ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

微細機能部品分野への参入を加速させる微細電極切削加工技術の開発

株式会社 新潟プレシジョン

成果電極の直径 0.1mm→0.04mm

この事例のポイント

  • 現有設備では微細ノズルの開発依頼に対応できず、超小型チップ部品向けの微細吸着ノズルを製作できなかった。
  • 微細放電加工電極の超微細切削加工技術を確立することを目的に事業に取り組んだ。
  • 電極の直径 0.1mm→0.04mm。微細放電加工に用いる微細高アスペクト比電極の切削加工技術の開発・習得に成功し、0201サイズのチップ部品吸着用の微細ノ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 新潟プレシジョン
所在地新潟県 魚沼市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数38人
資本金1,000万円
設立1996年

事業の背景

情報端末を体に着用するウェアラブル端末が注目を集め、それを構成する部品にはさらなる小型・軽量化が求められている。超小型チップ部品の普及は2020年頃とみられているが、実装機械の目途が立っていない。開発が遅れる一因はチップ部品吸着用の微細ノズルを製作することの難しさにあり、当社にも開発依頼があるものの現有設備では対応できない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現有設備では微細ノズルの開発依頼に対応できず、超小型チップ部品向けの微細吸着ノズルを製作できなかった。
  • 生産能力微細放電加工に用いる電極の切削加工技術がなく、微細高アスペクト比の電極を作ることができなかった。
  • 納期・工程ニッケル電鋳加工工程は100%外注に依存しており、リードタイムが30日かかっていた。
  • コスト・採算ニッケル電鋳ノズルの製造コストは約10万円と高かった。

やったこと

微細放電加工電極の超微細切削加工技術を確立することを目的に事業に取り組んだ。目標は直径φ0.05mm以下、長さ/太さの比(アスペクト比)8程度の微細な細穴を高精度かつ長寿命に加工することで、スマートフォン用小型チップ部品の吸着ノズルや微細部品金型に対応することである。この技術を達成するために精密微細加工機を導入し、小型部品向けの微細ノズルを完成させた。

加工機精密微細加工機

新しい製品・サービス:スマートフォン用小型チップ部品(0201タイプ)に対応する微細チップ部品用吸着ノズル

事業の効果

  • 電極の直径 0.1mm→0.04mm
  • 電極の長さ 0.8mm→2mm
  • 部品の硬度 180Hv→400Hv
  • 加工工程のリードタイム 30日→15日
  • ノズルの製造コスト 10万円→7万円

微細放電加工に用いる微細高アスペクト比電極の切削加工技術の開発・習得に成功し、0201サイズのチップ部品吸着用の微細ノズルを開発できた。微細化と高精度化に加え、硬度と剛性が向上したことで部品寿命も2倍超に伸びた。ニッケル電鋳加工工程を自社で内製化したことで全工程の管理が可能になり、品質の安定化とリードタイムの半減につながった。製造コストも試作段階で30%削減でき、量産化により従来比50%のコスト削減が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    精密部品の一貫製作が得意分野と記載があり、微細ノズル開発が既存事業の延長にあることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ウェアラブル需要や0201タイプ対応という市場動向は書かれるが、自社の強み・弱みとの関係の分析は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    現有設備では微細ノズルに対応できないという課題を示し、電極切削技術の確立と精密微細加工機導入で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来比60%の極小化、硬度約2.2倍、寿命2倍超、リードタイム30日から15日、コスト30%削減など数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数38人は示されるが、補助事業の遂行体制や担当者の人材、事務処理能力については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スマートフォン用0201タイプ部品、ウェアラブル端末の小型化需要とターゲットが明確で、微細ノズルの販売先も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産化による5万円への引き下げ見込みや実装機受託の可能性は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の詳細な方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    0201サイズ対応の微細ノズルは高水準の高付加価値化を示し、微細部品分野への参入を目的とする点が数値つきで読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    ウェアラブル端末や超小型チップ部品の普及遅れという産業上の課題が書かれるが、雇用創出や波及効果の記載はない。

  • 費用対効果3

    外注を内製化し、コストを50%削減、リードタイムを半減した効果は示されるが、補助金額に対する費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献3

    微細放電加工技術の確立で電鋳工程を内製化した点は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明記されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    超小型チップ部品という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとの記載はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

微細チップ部品用吸着ノズルを微細チップ部品実装機械に組み込んで販売する予定である。現在は簡易装置に組み込み、展示会等でPRしている段階である。吸着ノズルに加えて、当社が得意とする実装機械の一部を受託する可能性が高く、吸着ジグを足掛かりにビジネスを拡大することを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。