ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

新しい焙煎全粒粉商品および焙煎装置の開発

星野物産株式会社

成果焙煎と冷却にかかるリードタイムは90%ほど削減

この事例のポイント

  • 焙煎ブランは微粉化により製パン性や食味は改善できたが、外皮特有の香りや焙煎時の焼き色に課題が残り、多種多様な商品に採用されにくかった。
  • 従来の直火焙煎と遠赤外線による焙煎の両機能を持つ新たな焙煎装置を開発した。
  • 焙煎と冷却にかかるリードタイムは90%ほど削減。新焙煎装置により、焙煎小麦全粒粉と焙煎玄米こめ粉の焙煎と冷却にかかるリードタイムを約90%削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名星野物産株式会社
所在地群馬県 みどり市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数150人
資本金9,800万円
設立1902年

事業の背景

当社は大間々町で1902年創業の食料品製造業者で、国内産・地場産の小麦を原料とした小麦粉や微粉化技術・採り分け技術により個性的な小麦粉を市場に投入し、一定の評価を受けてきた。ミネラルや食物繊維を多く含む小麦の外皮(ブラン)を焙煎・微粉化した「焙煎小麦ブラン」は、大手製パンメーカーにも副原料として採用された。一方、日本人の好む白いパンに混ぜるには焦げ色や香りの改善、焙煎時間の短縮によるコスト改善が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度焙煎ブランは微粉化により製パン性や食味は改善できたが、外皮特有の香りや焙煎時の焼き色に課題が残り、多種多様な商品に採用されにくかった。
  • コスト・採算焙煎による焦げ色や香りの改善、焙煎時間の短縮によるコスト改善が求められていた。
  • 生産能力大手製粉会社と同じ製品づくりでは価格競争に負けてしまうため、個性的な製品が必要だった。

やったこと

従来の直火焙煎と遠赤外線による焙煎の両機能を持つ新たな焙煎装置を開発した。工作機メーカーに依頼してテスト機を作成し、焙煎テストを繰り返して装置の詳細な仕様を決定した。完成した新焙煎装置で、遠赤外線バーナーと直火バーナーの出力と温度の関係、ドラム回転数による焼き色の変化や膨化の発生条件などを確認し、焙煎玄米こめ粉と焙煎小麦全粒粉の製造条件を設定した。焙煎小麦全粒粉はパンに10%ほど添加する副原料のため、実際にパンを試作して評価した。試作は小麦粉100%、小麦粉90%+焙煎小麦ブラン10%、小麦粉90%+焙煎小麦全粒粉10%の3パターンで行った。

加工機新焙煎装置(遠赤外線バーナーと直火バーナーを備えた焙煎装置)

新しい製品・サービス:焙煎小麦全粒粉と焙煎玄米こめ粉

事業の効果

  • 焙煎と冷却にかかるリードタイムは90%ほど削減

新焙煎装置により、焙煎小麦全粒粉と焙煎玄米こめ粉の焙煎と冷却にかかるリードタイムを約90%削減できた。焙煎小麦全粒粉は焙煎小麦ブランほど栄養価は高くないが、製パン性は小麦粉100%とほぼ同等で、香ばしい甘い風味や自然な焙煎の香りが得られ、ソフトな焼き上がりで食味が高い。今後はパン・麺・菓子メーカーに副材料として混合する工程を当社で行い、流通パン・菓子市場へ営業展開する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に焙煎ブランを微粉化し製パン性を改善した取組と、それを発展させた焙煎全粒粉の開発という一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手製粉との価格競争を避け、個性的な小麦粉で評価を得てきたという強み認識は読めるが、市場データや定量的な比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    焙煎時間の短縮と焙煎の焦げ色・香りの課題を挙げ、リードタイム90%削減という数字で生産性向上につなげている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    焙煎と冷却のリードタイムを90%ほど削減したという具体的な数値目標の達成が示されている。付加価値・賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    パン・菓子の主原料に10%添加する副材料として、栄養価や香ばしい風味を3パターンの試作で評価し、ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    流通パン・菓子市場への営業展開や群馬県の研究機関との共同研究など方向性は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    外皮の焙煎ブランを微粉化して焙煎小麦全粒粉を開発し、栄養成分の比較や風味改善で同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    ミネラルや食物繊維を多く含む外皮の活用と消費者の健康志向への対応がうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    リードタイム90%削減という効果はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    焙煎の制御技術の高度化と群馬県立産業技術センターとの共同研究に触れているが、サプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    国内産・地場産の小麦や群馬県の機関との連携がうかがえるが、地域雇用や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

パン・麺・菓子の主原料に焙煎商品を混合する工程を当社で行い、顧客の工数削減にも貢献して拡販に取り組む。群馬県立群馬産業技術センターと共同で焙煎小麦の機能性(ポリフェノール増など)を研究し、アピール・ポイントの一つとしたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。