ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

土壌の放射性付着物に対する高圧洗浄装置に係る噴射ノズル部開発の実現

株式会社ヤハタセイコー

この事例のポイント

  • 汚染土壌を洗浄するノズルは櫛歯形状とし、細く深い溝を精度よく加工する技術が必要だったが、その加工技術が未構築だった。
  • ワイヤ放電加工機を導入し、細く深い溝を精度よく加工する技術を構築した。
  • ワイヤ放電加工機の導入により自動結線の革新、加工精度の向上、生産性向上、操作・作業性の向上、省エネ・低ランニングコストを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤハタセイコー
所在地富山県 下新川郡入善町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1992年

事業の背景

当社は自動車関連部品、太陽光発電関連部品、食品加工機関係部品、工作機械関連部品、専用機械及び産業機械部品を製造し、製缶からボーリング、フライス、研削加工までの一貫加工を行っている。平成25年、取引先の大手機械メーカーが開発した原子力発電の建屋外から遠隔操作で建屋内の放射性付着物を洗浄する高圧水遠隔除染装置のノズル部分の開発を任された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術汚染土壌を洗浄するノズルは櫛歯形状とし、細く深い溝を精度よく加工する技術が必要だったが、その加工技術が未構築だった。
  • 品質・精度高精度複雑形状の部品開発に必要な加工精度を実現する設備と技術が不足していた。

やったこと

ワイヤ放電加工機を導入し、細く深い溝を精度よく加工する技術を構築した。ワイヤ放電加工機は加工できる高さが通常より高いハイコラム仕様を備えた当社独自のものである。この加工技術により櫛歯形状のノズルを開発し、噴射する水を広くまんべんなく拡散できる穴の大きさと適切な角度も実現した。現在は櫛歯形状ノズルの動作テストと精度テストを繰り返し一定の成果を見極めている段階である。

加工機ワイヤ放電加工機

新しい製品・サービス:土壌の放射性付着物を高水圧で除染する装置の櫛歯形状ノズル

事業の効果

ワイヤ放電加工機の導入により自動結線の革新、加工精度の向上、生産性向上、操作・作業性の向上、省エネ・低ランニングコストを実現した。櫛歯形状ノズルといった高精度複雑形状の部品開発の技術の実現にも大きく貢献した。検索機能の向上、工程の調整、再利用、高速加工による生産性の向上、加工精度の大幅な向上、追加工など操作・作業が容易になるという成果を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成4年創業で製缶から研削まで一貫加工を行い、治具や部品製造を継続してきたことが書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先から「東のヤハタ」と呼ばれ、10ミクロンの高精度加工が取引先から評価されていると書かれ、強みは読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    放射能汚染処理向けノズル開発や原子力産業分野への需要開拓を目指すと書かれ、課題と方向性は示されるが数値計画は乏しい。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、加工精度の向上など定性的な効果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    熟練工を中心に工程を一貫して行う体制、迅速な設計変更対応などが書かれ、人材面の体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    治具プレートの10ミクロン加工や短納期対応など選ばれる理由は書かれるが、ターゲットの定量的な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ノズルは動作・精度テストを繰り返し、試作には時間を要すると書かれ、段階的な遂行方法の概要は読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    櫛歯形状ノズルの開発や高精度複雑形状部品への取組が書かれ、高付加価値化を図る方向はうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    原子力発電の除染装置の開発や放射能汚染処理への貢献が書かれ、社会的な必要性はうかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の具体的数値は示されず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤ放電加工機の自動結線などは書かれるが、デジタル技術の活用による地域やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    原子力産業分野への新たな需要開拓の方向性がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    入善町での創業と地域の商工会表彰が書かれ、地域に根ざした事業であることは読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

資源の乏しい我が国で製造業は基幹産業であり、機械用部品は工作機械に欠かせない。熟練技術と製品の精度を活かし、車や半導体、弱電関係の部品を量産に必要とされる精度の高い治具プレートの製造に注力する。放射能汚染の処理に有効なノズルの開発により、原子力産業分野での新たな需要の開拓も目指す。

  • 目標:治具プレートを10ミクロンという高い精度で加工することが可能になった。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。