ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

デジタル制御の溶接機の導入による作業性と製品価値の向上

株式会社共伸技研

成果工程管理表作成の担当者数 3名→1名

この事例のポイント

  • 多品種少量のブラシ生産で、完成が遅れる案件が1日当たり4、5件発生していた。
  • 3S活動を発展させた生産革新活動をベースに、自社オリジナルの工程見える化システムを構築した。
  • 工程管理表作成の担当者数 3名→1名。工程見える化システムの運用によって、以前は残業が必要だった仕事量も定時の作業だけでこなせるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社共伸技研
所在地大阪府 門真市
業種その他の製造業
技術分野接合・実装
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

1982年に大阪府門真市で創業し、工業用ブラシ一筋で歩んできた。主力はコの字型の金属帯材に毛材を挟んでかしめる「チャンネル式」ブラシで、ふさぐ・きれいにする・削る磨くなどの用途に応える。多品種少量のため顧客数は3,000社を超え、ブラシのアイテムは年9,000以上にも及ぶ。2008年に2代目社長が就任後、インターネット販売の拡大にも取り組んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量のブラシ生産で、完成が遅れる案件が1日当たり4、5件発生していた。
  • 人手・技能工程管理表の作成には各工程の責任者3名が朝と昼に話し合って決める必要があった。
  • 品質・精度従来の半自動溶接機は電流値などの設定がアナログ式で、同じ設定を再現することが困難だった。
  • 人手・技能母材に付着するスパッタ(粒)の除去に人手を要し、ブラシ部分にスパッタが付くと不良品になっていた。
  • 生産能力残業が必要になるほど仕事量が多く、ボトルネックとなる工程のスムーズな進行が課題だった。

やったこと

3S活動を発展させた生産革新活動をベースに、自社オリジナルの工程見える化システムを構築した。生産リードタイムを3分割し、かかる優先順位を赤、黄、青の3色で表示して全員が把握しやすくした。デジタル溶接機を5台導入し、ブラシのプレート部分の溶接作業性と製品品質の向上を目指した。デジタル溶接機は設定が自動で行われるため、熟練者でなくても誰でも簡単に使えるようになった。

ソフト工程見える化システム
加工機デジタル溶接機(5台)

事業の効果

  • 工程管理表作成の担当者数 3名→1名

工程見える化システムの運用によって、以前は残業が必要だった仕事量も定時の作業だけでこなせるようになった。完成が遅れる案件も、1日4、5件発生していたものが月に数件程度に減少した。デジタル溶接機の導入で製品の美観が向上し、スパッタ除去作業が激減して、以前3名が数日かかっていた作業がわずか1、2時間で終わるようになった。溶接機は熟練者でなくても設定が自動でできるため、誰でも簡単に扱えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来のブラシ一筋の事業を基に、生産革新活動を発展させて自社独自の生産管理システムを構築したと書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種少量の強みを示し、9,000種のブラシ、顧客3,000社超、短納期・小ロット対応を挙げて自社の強みと市場での位置づけを述べている。

  • 課題の認識と解決4

    現在の課題は受注を増やすことと明言し、営業人員増や新規顧客開拓、自社商品開発など、課題に対応する取組を具体的に述べている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    社員と決めた目標はボーナスを2倍にすることと示されているが、付加価値額や生産性の数値目標は書かれておらず、具体性が薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員17名で、各工程の責任者が話し合っていた作業を責任者1名がシステムで作成できるようになったと書かれており、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    チャンネル式ブラシの特徴や、一品から製造する対応力、短納期・小ロットなど、選ばれる理由が事例の中で具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ヒット商品で生産能力が足りなくなった場合にブラシ植毛工程の改善に乗り出す考えが示されているが、スケジュールや方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    チャンネル式ブラシは植え込み式より植毛密度が濃いと特徴を示し、一品から製造する高付加価値の対応が書かれているが、市場水準の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する積極的な理由として、雇用創出や経済波及効果を示す記述は見当たらず、わずかに中小企業の手本になりたいという思いがうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    溶接作業が以前の数日から1〜2時間に短縮され、残業が不要になり、完成遅れも1日4、5件から月数件に減ったと具体的な成果が書かれている。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル溶接機と工程見える化システムという先端的な設備の導入が書かれているが、サプライチェーン全体への波及や新ビジネスモデルは述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    工業用ブラシの製造販売と生産能力の拡大は読み取れるが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    大阪府門真市での創業と本社工場の所在は書かれているが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産現場に生じた余力を生かして生産を拡大するため、営業人員を増やし新規顧客の開拓に全力を挙げている。受注だけでなく、自ら顧客に発信できる自社商品の開発にも乗り出そうとしている。ヒット商品で再び生産能力が不足すれば、ブラシ植毛工程の改善に取り組む考えだ。

事業者の声

現在の課題は受注を増やすこと

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。