ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

ダム・発電所における電気ケーブル可視化・最適化システムの開発と導入

株式会社でんそく

この事例のポイント

  • 配線ケーブルの全体像が把握しにくく、ルート探索や工事ルートの検索に時間がかかっていた。
  • 平成26年度の補助金事業を活用し、業界初となるダム・発電所内ケーブルの最適ルート検索システムを開発した。
  • ルート探索作業が不要になり、工事ルートの検索を瞬時に行えるようになったため、作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社でんそく
所在地富山県 富山市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数182人
資本金2,000万円
設立1966年

事業の背景

当社は昭和41年に電力量計の検定代弁と電気設備工事で創業し、その後配電盤事業やソリューション事業などを展開してきた。約10年前に岐阜県内のダム・発電所で配線ケーブルの全体像を把握する調査を行い、管理システムを作った実績がある。ダム・発電所の配線ケーブルは増え続け、電動化やIT化に伴って工事の全体像把握が難しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力配線ケーブルの全体像が把握しにくく、ルート探索や工事ルートの検索に時間がかかっていた。
  • 人手・技能ケーブルルートの探索やケーブル長の判断は作業員の経験に頼って推測するしかなかった。
  • コスト・採算ダム工事は大半が山間部に立地し、現地調査が不可欠でコスト増大の大きな要因になっていた。
  • その他複数の業者が分担して工事を行ってきたため、不要になったケーブルが放置され、ダクト内がブラックボックス化していた。

やったこと

平成26年度の補助金事業を活用し、業界初となるダム・発電所内ケーブルの最適ルート検索システムを開発した。平面のケーブルルート図を階層ごとにリンクさせ、ルート線を導き出して3D表示できるようにした。検索は始点と着点となる機器を選択して行い、最短ルート以外も全候補を表示して工事条件に合うものを選べるようにした。配管内ケーブルの名称、敷設・除去の日付、種別、太さ、芯数などを登録し、ルート検索時に参照できるようにした。完成したシステムは「ケーブルナビシステム」と命名した。

ソフトケーブルナビシステム

新しい製品・サービス:ケーブルナビシステム

事業の効果

ルート探索作業が不要になり、工事ルートの検索を瞬時に行えるようになったため、作業時間が大幅に短縮された。ケーブル長や見積金額を正確に算出できるようになり、図面からの推測や山間部での現地調査に頼っていた部分が減ってコストの低減につながった。ケーブルの階層ごとのリンク付けも行えるようになり、保守・メンテナンス作業の負担も軽減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    約10年前に岐阜県のダム・発電所でケーブル管理システムを作った実績があり、その平面ルート図を発展させた点は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界初のダム・発電所内ケーブル最適ルート検索を開発し、中部のダム管理システムの大半を請け負う実績を示している。

  • 課題の認識と解決3

    現地調査が不可欠でコスト増大の要因になっているという課題を示したうえで、ルート探索の時間短縮を挙げている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員182人、技術センターや大阪営業所を置き、システム開発課が開発を担当したと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ケーブルを3D表示で検索・確定し、その場でケーブル長や見積金額を自動計算できる点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    開発と導入の流れは書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュール、課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダム・発電所内ケーブルの最適ルート検索を業界初として開発したと明記されており、新しい分野への取組が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    国交省が社会資本の戦略的な維持管理・更新を進めていることに触れ、ダムの長寿命化への貢献をうたっている。

  • 費用対効果2

    作業時間の大幅短縮とコスト低減への貢献は書かれているが、補助金額に対する効果を示す数字がない。

  • イノベーションへの貢献4

    既存の平面図を階層ごとにリンクさせ、ケーブルルートを3D表示で可視化する先端的なデジタル活用が書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    高度成長期に整備された社会資本の老朽化対応とダム再生事業への取組が書かれ、構造的な課題に対応している。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県や富山県など地域のダム・発電所を対象にしており、山間部の現地調査課題に対応する地域特性がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高度成長期に整備された社会資本の老朽化が進む中、ダム再生事業にも積極的に取り組んでいく。今後も保守・メンテナンス作業に関する負担軽減に取り組み、ダムの長寿命化に必要な社会資本コストの低減に貢献していきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。