ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

身体障害者・高齢者などが安全に通行できる誘導ブロックの開発

錦城護謨株式会社

この事例のポイント

  • 従来の点字ブロックだけでは、すべての人を満足させることができないのではないかと考えていた。
  • 島根県の視覚障がい者が発明した歩行誘導ソフトマット「歩導くん」の紹介を受け、量産化に向けた本格的な開発を平成26年に始めた。
  • マット表面の段差を少なくしたことで、台車やベビーカー、ストレッチャーなどが通りやすくなった。

事業者のプロフィール

事業者名錦城護謨株式会社
所在地大阪府 八尾市
業種ゴム製品製造業
技術分野複合・新機能材料,立体造形
従業員数284人
資本金8,000万円
設立1936年

事業の背景

昭和11年に大阪市西区で創業し、当初はゴムの専門商社として、横浜港に荷揚げされたゴムを買い付けて工場に販売していた。そのうちゴムでものづくりを行うようになり、家電向けやOA機器向けに製品を納めるようになった。昭和54年に土木分野で地盤改良材を使った工事の施工を始め、材料の製造と現場工事を一貫して請け負っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の点字ブロックだけでは、すべての人を満足させることができないのではないかと考えていた。

やったこと

島根県の視覚障がい者が発明した歩行誘導ソフトマット「歩導くん」の紹介を受け、量産化に向けた本格的な開発を平成26年に始めた。高価な金型に投資しながら試作を重ね、金型は5面作る必要があった。汚れを目立たせにくい表面形状を検討し、わかりやすさのための表面の工夫やめくれ対策も加えて、平成27年10月に製品を完成させた。外部デザイナーを起用してユニバーサルデザインの考えに即した製品デザインを行い、「HODOHKUN Guideway」と名付けて平成27年11月に販売を始めた。

金型金型

新しい製品・サービス:HODOHKUN Guideway(歩行誘導ソフトマット)

事業の効果

マット表面の段差を少なくしたことで、台車やベビーカー、ストレッチャーなどが通りやすくなった。公共施設や特別支援学校などで採用が進み、障がい者の自立を促す動きの一助になりつつある。ドイツの産業デザイン賞で日本企業として初めて金賞を受賞し、平成28年7月までに1,200万円を売り上げた。本業のゴム製品でも、以前は断っていた仕事を新たに受注するようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和11年のゴム商社から、ゴムでのものづくり、土木、福祉へと段階的に事業を広げてきた経緯が書かれており、新規分野への進出が過去の取組の延長線上にあると読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「量産OK」「試作OK」の自社工場力や、ドイツiFデザインアワードでの日本企業初の金賞など、強みとして具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    点字ブロックだけでは満足させられない課題認識は書かれているが、それに対する事業計画の中身や効果の見込みは具体性が薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    平成28年7月までに1,200万円を売り上げたという実績はあるが、今後の売上や付加価値の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員284名の会社で、外部デザイナーを起用して製品設計を進めたとあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    視覚障がい者と健常者の双方に安心安全を提供する製品で、公共施設や特別支援学校での採用実績がある点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成32年の東京オリンピック・パラリンピックや医療分野への参入計画は書かれているが、遂行方法や解決策の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金8,000万円の記載はあるが、資金調達の見込みや金融機関との関係についての記述は公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の産業用ゴム資材から福祉分野へ飛び込み、iFデザインアワードで日本企業初の金賞を受けるなど、新分野での高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    公共施設や特別支援学校での採用、障がい者の自立支援、東京大会を機にしたバリアフリー化の需要など、社会的な意義が書かれている。

  • 費用対効果2

    金型への投資を重ねたとあるが、補助金額や投資額に対する付加価値増加の数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    金型やゴム製品の開発が中心で、先端的なデジタル技術の活用や新しいビジネスモデルについての記述は見当たらない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    土木・環境・防災・福祉・医療へ事業を広げる方向性は書かれているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府八尾市の本社工場の記載はあるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する点は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成32年(2020年)の東京オリンピック・パラリンピックに向けて資材の売り込みを積極的に行っている。あわせて、日本で開催されるラグビーワールドカップ2019向けの需要も開拓していく計画である。

事業者の声

従来の点字ブロックだけでは、すべての人を満足させることができないのではないか

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。