ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

地元新潟産小麦を原料とし、消費者が原料生産者を知ることが出来る醤油の開発

合資会社小林醤油店

この事例のポイント

  • 新潟県は気候が小麦栽培に向かないとされ、新潟産の小麦・大豆から作った醤油は市場に存在しなかった。
  • 新潟県産小麦を使用した醤油を開発し、商品パッケージに原料の生産者情報をラベル表示する取組みを行った。
  • 単一の生産者から小麦と大豆を調達できたため、醤油の原料を誰が作ったかを消費者に明確に伝えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名合資会社小林醤油店
所在地新潟県 村上市
業種食料品製造業
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1971年

事業の背景

当社の初代は昭和10年に荒川町(現・村上市)で味噌・醤油の醸造を始め、以来地域に根を下ろして醤油や味噌を販売してきた。2011年に小林徹平氏がUターン入社して以降、鮭節を使った醤油『鮭むらさき』、めんつゆ『鮭つゆ』、和風タバスコ『醸すこ』などを相次いで投入し、2011年時点では調味料が味噌と醤油しかなかった商品ラインアップを大幅に拡充した。一方で主要販売エリアの村上市は人口が減少しており、市外での販路開拓が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術新潟県は気候が小麦栽培に向かないとされ、新潟産の小麦・大豆から作った醤油は市場に存在しなかった。
  • その他消費者の原材料への関心が高まり、原料がどこの誰によって作られたかまで求められるようになっていた。

やったこと

新潟県産小麦を使用した醤油を開発し、商品パッケージに原料の生産者情報をラベル表示する取組みを行った。小麦の焙煎により、デンプンをα化させて醤油の仕込みに適した性質に変える麦煎機を導入した。醤油のボトルに原料生産者情報をきれいに貼るためのラベラーも導入した。小麦・丸大豆はともに村上市の単一の生産者から直接調達し、導入機械を使って醤油の試作仕込みを行った。試作仕込みは大きな問題なく終了し、醤油仕込み用として最適な麹を作れることを確認した。

加工機麦煎機
加工機ラベラー

新しい製品・サービス:新潟県産小麦を使用した醤油

事業の効果

単一の生産者から小麦と大豆を調達できたため、醤油の原料を誰が作ったかを消費者に明確に伝えられるようになった。ラベルに原料生産者を表示することで、安心・安全をPRできる醤油を生産する体制が整った。現在市場にない「新潟県産小麦を使用した醤油」が確立され、他社との差別化が図られた。村上市地産地消推進協議会を通じて、これまでにない調味料の分野での地産地消をPRすることで、さらなる販路の拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    初代からの醤油醸造の歴史と、Uターン後の新商品開発の流れが書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県産小麦醤油は県内2社のみと書かれ、単一生産者から原料調達できる小規模仕込みの強みが示されている。

  • 課題の認識と解決3

    人口減少による地元市場の縮小を課題に挙げ、市外販路開拓と展示会出展計画が書かれているが、数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人の小規模体制と試作仕込みの完了は書かれるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    市場にない新潟県産小麦100%醤油で、原料生産者を消費者に示せる安心・安全訴求が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    販路拡充に向け毎年11月のフードメッセ等への出展計画がうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    現在市場に存在しない新潟県産小麦使用醤油で、県内では2社のみという希少性が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    地産地消推進協議会を通じた地元農家・飲食店との連携や、地域食文化の継承という波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ラベラーで原料生産者情報を表示する取組が書かれるが、先端デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    村上市の地域資源である県産小麦と地元農家との連携による地域特性を活かした商品開発が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

市外の販路開拓に注力し、毎年11月開催のフードメッセinにいがたや首都圏で開催される展示会などに出展していく計画である。

事業者の声

新商品の開発はひと段落で、次のテーマは販路の拡充

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。