ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)岐阜県

木板彫刻看板等の繊細な彫刻加工と木肌を活かしたダイレクトな着色方法の開発

株式会社エスタディオ・プラッカ

成果不良率 20%→10%

この事例のポイント

  • 彫刻を施したオリジナル性の高い細密なデザインの看板・装飾物の製造は熟練工の手作業に頼る工程が多い。
  • 木板看板等の彫刻部分を手作業からNCルータシステム MGH1325ATC による機械加工に切り替えた。
  • 不良率 20%→10%。NCルータシステムの導入により、加工刃物の交換が不要となり、安全性と正確性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エスタディオ・プラッカ
所在地岐阜県 岐阜市
業種その他の事業サービス業
技術分野立体造形
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

昭和7年の創業以来、店舗の看板や広告、装飾物などの企画・設計から製作・施工までを手がけており、木板看板や立体文字・造形、エージング(特殊塗装)を得意としている。近年は店舗看板のインクジェットプリンター印刷によるパネル化が進み、平面的な看板が増えている。一方、外国人観光客の増加と2020年東京オリンピック開催を控え、各地で日本ならではのおもてなしを表現した商業施設や案内サインの整備が急がれており、岐阜県では古い町並みを残す観光地の風景に溶け込む看板への需要が今後高まると考えられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能彫刻を施したオリジナル性の高い細密なデザインの看板・装飾物の製造は熟練工の手作業に頼る工程が多い。
  • 品質・精度今後の顧客の希望に応えるには仕上がり精度の向上が必要だった。
  • 生産能力納期短縮も課題となっていた。

やったこと

木板看板等の彫刻部分を手作業からNCルータシステム MGH1325ATC による機械加工に切り替えた。図形データをもとに先端の加工刃物で木板を切断・彫刻でき、オートツールチェンジャー機能で刃物交換が不要になり、強力な吸着で材料を固定できるようになった。木材・人工合板・樹脂で試作を行い、木材は木目の方向や種類によって切断・彫刻後に毛羽立ちが生じ、堅い木では回転数により刃が破損する問題があったため、素材ごとにスピードや圧力などの数値をデータ化して効率的な方法を探った。UVインクジェットプリンター Versa UV LEF-300 を導入して木肌に直接絵柄を印刷し、印刷精度・色の表現力・ずれ・にじみを検品して製品チェックシートにまとめ不良率を割り出した。重ね塗りでは想定の発色に至るまでの回数を検証した。

加工機NCルータシステム MGH1325ATC
その他UVインクジェットプリンター Versa UV LEF-300

事業の効果

  • 不良率 20%→10%
  • 作業時間 100%→33.3%

NCルータシステムの導入により、加工刃物の交換が不要となり、安全性と正確性が向上した。彫り過ぎや加工間違いによる不良率は半減し、作業時間は従来の1/3まで短縮した。データ作成からサンプル完成までのスピードも上がり、完成データをもとにサイズ変更も容易になった。UVインクジェットプリンターによって素材の自然な質感や風合いを生かした、風景画のような綿密な色合いの表現が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の木板看板・彫刻の得意分野を活かし、NCルータとUVプリンターで機械化する経緯が書かれているが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    観光客増加や東京オリンピック、岐阜の古い町並みへの需要が述べられ外部環境は触れるが、競争優位の根拠となる数値的な分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    手作業への依存による仕上がり精度や納期の課題を挙げ、機械化で解決する方針が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間は従来の1/3、不良率は20%から10%に半減とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員6人規模で検品や試作を行った記述はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記載はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    旅館の室名札やディスプレイ用装飾など顧客像は示されるが、ニーズの裏付けや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    小ぶりなサイズから提案型営業ツールを開発し需要を見極めて大型機へ進むという段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木板への彫刻とUV直接印刷を組み合わせ、風景画のような綿密な色合いを表現できる点が差別化として書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    古い町並みの観光地や日本ならではのおもてなしという地域性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    不良率半減や作業時間1/3といった効果は示されるが、投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    NCルータとUVインクジェットによる機械化で、デジタルデータからの製作を進める点は読み取れるが、業界全体への波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県の観光地の町並みに溶け込む木板看板の需要に触れており、地域特性を活かす方向性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

まずは小型のUVインクジェットプリンターで旅館の室名札やディスプレイ用の装飾などのサンプルを製作し、提案型の営業ツールを開発している。需要の高まりを見極めながら、さらに大型の機械導入も検討している。今後はデザインや素材の選び方、加工方法を研究し、顧客ニーズに応える製品化やラインナップの多様化を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。