ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

職人技のマシニングセンタへの品質保持置換と生産性向上の確立

株式会社 諏訪田製作所

成果組合せ前の加工の工程数 5工程→1工程

この事例のポイント

  • つめ切りの部品加工は工程数が多く精度不良もあって増産が困難で、欠品状態が続いている。
  • つめ切りの組合せ前の加工は、合わせ面切削加工、リベット穴あけ、リベット用穴加工、合わせ面座金形状加工、バネ取り付け穴あけの5工程をすべて別工程で行っていた。
  • 組合せ前の加工の工程数 5工程→1工程。組合せ前の加工の5工程を1工程にまとめ、工程数を80%削減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 諏訪田製作所
所在地新潟県 三条市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社はニッパー式つめ切りで国内高級つめ切り市場におけるシェアの獲得に成功しており、今後は世界ブランドとして海外展開を考えている。しかし、職人技術を用いた手作りのため製品の完成までに時間がかかりすぎている。精密加工と多工程統一化により生産数を大幅に拡大し、世界に向けて高付加価値の製品を多くのユーザーに提供する必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力つめ切りの部品加工は工程数が多く精度不良もあって増産が困難で、欠品状態が続いている。
  • 人手・技能昔からの職人技術による手作りのため製品完成までに時間がかかり、根本的な人手不足もあって海外ユーザーの声に応えられない。
  • 新製品・新技術新製品のリリースで他社に大幅な遅れをとっている。

やったこと

つめ切りの組合せ前の加工は、合わせ面切削加工、リベット穴あけ、リベット用穴加工、合わせ面座金形状加工、バネ取り付け穴あけの5工程をすべて別工程で行っていた。これら5工程を1つにまとめられるDMG森精機の立型マシニングセンタNVX5100/40を導入し、精度不良の修正加工時間の短縮の面から生産性向上を追求した。これにより余剰人員を新製品の開発と職人技の継承に充てることをねらった。

加工機DMG森精機 立型マシニングセンタNVX5100/40

事業の効果

  • 組合せ前の加工の工程数 5工程→1工程
  • 1時間当たりの生産本数 52本→114本
  • 加工時間 24.29時間→11.16時間
  • 必要要員数 3.78名→1.74名
  • 組合せ前の加工1本当たりの製造コスト 194.7円→164.2円
  • 穴あけ加工の平面垂直度精度 0.2mm→0.05mm
  • 合わせ面切削加工の平面加工精度 0.5mm→0.05mm
  • 組合せ前の加工の不良率 20丁→3丁

組合せ前の加工の5工程を1工程にまとめ、工程数を80%削減した。1時間当たりの生産性は2.2倍になり、加工時間は54%短縮した。必要要員は54%減り、製造コストは加工1本当たり15.6%下がった。加工精度も大きく改善し、不良率は85%減った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    国内高級つめ切り市場でシェアを得た実績と海外展開方針が書かれ、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示が少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内シェア獲得と海外ユーザーの声に応えられない状況、他社に遅れた新製品リリースが具体的に書かれ、強みと弱みが整理されている。

  • 課題の認識と解決5

    加工工程5つを1つに統合し、工程短縮80%、生産性2.2倍、加工時間54.05%短縮など数値で課題と効果が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間や製造コストの削減率が数値で示されるが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    人手不足の状況は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高級つめ切りの海外ユーザーのニーズや世界ブランド化の方針は書かれるが、顧客ターゲットの詳細な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入と効果は記載があるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールについては具体的な記述がうかがえない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手作りの職人技を機械化しつつ高付加価値の高級つめ切りで、同分野の高水準の高価格化を図る方向性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外展開による販路拡大は書かれるが、川上川下への波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果4

    設備投資により製造コストが1本あたり15.6%削減、不良率85%削減など、費用対効果を示す数値が書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    最新マシンと伝統技術の融合は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによるサプライチェーン貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    新潟県三条市の地域企業であることは示されるが、地域の特性を活かした経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内の販売で手一杯の状態を早く解決し、日本市場が飽和する前に世界へ展開できる準備を整え、海外の顧客にも認められる存在感を示していきたいとしている。最新マシンと伝統技術の融合が高級つめ切り市場の地位確立に欠かせないと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。