ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

超高圧によりたんぱく質、リン、カリウムを低減した機能性だしわりしょうゆの開発

新潟県醤油協業組合

成果廃棄数 250個→20個

この事例のポイント

  • 糖尿病腎症向けの低塩だしわりしょうゆについて、栄養成分(たんぱく質、リン、カリウム)をさらに低減する必要があった。
  • 超高圧装置(高圧処理装置 L2-200/5A)を導入し、昆布等からのだしの抽出時に超高圧技術でうま味成分を増加させ、だしの添加量を30%減らして、たんぱく質、リン、カリウムを低減…
  • 廃棄数 250個→20個。超高圧技術でうま味成分を増やしたことで、だしの添加量を減らしても現行品と変わらない美味しさを保ち、たんぱく質、リン、カ…

事業者のプロフィール

事業者名新潟県醤油協業組合
所在地新潟県 長岡市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数42人
資本金2.22億円
設立1972年

事業の背景

弊社は昭和47年に県内の老舗醤油・味噌メーカーが出資して共同工場として創業した。当初は醤油製造のみを行っていたが、核家族化、女性の社会進出、個食化などの食生活の変化により醤油製造量が減少する一方、たれ、つゆ、ドレッシングなどの加工品の販売が増加している。地元調理専門学校の先生から糖尿病腎症向け低塩だしわりしょうゆの提案があり、現在一部を販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度糖尿病腎症向けの低塩だしわりしょうゆについて、栄養成分(たんぱく質、リン、カリウム)をさらに低減する必要があった。
  • 新製品・新技術高齢者にとって小袋の開封口が見えづらく、開けにくく、注ぎにくいという容器形態の問題が以前から指摘されており、改善が求められていた。
  • 販路・情報発信国内の少子高齢化により市場が縮小するため、海外販売を積極的に展開する必要があった。

やったこと

超高圧装置(高圧処理装置 L2-200/5A)を導入し、昆布等からのだしの抽出時に超高圧技術でうま味成分を増加させ、だしの添加量を30%減らして、たんぱく質、リン、カリウムを低減しただしわりしょうゆを開発した。既存の小袋充填機(大成ラミック(株)製 DANGANⅢ)を液体・粘体高速自動充填機としてアンプルカット仕様に改造し、開封しやすく飛び散らず注ぎやすい機能性小袋開封口商品を開発した。振分け装置にウエイトチェッカー(オートチェッカー、コンベア式)を導入し、充填量の均一化を図った。

加工機高圧処理装置 L2-200/5A
加工機液体・粘体高速自動充填機(小袋充填装置 DANGANⅢ、大成ラミック(株)製)
検査測定ウエイトチェッカー(オートチェッカー、コンベア式)

新しい製品・サービス:腎疾患、糖尿病などで成分調整が必要な人向けの、低リン・低カリウム・低たんぱく・低塩のだしわりしょうゆ(機能性小袋開封口商品)

事業の効果

  • 廃棄数 250個→20個

超高圧技術でうま味成分を増やしたことで、だしの添加量を減らしても現行品と変わらない美味しさを保ち、たんぱく質、リン、カリウムの低減を実現した。小袋の開封口はアンプルカット仕様により開封しやすく、飛び散りにくく、注ぎやすくなった。充填量をタイムリーに管理できるようになり、廃棄が減少し、10分に1回行っていた重量検査も無くすことができた。他社製品より塩分、たんぱく質、リン、カリウムが低く、競争力が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    醤油製造減少に対しつゆ・たれ等の加工品が増えている流れを踏まえ、糖尿病腎症向け低塩だしわりしょうゆの既存販売を次の低減化につなげており一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    少子高齢化で縮小する市場を前提に海外販売を積極展開するとし、他社製品より塩分・たんぱく質・リン・カリウムが最も低い点を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    高齢者向け小袋の開封しづらさという指摘された課題を認識し、アンプルカット改造で飛び散らず注ぎやすい開封口の開発に成功したと結果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    だしの添加量を30%減らしても現行品と変わらない美味しさを保ったとし、栄養成分も当初予定にほぼ近いと記載している。ただし付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    事業の遂行体制として人材や事務処理能力に関する記載は見当たらず、従業員数42人という情報のみでうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    糖尿病腎症や高齢者向けに栄養制限が必要な人を顧客ターゲットとし、他社より低い栄養数値と開封しやすさを選ばれる理由として整理している。

  • 事業化までの道筋4

    高圧処理装置や小袋充填機の改造、オートチェッカー導入を実施内容として段階的に示し、今後は装置増設による拡販計画も記載している。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    低塩だしわりしょうゆの中でも、低リン・低カリウム・低たんぱくの栄養調整品として他社より低い数値を実現し、高水準の差別化を図っている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    少子高齢化で縮小する国内市場に対し海外展開を図る点や、新潟ブランドとして県産品と共に輸出する方針を示し、地域波及の意図が読み取れる。

  • 費用対効果4

    オートチェッカー導入で48,000個生産中平均250個だった廃棄が平均20個に減り、10分に1回の重量検査も廃止したと数字で効果を示している。

  • イノベーションへの貢献2

    超高圧技術の利用はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの構築による地域・サプライチェーンへの貢献は記載が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    少子高齢化で縮小する市場から海外販売へ広げる方向性はうかがえるが、成長分野への進出による構造転換に資する旨の記載は薄い。

  • 地域経済への波及3

    新潟県醤油協業組合として県内の醤油メーカーが出資した経緯や県産米・日本酒との海外展開に触れ、地域の特性を活かす意図が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

弊社製品は他社より塩分、たんぱく質、リン、カリウムが最も低く抑えられているため販売促進が期待でき、機能性小袋開封口商品とともに販売戦略の柱として営業展開し販売増加を見込む。将来は超高圧装置とアンプルカット仕様の小袋充填機を増設して拡販につなげる計画である。海外では現在ペットボトル製品と小袋製品を輸出しており、新潟ブランドとして日本酒、県産米とともに低塩だしわりしょうゆを海外で販売する予定である。

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。