ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

クレーン導入によるリチュービング作業のコストダウン及び効率化

コトブキテクレックス株式会社

この事例のポイント

  • ユーザーからの引き合いにすべて応えられておらず、納期と安全性の観点から受注を見送っている物件が少なからずある。
  • 新規に4.8tクレーンを導入し、技術的改善を図った。
  • クレーンによる機器移動の作業効率が上がり、機器の移送時間が短縮されてリチュービング作業の時間短縮につながった。

事業者のプロフィール

事業者名コトブキテクレックス株式会社
所在地千葉県 袖ケ浦市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数50人
資本金6,840万円
設立1948年

事業の背景

弊社千葉工場の主なメンテナンス業務は熱交換器等のリチュービングである。内閣府の機械受注統計では食品・紙パルプ・化学・石油石炭製品工業の受注は回復・増加傾向にあるが、増えているのは外需のみで、国内向けの新規製作需要は横ばいもしくは減少傾向にある。一方、既存機器へのメンテナンス需要は確実にあり、安定的に収益を確保するため国内メンテナンス需要の受注を進める方針である。リチュービングはユーザーの工場の稼働停止時間内に行う必要があるため、受注量を増やすには作業の効率化が求められる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ユーザーからの引き合いにすべて応えられておらず、納期と安全性の観点から受注を見送っている物件が少なからずある。
  • 品質・精度チューブとチューブシートの溶接で品質トラブルが多く、チューブ交換作業に時間が割かれて溶接にかける時間が少なくなっていることが主因と考えている。
  • 人手・技能従来のクレーンは有線コントローラーのため、作業環境を把握しにくい位置から操作せざるを得ないことがあった。

やったこと

新規に4.8tクレーンを導入し、技術的改善を図った。第一に無線型コントローラーを導入し、コントローラーの位置まで戻って操作する手間を省き、見通しの良い位置から操作できるようにした。第二に、今までは巻上のみだったインバータ制御に横行インバータ制御機能を追加し、横行方向の細かな制御とスピードアップを可能にした。これにより高速移動時の速度向上、微速移動時の細かな操作、上方移動と東西移動の複合動作の円滑化が実現した。

加工機4.8tクレーン

事業の効果

クレーンによる機器移動の作業効率が上がり、機器の移送時間が短縮されてリチュービング作業の時間短縮につながった。溶接にかける時間が増えたことで品質が向上する見込みである。無線コントローラーにより安全かつ効率的に作業できるようになった。時間短縮により以前より多くのリチュービング工事を受け入れられるようになり、大型機器の移送効率化で工場全体の作業効率向上も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の熱交換器メンテナンス(リチュービング)を柱とする事業の延長で、クレーン導入は受注増に繋げる位置づけと読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内新規需要は減少、既存機器メンテは確実に需要ありと外部環境を述べ、拡管機2台導入の強みに触れるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    溶接品質トラブルの主因がチューブ交換に時間を取られることと課題を明示し、クレーン導入で解決する流れは読める。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    数値目標や作業時間短縮の定量値は示されず、今後精査すると書かれるのみで高付加価値や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    操作者の熟練度向上や日々のミーティングでの検討など体制の一端は書かれるが、人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    既存メンテ需要の確実性と、効率化で受け入れ可能件数が増えることは書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    本年及び来年度に作業時間短縮を精査し、その後受入量を決めるという段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高圧ガス特定設備等の圧力容器製造という分野が示されるが、普及度や高付加価値化の水準までは読み取れない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    食品・化学など機械受注統計や人手不足に触れ、国内経済の波及効果や雇用創出への言及は限定的である。

  • 費用対効果2

    受注増や品質安定によるコストダウンを狙うと書かれるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    無線コントローラーは導入されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献はうかがえる程度である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    人口構造変化への対応と新興国子会社への展開に触れるが、構造転換との関係は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    千葉工場の地域での事業実施は示されるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の新規製作需要は減少傾向にあるが既存機器のメンテナンス需要は確実にあるため、作業時間の短縮状況を今年度と来年度にかけて精査し、リチュービング工事の受入量を決定する。無線コントローラーによる機器移送方法の改善や操作者の熟練度向上、最適な操作位置の検討も日々の作業・ミーティングで進める。今回のクレーン導入はリチュービング以外の大型機器製作にも波及効果があると見込んでいる。

事業者の声

国内経済の縮小均衡状態の長期化で、弊社も設備投資を極力控えてきましたが、ここ数年の人手不足に対応するためには、機械化による作業の効率化は喫緊の課題となっています。ここで得られた知見は、今後、日本と同様に人口構造の変化が起こり得る新興国の子会社でも役に立つものと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。