ものづくり補助金平成26年度製造業東京都

高精度な位置決めCADカット機導入による小ロットパッケージ生産の受注拡大計画

大瀧印刷紙器有限会社

成果サンプルパッケージの作製費用が従来比でおおよそ5分の1〜10分の1の低コストになった。

この事例のポイント

  • サンプルパッケージの作製には抜き型の製作が必要で、初期費用が1万円程度から時には数万円かかり、小ロットの注文に対応しにくかった。
  • 高精度CADカット機(Kongsberg i-XE10)と厚紙対応インクジェットプリンターを導入し、サンプルパッケージの作製に抜き型を使わず、本紙校正印刷を内製化した。
  • サンプルパッケージの作製費用が従来比でおおよそ5分の1〜10分の1の低コストになった。抜き型を使わずにサンプルを作れるため、作製費用が従来比で約5分の1〜10分の1に下がった。

事業者のプロフィール

事業者名大瀧印刷紙器有限会社
所在地東京都 足立区
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
従業員数11人
資本金2,300万円
設立1923年

事業の背景

もとは印刷会社や同業他社からの加工請負が売上の約70%を占めていたが、リーマンショックで景気が落ち込み、加工請負の仕事量が減って単価も下がった。営業体制を拡充してニーズ喚起に努めてきたが、新たなサービスの開発も視野に入れた変革が必要になっていた。贈答箱などのニーズは個性的でコンセプトを明確に伝えるものへ細分化しており、小ロット多品種への要望が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力サンプルパッケージの作製には抜き型の製作が必要で、初期費用が1万円程度から時には数万円かかり、小ロットの注文に対応しにくかった。
  • 新製品・新技術加工請負の仕事量と単価が景気悪化で落ち込み、新たなサービスの開発を含む事業の変革が必要になっていた。
  • コスト・採算従来は協力会社に依頼していた本紙校正印刷を内製化し、低コストかつ短納期で対応する必要があった。

やったこと

高精度CADカット機(Kongsberg i-XE10)と厚紙対応インクジェットプリンターを導入し、サンプルパッケージの作製に抜き型を使わず、本紙校正印刷を内製化した。CADカット機はカット位置マーカーをセンサーで読み取り、自動でカット位置を補正して高精度なカットを行う。包装設計専用CADソフトでは、データベース化されたパッケージの定型を呼び出して設計でき、細かい修正もスムーズに進む。これにより顧客ニーズに応じたデザイン性の高いデータを短期間で作製できるようになった。

加工機高精度CADカット機(Kongsberg i-XE10)
加工機厚紙対応インクジェットプリンター
ソフト包装設計専用CADソフトウェア

新しい製品・サービス:抜き型が不要な高精度位置決めCADカット機を用いた小ロットパッケージのサンプル製作サービス。

事業の効果

  • サンプルパッケージの作製費用が従来比でおおよそ5分の1〜10分の1の低コストになった。

抜き型を使わずにサンプルを作れるため、作製費用が従来比で約5分の1〜10分の1に下がった。印刷したサンプルを見ながら細部の調整ができるようになり、実際の受注も増えている。複雑な形状のサンプルも作れるようになり、新しい顧客開拓と既存顧客からの好評につながっている。小ロットのパッケージを使えば、顧客が商品の訴求力を実感でき、量産につながる可能性も生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    リーマンショック後に加工請負の仕事量と単価が落ちたことを背景に、新サービス開発の必要性を述べているが、既存事業との一貫した位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    贈答箱ニーズの細分化と小ロット多品種化を捉え、抜き型不要で初期費用を抑えられる点を強みとして打ち出しており、市場動向と自社強みの対応が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    加工請負の比率約70%と単価下落という課題を示し、抜き型不要の小ロット対応という高付加価値化につながる具体策を挙げている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来比おおよそ5分の1〜10分の1の低コスト化という数字はあるが、売上や付加価値額の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員11人の記載や『オリパケ事業部』による社内体制強化にわずかに触れるのみで、補助事業の遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロットパッケージの顧客ターゲットとして潜在顧客やイベント・展示会用途を挙げ、サンプルで商品訴求力が高まる点を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋3

    ホームページ刷新や小ロット受注の幅を今後広げる予定など今後の進め方は述べているが、スケジュールや解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    抜き型を使わない小ロットパッケージは従来の大量生産中心の市場と異なるニッチ市場として位置付けられ、新しい分野の開拓を目指すと書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    サンプル製作の内製化や小ロット市場の開拓がうかがえるが、波及効果や雇用創出といった国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    従来比5分の1〜10分の1の低コスト化と、印刷内製化による短納期化という費用対効果の具体的数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    高精度CADカット機と包装設計専用CADによるデータベース化で、デジタル技術を活用した新しい小ロット受注モデルを構築している。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    小ロット多品種の市場開拓という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する成長分野として明示はされていない。

  • 地域経済への波及3

    足立区で創業約90年の紙器加工を続けてきた地域の事業者であることは読み取れるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小ロットパッケージの受注を今後顧客ニーズを精査しながら広げ、ホームページのリニューアルや「オリパケ事業部」の設置で販促支援を強化する。主な市場は今後もB to Bが基本となる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。