ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)東京都

カーラッピング最終工程の時間短縮と施工技術習得環境の構築

株式会社ワイエムジーワン

成果乾燥時間 72時間→60時間

この事例のポイント

  • ソルベントインクは印刷後の乾燥に約72時間を要し、フィルム貼り付け工程の負担が大きい。
  • ㈱ミキエンジニアリング製の紫外線硬化型インクジェットプリンター(UJV500-160プリントシステム)と、専用のイオナイザー(OPT-J0349)を導入した。
  • 乾燥時間 72時間→60時間。UVインクの導入により印刷後の乾燥時間が短縮され、自社営業車でのラッピングで少なく見積もっても12時間の短縮を確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワイエムジーワン
所在地東京都 墨田区
業種自動車整備業
従業員数13人
資本金2,500万円
設立1956年

事業の背景

当社は昭和62年にフィルムラッピング事業に業態転換し、車両ラッピングの先駆者として企画、デザイン、フィルム印刷・加工、施工までをワンストップで提供してきた。印刷技術の発展でオンデマンド印刷機の価格が下がり、競合他社が増加したため、差別化が求められていた。女性の活躍を推進する社会の動きもあり、女性が活躍できる施工環境の整備も課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ソルベントインクは印刷後の乾燥に約72時間を要し、フィルム貼り付け工程の負担が大きい。
  • 人手・技能貼り付けでミスをすると印刷からやり直しとなり、さらに72時間を要するため、熟練者以外は貼り付けができなかった。
  • 人手・技能施工スタッフの育成と技術向上が重要だが、そこに課題があった。
  • 新製品・新技術既存の印刷機はソルベントインク専用のためUVインクを使用できず、新たな設備の導入が必要だった。
  • 集客・繁閑オンデマンド印刷機の価格低下により参入障壁が下がり、競合他社が増加していた。

やったこと

㈱ミキエンジニアリング製の紫外線硬化型インクジェットプリンター(UJV500-160プリントシステム)と、専用のイオナイザー(OPT-J0349)を導入した。イオナイザーは印刷時の静電気による埃の付着を防止する静電気除去装置である。これらの設備を導入し、溶剤の適正量検証や施工試験を行い、施工管理マニュアルを作成した。

加工機紫外線硬化型インクジェットプリンター(UJV500-160プリントシステム)
その他イオナイザー(OPT-J0349)
ソフト施工管理マニュアル

事業の効果

  • 乾燥時間 72時間→60時間
  • インク代が従来より3割ほど安くなった。

UVインクの導入により印刷後の乾燥時間が短縮され、自社営業車でのラッピングで少なく見積もっても12時間の短縮を確認した。バスラッピングでは約2日間の短縮が見込まれる。最終工程の負担が軽減され、初心者の施工技術習得が容易になった。UVインクは揮発性有機化合物を含まず臭いが少なく、作業環境と環境面にも優れる。インク代も従来より3割ほど安くなり、ランニングコストが減った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    以前からカーラッピング事業を先駆けて行い、ソルベントからUVインクへ移行する流れが記載されており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    印刷機の参入障壁低下で競合が増えた状況と、ワンストップ提供の強みが記載されており、競争優位性への言及はあるが定量的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥に約72時間を要する課題を認識し、UVインク導入で乾燥を大幅短縮する方針が示され、ワンストップ差別化への効果も記載されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    乾燥時間を12時間短縮でき、バスラッピングでは2日間ほど短縮の目処が付いたと具体的な数字が示されている。ただし賃上げや付加価値額の目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    施工管理マニュアルの作成や施工試験、プリンター操作を女性が担っている点は記載されているが、体制の人数や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ワンストップサービスや環境に優しいUVインクの特徴、今後の小型車両の受注増加見込みは書かれているが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    女性の雇用に向けて営業力強化やFC展開を目指す方針が示されているが、スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    カーラッピングは業界の先駆けだが、UVインク化は同分野で高水準の高付加価値化とまでは言えず、普及度の記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    女性の雇用創出や施工技術の習得環境構築が目標として示されているが、川上・川下への波及効果の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    インク代が従来より3割ほど安くなり、ランニングコスト減少につながったと記載されているが、費用対効果の定量的な算出はない。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクによる環境配慮や施工技術の簡素化は記載されているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性を活かした記述は乏しいが、女性の雇用創出や全国展開を目指す点から地域経済への関わりがわずかにうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

UVインクでの印刷への移行が進み受注も増えてきている。目標の女性の雇用創出はまだ実現していないが、小型車両の受注増加が見込まれ、営業力を強化して女性雇用と全国でのFC展開を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。