ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

ユニバーサルデザインパッケージ開発に向けたデザイン技術の高度化

株式会社ダンボール・ワン

成果試作開発期間 14日→1日

この事例のポイント

  • 大手家電メーカーの下請けとして担ってきた梱包資材の需要が、顧客工場の移転統合により厳しくなっていた。
  • CAD/CAM連動カッティングマシンを導入し、形状・寸法・材質等の検討、木型メーカーへの図面データ送付によるサンプル依頼、サンプルの確認までを社内で行えるようにした。
  • 試作開発期間 14日→1日。試作開発期間が最短1日に短縮され、外注に頼らず素早く商品開発できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ダンボール・ワン
所在地石川県 金沢市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数70人
資本金5,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は大手家電メーカーの下請けとして、段ボールなど梱包資材の供給を行ってきた。顧客工場の移転統合によりその方面の需要は厳しい状況にあった。一方、約10年前から始めたインターネットによるダンボール販売事業は順調に推移し、当社の売上の半分を占めるまでになっていた。当社の強みは包装資材における設計力、提案力、デザイン力にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信大手家電メーカーの下請けとして担ってきた梱包資材の需要が、顧客工場の移転統合により厳しくなっていた。
  • 生産能力ECサイトで強みを発揮するには極短納期化、小ロット化、低価格化の実現が求められていたが、試作開発に1点あたり最低14日以上を要し、外注に頼っていた。
  • 人手・技能商品開発期間を短縮し、顧客の多様なニーズに応えるデザイン力と設計力を高める必要があった。試作担当が不在で、設計・開発・試作を一元的に管理できる責任者も不足していた。

やったこと

CAD/CAM連動カッティングマシンを導入し、形状・寸法・材質等の検討、木型メーカーへの図面データ送付によるサンプル依頼、サンプルの確認までを社内で行えるようにした。これにより現物の確認を社内で素早く行い、商品開発を時間をかけず進められるようになった。試作を繰り返しながら新たな生産方式の確立に取り組み、災害時に役立つ緊急用段ボール式トイレや、カッター不要で簡単に開梱できるユニバーサルデザインの「らくらく開封箱」の試作などを行った。設計・開発・試作を一元的に管理できる責任者の育成も行った。カッティングマシンの操作習熟訓練は、グループ会社で包装資材メーカーの株式会社ペーパーワールドに協力を依頼して進めた。

加工機CAD/CAM連動カッティングマシン

新しい製品・サービス:緊急用段ボール式トイレ、ユニバーサルデザインの「らくらく開封箱」

事業の効果

  • 試作開発期間 14日→1日

試作開発期間が最短1日に短縮され、外注に頼らず素早く商品開発できるようになった。複雑な形状やデザインの製品開発が可能になり、多様な商品を短期間で市場に浸透させられるようになった。カッティングマシンの活用によりプラスチックダンボールの生産も始まり、既存分野以外の客先との取引も始まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大手家電下請けの需要減少を背景に、EC販売事業の拡大を経営上の方向として示しているが、過去の取組との一貫性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    EC販売で国内シェア1位、売上高490百万円から50億円超への見込みなど、市場と自社の強みを具体的に示し、優位性を説明している。

  • 課題の認識と解決4

    極短納期・小ロット・低価格化の課題を挙げ、試作期間が14日以上から最短1日になった成果が課題解決として示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上の目標値や付加価値額の具体的な数値目標は示されていないが、売上50億円見込みという実績の伸びがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    試作担当の不在や設計・試作を一元管理する責任者の育成に取り組んだと書かれており、体制面の取組が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    即日見積・極短納期・極小ロット・低価格という顧客に選ばれる理由と、ユーザー層の広がりが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作を繰り返しながら成型方法を確立した過程や今後の展開は書かれているが、スケジュールや検証方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ユニバーサルデザインの「らくらく開封箱」や緊急用段ボール式トイレなど、高付加価値の独自商品開発が具体的に書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    災害時に役立つ製品や既存分野以外の取引開始はうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は明示されていない。

  • 費用対効果3

    試作期間が14日以上から1日に短縮された効果は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    CAD/CAM連動カッティングマシンを用いたデジタル技術の活用とプラスチックダンボール生産への展開が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    プラスチックダンボールなど既存分野以外への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    石川県金沢市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は今回確立した成型方法も含め、浄化槽製造で培ってきたFRP及びプラスチックの成型・加工技術を、浄化槽以外の自社製品開発や受託生産の請負などに活かしていきたいと考えている。

  • 目標:売上高 490百万円→5,000百万円

事業者の声

全く取り組んだ事もノウハウもなかった成型方法への挑戦を、ものづくり補助金によって後押しをして頂きました。試行錯誤しながら目的の成型法を確立できたことは大きな成果となりました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。