ものづくり補助金平成26年度複合サービス事業東京都

夢の糖と高機能調理器による惣菜革新ビジネスモデル構築

全日食チェーン関東協同組合

成果組合員11店舗にスチコンを導入

この事例のポイント

  • 惣菜部門の収益を強化するため、組合員店舗での惣菜の生産効率を上げる必要があった。
  • 組合員11店舗にスチームコンベクションオーブン(スチコン)を導入し、惣菜の生産効率向上を図った。
  • 組合員11店舗にスチコンを導入。スチコンの導入で、予め設定して自動調理する機能により専任の担当者でなくても調理でき、生産効率が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名全日食チェーン関東協同組合
所在地東京都 足立区
業種協同組合
従業員数4人
資本金756万円

事業の背景

全日食チェーン関東協同組合の組合員は、大手スーパーやコンビニエンスストアとの競争が厳しく、品揃えでは大型店に劣る小規模な独立系小売店である。単身世帯や調理時間の取れない家庭の増加で惣菜へのニーズは高まっており、惣菜は他の商品より粗利率が高いため、惣菜を基盤とするビジネスモデルへの転換が生き残りの道と判断された。組合は全国13地区の協同組合の中で最多の378組合員が加入している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力惣菜部門の収益を強化するため、組合員店舗での惣菜の生産効率を上げる必要があった。
  • 品質・精度惣菜の商品力を高め、ブランド力を向上させる必要があった。
  • 人手・技能惣菜の調理は担当者によって味や仕上がりが変わりやすく、一定の品質を保つ仕組みが求められていた。

やったこと

組合員11店舗にスチームコンベクションオーブン(スチコン)を導入し、惣菜の生産効率向上を図った。スチコンは水蒸気と熱風を調節して焼く・蒸す・煮る・炊く・炒めるができ、ホテルパンを複数枚収納して同時に加熱できるため大量の惣菜を一度に調理できる。トレハロースを惣菜に加え、「かつ煮」を統一メニューとして、加えたものと加えないものを比較した。さらに、ひき肉に一定量のキノコを混ぜた「マッシュバーグ」を企画し、日本の実情に合わせてエリンギを使って試作し、各店舗で試験販売した。

加工機スチームコンベクションオーブン(スチコン)

新しい製品・サービス:トレハロースを活用した高付加価値惣菜「マッシュバーグ」(ひき肉にエリンギを混ぜたハンバーグ風惣菜)

事業の効果

  • 組合員11店舗にスチコンを導入
  • 一度に焼ける匹数(うなぎ・魚) 2匹→10匹

スチコンの導入で、予め設定して自動調理する機能により専任の担当者でなくても調理でき、生産効率が大きく向上した。熱損失が少なくエネルギー効率も高いため光熱費の削減と労務費の削減が期待できる。トレハロースを使った煮かつはしっとりし余分な油が落ち、魚の臭みもとれるなど一定の効果が確認でき、実際に使用している店舗もある。一方で、トレハロースは一般消費者に知られておらず、合成添加物と捉えられかねないため訴求が難しい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に惣菜部門で強みを持ち、惣菜を基盤とする転換を掲げているが、経営戦略上の位置付けは文章で具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手との競争で弱小プレイヤーと位置付け、惣菜の粗利率の高さに言及しているが、自社の経営資源の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    品揃えの弱さや惣菜の粗利率の高さを課題として挙げ、スチコン導入と惣菜強化で収益向上を図る方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率向上や光熱費削減、労務費削減の期待は書かれているが、数値的な目標や付加価値・賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    本部が主導し11店舗が参加する体制や、マニュアル化で担当者を選ばず調理できる点は読み取れるが、事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    トレハロースの効果やマッシュバーグの試験販売は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    マッシュバーグの改良やPOSデータ活用、今後の効率化模索など中長期の取組は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    トレハロースは一般に知られていないと明記され、新たな高付加価値メニュー開発に取り組んでいる点がうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    少子高齢化や単身世帯の増加による惣菜ニーズの高まりに触れているが、雇用創出や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果2

    11店舗導入やロス減少の記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    POSデータ活用やスチコン・マニュアル化による効率化の記述はあるが、先端デジタル技術の活用は限定的である。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地域に根ざした小規模店が地域になくてはならない存在と書かれているが、地域特性を活かした付加価値創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各店舗の既存メニューを踏まえ、本部がテーマを絞って高付加価値メニューの開発を続ける。スチコンの有効な活用法も開発し、惣菜製造のさらなる効率化を目指す。POSデータを各店舗の実情に合わせて活用し、消費者が求める惣菜を突き詰めて効果的にマーケティングに生かす計画である。成果は参画事業者だけでなく全日食チェーン全体へ普及させる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。