確保と効率的な生産体制の構築を図った。

加工機縦型射出成形機

新しい製品・サービス:複数部品を一体化したインサート部品・異形部品などの高付加価値製品

事業の効果

縦型射出成形機の導入により、横型では成形できなかった異形品やインサート部品、圧縮成形不可の製品も生産できる体制が整った。世界的に競争力のある品質と価格を実現できる環境が整い、失注していた受注に対応できるようになった。取引先からは縦型射出成形機指定での引き合いが増え、現在1部品の受注が確定し量産化に向けたFMEAを実施中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のゴム製造と横型射出成形機の無人化の取組を土台に、縦型導入を位置付けている点が具体的に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内市場縮小や異形品・インサート品の引き合い増加を踏まえ、自社の金型・脱型技術を活かす強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    異形部品やインサート品の失注という課題を示し、縦型導入で高付加価値品を生産する計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、受注確定など定性的な見込みがうかがえるonly。

  • 事業を進める体制3

    社内の成形技術や36台の横型機の運用経験は書かれているが、人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異形品・インサート品の引き合いや1部品の受注確定など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年度からのロボット化と縦型機の導入予定が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    縦型射出成形で横型では成形できない異形品や圧縮不可品を生産可能にし、高付加価値化を図る点が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外取引先からの国内移管や北米向け輸出への言及はあるが、雇用創出や波及効果の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加額などの費用対効果を示す数値が書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボット化とIoT融合への言及はあるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内移管やメキシコ展開に触れるが、日本経済の構造転換への寄与は直接書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    荒川区や香取市の工場立地は記載されるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引先に加え、展示会出展などで新規顧客にPRし受注拡大を図る。国内労働事情を踏まえ、ロボット化を進めるとともに、メキシコでの生産工場建設による海外展開も選択肢として検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。