ものづくり補助金平成25年度製造業和歌山県

小ロット、低価格かつ美粧なパッケージの提供と紙製家具製造への進出

寺本紙器株式会社

この事例のポイント

  • 美粧プリント(イラスト印刷・写真印刷)に対応できなかった。
  • UVインクジェット印刷機とカッティングマシンの2機を導入した。
  • 導入した機械により、既存の生産機で生じていた課題がすべて解消された。

事業者のプロフィール

事業者名寺本紙器株式会社
所在地和歌山県 橋本市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1943年

事業の背景

同社の顧客は、柿、ブドウ、キウイ、地酒などの地場産品の生産者が多い。生産者は化粧箱を一度に大量に作る傾向があり、長年同じデザインの箱を使わざるを得ない状況が見られた。幼児玩具販売会社や木製家具等販売会社からは紙製家具の開発要望が多数寄せられており、防災時の利用などの点からも有望な市場と考えられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度美粧プリント(イラスト印刷・写真印刷)に対応できなかった。
  • 生産能力多品種小ロットの注文に対応しきれなかった。
  • 生産能力曲線加工(Vカット・ミーリング)に対応できなかった。
  • コスト・採算コストダウンへの対応が課題だった。

やったこと

UVインクジェット印刷機とカッティングマシンの2機を導入した。導入したフラットベッド型UVインクジェット印刷機は、大判プリンタに求められるスピードと画質を高いレベルで両立でき、小ロット生産機として活用している。カッティングマシンは専用の高機能CADと組み合わせて使用し、簡単操作、時間短縮、型不要、正確な寸法合わせ、小口受注への迅速な対応を可能にした。これにより、一般段ボール、プラスチック製段ボール、三層段ボール、ハニカム段ボール、60mmまでの発泡剤などさまざまな素材を加工できるようになった。

加工機UVインクジェット印刷機(フラットベッド型)
加工機カッティングマシン
ソフト専用高機能CAD

新しい製品・サービス:紙製家具

事業の効果

導入した機械により、既存の生産機で生じていた課題がすべて解消された。他社と比べて提案力と商品力に優位性が出てきた。加工できる素材の範囲も広がった。紙製家具は新規事業として、今後の主要商品になることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    令和元年度わかやま地場産業ブランド力強化支援事業の採択や木製家具会社との試作品制作の経験を、紙製家具の新規事業へつなげる流れが示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    提案力・商品力で他社より優位になったと述べ、地場産品の生産者が顧客に多いという外部環境との関係も書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    既存生産機の課題として美粧プリント、多品種小ロット、曲線加工、コストダウンの4点を挙げ、すべて解消したと記載されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数19名と受注生産の体制は示されるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地場産品の化粧箱を小ロットで提供する点と、幼児玩具会社や木製家具会社、福祉施設への紙製家具の展開が顧客ターゲットとして示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として広報活動や商品企画力の強化が挙がるが、時期や遂行手順、課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    紙製家具を新規事業として着手する点は示されるが、市場の普及度や高水準の価格設定についての記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域産業への貢献をモットーに地場産品の生産者を支える点と、防災利用や福祉施設への導入検討が書かれている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェット印刷機と専用高機能CADを組み合わせたデジタル化は示されるが、サプライチェーン全体への波及は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    紙製家具という新市場への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及4

    地元橋本市や伊都郡、五條市を主戦場とし、地場産品と地域産業の振興に取り組む点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小ロット化粧ケースの長所を顧客に理解してもらうため、きめ細やかな広報活動を展開し、成功事例を積み重ねていく方針である。紙製家具については、木製家具等販売会社の協力で作った試作品の経験を生かして商品企画力と提案力を強化する。軽量で安全性が高い特長から、福祉施設等への導入も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。