ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

低温管理における品質の向上と小仕込による高品質で多品種の清酒製造

株式会社宮本酒造店

成果1時間の稼働で水温が2度ほど低下し、低温での品温管理が可能と確認

この事例のポイント

  • 既存の約6,000Lの大タンクでは少量仕込みが難しく、季節商品や限定商品の展開が難しい。
  • 既存の1,000Lと1,500Lの小さいステンレスタンク2基を冷蔵タンクに改造した。
  • 1時間の稼働で水温が2度ほど低下し、低温での品温管理が可能と確認。小さいタンクで仕込めるようになり、多品種少量生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社宮本酒造店
所在地石川県 能美市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1953年

事業の背景

当蔵は酒類製造業(日本酒・焼酎)で、定番商品は既存の約6,000Lの大きなタンクで大仕込みを行っている。夫婦2人で営んでおり、季節商品や限定商品を展開するには大仕込みを数タンク同時に醸造することが難しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の約6,000Lの大タンクでは少量仕込みが難しく、季節商品や限定商品の展開が難しい。
  • 品質・精度大タンクで少量仕込みをすると品温や温度管理が難しく、酒質に大きく影響しかねない。
  • コスト・採算大きなタンクで大仕込みを行うため在庫過多となり、近年の課題となっていた。
  • 生産能力既存の搾り機は大きく小仕込み用には不向きで、圧搾時に品質を保つ小型の搾り機が必要だった。

やったこと

既存の1,000Lと1,500Lの小さいステンレスタンク2基を冷蔵タンクに改造した。タンク外部に管を巻き付けて冷却装置を接続し、制御装置で温度管理を行う方式とした。タンクに水を入れて稼働させ、1時間の稼働で水温が2度ほど低下し、低温での品温管理が可能と確認した。小型搾り機として「TM式吟醸搾り機 自動油圧式脚付」を導入し、荒ばしりから中間搾り、最後の搾り切りまで任意の圧力調整ができるようにした。油圧漏れや圧力板による人への危険性が低い機械である。

その他既存タンクの冷蔵タンクへの改造(冷却装置・制御装置付き)
加工機TM式吟醸搾り機 自動油圧式脚付
加工機おしふね式搾り機

新しい製品・サービス:多品種少量生産による清酒の展開、および酒米新品種「百万石乃白」を原料米とした清酒醸造

事業の効果

  • 1時間の稼働で水温が2度ほど低下し、低温での品温管理が可能と確認

小さいタンクで仕込めるようになり、多品種少量生産が可能になった。タンクの温度管理がしやすくなり、高品質な清酒を醸造できるようになった。小型搾り機の導入で最終段階の清酒を小さな能力で高い品質を保って搾れる環境が整った。少量生産によって多様なニーズや新しい顧客層への対応が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の大タンクでは少量多品種の醸造が難しく在庫過多が課題だったと記載があり、小仕込みへの転換は過去の課題と一貫しているが、経営戦略としての明確な位置づけまでは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    季節商品・限定商品の展開や多品種少量生産で差別化を図ると記載があるが、市場動向や競合に関する数値・根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    在庫過多と品温管理の難しさという課題認識と、小型タンク・搾り機導入による解決方針は書かれているが、売上増などの定量的な目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販路拡大や新しい顧客層の開拓が期待されると書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    夫婦2人で醸造・焼酎製造を行い、設備導入も実施したと書かれているが、補助事業を遂行するための具体的な体制や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質な清酒と多品種展開による差別化、男性女性・世代間を考慮した開発が書かれているが、ターゲットの裏付けデータは示されていない。

  • 事業化までの道筋3

    冷却装置の温度確認を1時間の稼働で2度低下と具体的に記載があり、導入後の検証は読み取れるが、中長期のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    石川県開発の酒米新品種「百万石乃白」を使う清酒醸造に取り組むとあるが、分野全体の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域と連携した特産品焼酎の製造や地域団体の支えに触れているが、経済波及や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は記載されておらず、わずかに効果がうかがえるにとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    冷蔵タンク改造と温度制御装置の導入はあるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県能美市で白山水系伏流水と地域の特産品を活かした醸造を行うと書かれており、地域特性の活用は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

多品種少量生産により販路をより拡大することが期待できると考えている。

  • 目標:タンク容量 6,000L→1,000L

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。