ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

自社仕込み商品の高品質化・新商品開発に向けた製造環境最適化

谷川醸造株式会社

この事例のポイント

  • 社屋が老朽化しており、長期間醸造を行っていなかったため、醤油と味噌の製造に適した環境を整える必要があった。
  • 糀を製造する板の下に槽を設置し、その中の水を温めることで温度と湿度を確保した。
  • 室の環境を改良したことで、温度と湿度をより緻密に調整できるようになり、糀の生育に最適な条件を整えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名谷川醸造株式会社
所在地石川県 輪島市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,バイオ
従業員数8人
資本金1.34億円
設立1959年

事業の背景

当社は明治38年の創業以来、醤油、味噌、日本酒の醸造を手がけてきた。平成7年頃に醤油の仕込みを休止し、平成15年頃に日本酒の製造を廃止したが、平成23年から能登産の原材料を中心とした自社仕込みの醤油を再開した。主に石川県外の顧客から好評を得ており、主要取引先は石川県内のスーパー、食品販売店、酒販店と、全国の百貨店や小売店である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力社屋が老朽化しており、長期間醸造を行っていなかったため、醤油と味噌の製造に適した環境を整える必要があった。
  • 品質・精度大都市圏への販路を開拓するうえで、製造面の衛生管理が課題となっていた。
  • 新製品・新技術一般的に流通していない生揚げ醤油を商品化し、能登地域の認知度を高めたいと考えていた。

やったこと

糀を製造する板の下に槽を設置し、その中の水を温めることで温度と湿度を確保した。あわせて独自の形状にカスタマイズした送風機を設置し、室の環境を整えた。一般生菌数を抑えるため、ダイヤ型多段階式濾過機を導入した。生揚げ醤油については、保存方法、賞味期限、容器の材質などの条件を変えて試作し、それぞれの環境下で色、味、香り、菌数を検査して商品化に必要な条件を確立しようとした。

その他ステン水槽
その他パンチング底板
その他天蓋
その他独自形状の送風機
その他ダイヤ型多段階式濾過機

新しい製品・サービス:生揚げ醤油

事業の効果

室の環境を改良したことで、温度と湿度をより緻密に調整できるようになり、糀の生育に最適な条件を整えられるようになった。その結果、より安定した品質の麹を製造できるようになった。導入した濾過機により、粘度や濁度の高いものや微細な浮遊物まで除菌濾過でき、一般生菌数を抑えた高度な清澄が可能になった。衛生面が整ったことで、より多くの方に能登の原材料を使用した商品を届けられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治38年創業以来の醸造事業の延長として醤油再開と製造環境整備に取り組んでおり、過去の取組との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    能登産原材料の安心・安全をうたい、大都市の消費者向け販路開拓に言及しているが、競争上の強みを数字で示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    社屋老朽化と長期間醸造休止による製造環境の課題を明示し、室改良や濾過機導入で解決に取り組んだ点が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、収益性向上という方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    従業員8人の体制や試作・検査を進めた点は読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    能登の原材料を使った安心・安全な醤油という価値と、子育て世代を顧客ターゲットとする点が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    生揚げ醤油は条件を変えた試作と検査を行い商品化段階との記述があるが、今後のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    一般的に流通していない生揚げ醤油を商品化し、能登地域の認知度向上を図る点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域産原材料を活かし能登の認知度向上を図る点はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ダイヤ型多段階式濾過機の導入や室の独自改良は読み取れるが、デジタル技術や地域サプライチェーン全体への貢献は記述されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    能登産原材料を活かした醤油・味噌の製造で地域の認知度向上を図る点が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

補助事業終了後も濾過方法の試作を重ね、さらに最適な条件を検討している。生揚げ醤油は現在検査などを行い、商品化に向けて進めている段階である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。