ものづくり補助金平成30年度製造業佐賀県

オンデマンド型製箱機導入で生産プロセス改善とコストダウン

株式会社ジェイ・テック

この事例のポイント

  • 外装用段ボール箱は外注しており完成までに1週間かかったため、顧客の短納期の要求に応えられず、受注できない案件があった。
  • 外装用段ボール箱を外注から内製化するため、オンデマンド型製箱装置を導入した。
  • 外装用段ボール箱の内製化により即日対応が可能になり、顧客が求める小ロット多品種・短納期を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジェイ・テック
所在地佐賀県 唐津市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

1967年創業以来、高級紙箱や化粧木箱のメーカーとしてパッケージ製造に携わってきた。主力商品は大手コンビニエンスストア用のおせち重箱と航空機内食用の容器で、おせち重箱では国内トップシェアを誇る。Vカットボックスという板紙加工の高級商品向けパッケージを製造する会社は全国に数社しかない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程外装用段ボール箱は外注しており完成までに1週間かかったため、顧客の短納期の要求に応えられず、受注できない案件があった。
  • コスト・採算外装用段ボール箱は5〜10枚しか必要ない場合でも最低50〜100枚の発注が必要で、余った分は同サイズの注文がなければ無駄になって処分せざるを得ず、コスト増の大きな原因となっていた。
  • 人手・技能熟練工の後継者育成や人材教育が十分にできず、誰でも製造できる生産プロセスへの改善が必要だった。

やったこと

外装用段ボール箱を外注から内製化するため、オンデマンド型製箱装置を導入した。この装置は100種類を超える形状パターンに対応し、数値を入力するだけで外装用段ボール箱を製造できる。1時間で最大600個の製造が可能で、1個だけの製造にも対応できる。タッチパネルで箱の形状を選び寸法を入力すると、段ボールシートが自動でカットされ、罫入れをしたうえで排紙される。

加工機オンデマンド型製箱装置

事業の効果

外装用段ボール箱の内製化により即日対応が可能になり、顧客が求める小ロット多品種・短納期を実現した。寸法違いや糊接着不良が1つだけ発生しても、すぐに作り直せるようになった。外注費は年間約3500万円かかっていたものが約1000万円のコスト減となり、緩衝材をなくしたことで約1200万円の経費削減につながった。タッチパネル操作で誰でも製造できるようになり製造環境は大きく改善され、生産プロセス改善と顧客満足度の向上により仕事の幅が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1967年創業以来の高級紙箱・化粧木箱の製造実績と、Vカットボックスの専門性が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高級商品向けパッケージの国内でも数社しかない分野、おせち重箱の国内トップシェアなど、強みと市場の位置づけが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注で1週間かかる課題と最低50~100枚発注の無駄を特定し、内製化で即日対応・小ロット短納期を実現する計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間で最大600個製造可能、外注費約1000万円減、緩衝材削減で約1200万円削減と数値目標と効果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練工の後継育成の課題と誰でも製造できる操作性は書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット多品種・短納期という顧客ニーズと、100種類超の形状対応、即日対応による選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望としてVボックスへの装置導入検討が書かれているが、導入スケジュールや遂行方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    Vカットボックスは全国に数社しかない専門分野とされ、同分野で高付加価値の高級パッケージを製造している点が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用の創出に触れているが、川上・川下への波及効果や社会的インフラとしての積極的な理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果5

    投資に対し外注費約1000万円減、経費約1200万円削減と具体的な費用対効果の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    タッチパネルで寸法入力し自動でカット・罫入れする仕組みはあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    脱プラスチックの動きに触れ紙パッケージの可能性を述べているが、構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県唐津市の拠点で高付加価値の紙器を製造し、雇用創出に触れているが、地域経済への波及効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の装置導入で自社の強みがさらに高まったと感じており、高級感とデザイン性が高く汎用性のあるVボックスの製造にも新しい装置の導入を検討している。今後も小ロット・多品種・短納期など顧客のニーズにできる限り応え、売り上げ拡大や顧客増につなげ、新たな雇用を創出したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。