ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

PVDコーティング膜の前処理改善による高密着性膜の開発

株式会社オンワード技研

成果従来の投射材に比べ約10%向上した密着性を有する膜の生産が可能となった

この事例のポイント

  • コーティング膜の密着性が工具金型の寿命を大きく左右するため、顧客からの要求水準が非常に高い。
  • 処理条件の最適化を図るため、マルチコーンと呼ばれる2μm程度のダイヤモンド粉末をφ0.5mm程度のゼラチン状の玉に付着させた研磨剤を圧縮エアーで製品に吹き付けるエアロラップ処理を…
  • 従来の投射材に比べ約10%向上した密着性を有する膜の生産が可能となった。処理条件の最適化により投射材を変更し、従来より約10%向上した密着性を持つ膜の生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オンワード技研
所在地石川県 能美市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数93人
資本金4,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は機械工具、切削工具や金型等の表面に耐久性を向上させるPVDコーティングを行うメーカーである。コーティング膜の密着性の良し悪しで工具金型の寿命が大きく変わるため、顧客からの要望は非常に高度である。国内では表面処理による技術ニーズが広まり、製造現場では新素材・新プロセス開発の要望や供給先メーカーでの内製化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度コーティング膜の密着性が工具金型の寿命を大きく左右するため、顧客からの要求水準が非常に高い。
  • 新製品・新技術表面処理技術のニーズが広がり、新素材や新プロセスの開発要望、供給先メーカーでの内製化が進むなど環境が変化している。
  • 集客・繁閑中小コーティング専門企業として独自性のある技術やサービス、高度な品質管理体制を構築し、ライバル企業と比較して優位性を持つ仕組みづくりが急務となっている。

やったこと

処理条件の最適化を図るため、マルチコーンと呼ばれる2μm程度のダイヤモンド粉末をφ0.5mm程度のゼラチン状の玉に付着させた研磨剤を圧縮エアーで製品に吹き付けるエアロラップ処理を研究し、マルチコーンのサイズによる密着性と処理速度を検証した。膜の密着性の数値化には、従来のロックウェル硬度計による評価に代わり、高性能ズームレンズを搭載したスクラッチ試験機を導入した。従来式は扱い方次第で測定誤差が発生しやすく定量的なデータも得られなかったが、スクラッチ試験機は人為的要素が少なく、膜剥離の状態を定量化できる。

加工機エアロラップ処理装置
検査測定スクラッチ試験機
検査測定超小型高性能ズームレンズ

事業の効果

  • 従来の投射材に比べ約10%向上した密着性を有する膜の生産が可能となった

処理条件の最適化により投射材を変更し、従来より約10%向上した密着性を持つ膜の生産が可能になった。スクラッチ試験機と超小型高性能ズームレンズの導入により、これまでなかった新たな膜評価方法を確立した。定量的な分析結果を迅速に顧客へ提供できる品質管理体制が整い、付加価値の向上と顧客からの信頼を同時に得ることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のロックウェル硬度計から定量評価への転換と品質管理体制の強化が記載され、既存の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要望の高度化や海外の表面処理ニーズ拡大、内製化の動きに触れ、独自性と優位性の確保が急務と記載されている。自社の強み・弱みの具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    密着性の課題を前処理改善と定量評価で解決し、約10%向上した膜の生産と付加価値向上につなげた点が具体的に記載されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来投射材に比べ約10%向上した密着性の膜を生産可能になったと数値で示されている。付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    定量的な分析結果を迅速に顧客へ提供し信頼を得たと記載があるが、ターゲット顧客やニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    処理条件の最適化や評価方法の確立は述べられているが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    スクラッチ試験による定量的な膜密着評価を業界に先駆けて確立したとあり、高水準の差別化はうかがえるが、市場の普及度は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    工具や金型の寿命向上や国内製造現場への貢献がわずかにうかがえるが、波及効果や雇用創出の記載はない。

  • 費用対効果2

    約10%の密着性向上は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    定量的な膜評価の確立は新たな品質管理の仕組みとしてうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は記載されていない。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。